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山吹紅葉は生徒会長! ―前世は中世に生きた魔女―  作者: 冷水
第一章:生徒会長。二学期~
15/23

少しだけ変化した関係 (1)

タイトルを変更しました。ご迷惑をおかけ致します。

旧『転生した中世の魔女は、美少女な生徒会長!』→新『山吹紅葉は生徒会長! ―前世は中世に生きた魔女―』


 先週から、少しだけ帰りの時間を早くして、夜の十一時には帰宅するように改めた。

 それでも、相変わらず両親との距離は縮まっていないし、手紙の返事は来てない。まだ顔を合わせるのは気が引けた。

 受け身になってしまうけど、今はリアクションを待とうと考えていた。


「お姉ちゃん! 素敵な手紙、ありがとう!」

 週末になって、柚希が私の部屋を尋ねてきた。帰宅した時間に合わせて、手紙の感想を言いにやって来た。

「もう嬉しすぎて、私の宝物にするね!」

 私の送った手紙を持って抱きついてくる。喜んでくれるなら、出した者としては気分が良かった。

「この封筒と紙は、どこに売ってるの? すごい綺麗で高そうだけど、私もこんなお手紙書いてみたい」

「そこにある和紙と、厚紙で作ったの」

 無地の和紙と厚紙を渡すと、目を丸くして驚いていた。

「え? 手作りなの?」

 材料と手紙を見比べていた柚希は、手作りと聞いて嬉しそうに笑っていた。同時に、描いてある絵や模様について「どんな意味があるの?」と聞いてきた。


「この模様は、前世の私が使ってた紋章で、封筒に描いてあるのは撥水(はっすい)効果のある魔術だよ」

「これ、魔法の手紙なの!?」

 現代においては、魔法の手紙は都市伝説の一種だった。存在は確認されておらず、大昔にあったかもしれないと(ささや)かれる程度の物である。

 そもそも電子メールやSNSといった連絡手段が豊富にある世の中で、手紙も個人が使う機会は限られてくる。魔法の手紙が使われていても、注意しなければ気付くことは難しい。

「やっぱ、お姉ちゃんはすごいね」

 尊敬の眼差しを向けられ、照れ隠しに柚希の頭を撫でると、くすぐったそうにしていた。

 無邪気に喜んでくれるのを見ると、私も嬉しくなった。


----

「あのね、今日はお願いがあるの」

「なに?」

 最初に比べれば、だいぶ柚希の事を受け入れられるようになった。当初は他人だと突き放していたのに、今では可愛い妹だと思えている。

「明日か明後日、久しぶりにお姉ちゃんと一緒に、遊びに行きたいなって。駄目かな?」

「場所によるわね。どこへ行くの?」

 妹とはいえ、同年代の誰かと出かけるのは久しぶりになる。場所によっては、出来る限り付き合ってあげようと思った。

「服を見に行ったり、カラオケとか行きたい!」

 柚希はどうか知らないけど、私はカラオケに行ったことがない。中学でも行く人はいたけど、私には縁がなかった。

 その上、高校ではそんな関係の友達は作っていない。

「柚希が行きたいなら良いけど、私は行ったことないわ」

「私もだよ。友達が楽しいって言ってたから、お姉ちゃんと一番に行きたいと思ってたの!」

 微笑みながら「分かった」と伝えると、詳細を決めて柚希は部屋に戻っていった。

 そういえば柚希は今年、高校を受けるのではないのか。受験勉強は大丈夫なのか、少しだけ気になった。


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