少しだけ変化した関係 (1)
タイトルを変更しました。ご迷惑をおかけ致します。
旧『転生した中世の魔女は、美少女な生徒会長!』→新『山吹紅葉は生徒会長! ―前世は中世に生きた魔女―』
先週から、少しだけ帰りの時間を早くして、夜の十一時には帰宅するように改めた。
それでも、相変わらず両親との距離は縮まっていないし、手紙の返事は来てない。まだ顔を合わせるのは気が引けた。
受け身になってしまうけど、今はリアクションを待とうと考えていた。
「お姉ちゃん! 素敵な手紙、ありがとう!」
週末になって、柚希が私の部屋を尋ねてきた。帰宅した時間に合わせて、手紙の感想を言いにやって来た。
「もう嬉しすぎて、私の宝物にするね!」
私の送った手紙を持って抱きついてくる。喜んでくれるなら、出した者としては気分が良かった。
「この封筒と紙は、どこに売ってるの? すごい綺麗で高そうだけど、私もこんなお手紙書いてみたい」
「そこにある和紙と、厚紙で作ったの」
無地の和紙と厚紙を渡すと、目を丸くして驚いていた。
「え? 手作りなの?」
材料と手紙を見比べていた柚希は、手作りと聞いて嬉しそうに笑っていた。同時に、描いてある絵や模様について「どんな意味があるの?」と聞いてきた。
「この模様は、前世の私が使ってた紋章で、封筒に描いてあるのは撥水効果のある魔術だよ」
「これ、魔法の手紙なの!?」
現代においては、魔法の手紙は都市伝説の一種だった。存在は確認されておらず、大昔にあったかもしれないと囁かれる程度の物である。
そもそも電子メールやSNSといった連絡手段が豊富にある世の中で、手紙も個人が使う機会は限られてくる。魔法の手紙が使われていても、注意しなければ気付くことは難しい。
「やっぱ、お姉ちゃんはすごいね」
尊敬の眼差しを向けられ、照れ隠しに柚希の頭を撫でると、くすぐったそうにしていた。
無邪気に喜んでくれるのを見ると、私も嬉しくなった。
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「あのね、今日はお願いがあるの」
「なに?」
最初に比べれば、だいぶ柚希の事を受け入れられるようになった。当初は他人だと突き放していたのに、今では可愛い妹だと思えている。
「明日か明後日、久しぶりにお姉ちゃんと一緒に、遊びに行きたいなって。駄目かな?」
「場所によるわね。どこへ行くの?」
妹とはいえ、同年代の誰かと出かけるのは久しぶりになる。場所によっては、出来る限り付き合ってあげようと思った。
「服を見に行ったり、カラオケとか行きたい!」
柚希はどうか知らないけど、私はカラオケに行ったことがない。中学でも行く人はいたけど、私には縁がなかった。
その上、高校ではそんな関係の友達は作っていない。
「柚希が行きたいなら良いけど、私は行ったことないわ」
「私もだよ。友達が楽しいって言ってたから、お姉ちゃんと一番に行きたいと思ってたの!」
微笑みながら「分かった」と伝えると、詳細を決めて柚希は部屋に戻っていった。
そういえば柚希は今年、高校を受けるのではないのか。受験勉強は大丈夫なのか、少しだけ気になった。
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