第四話【向こうの世界】
「リンッ!ゲートの準備をしろ!」
固い鉄製と思われるドアが乱暴に開けられるともにリーの声が響いた。
「え?は、はい。すぐに準備します!」
扉の先にはリンと呼ばれた赤髪の女の人が驚きの表情を見せながらそう言い目の前のキーボードにすごい勢いでなにやら入力し始めた。
よく見ると部屋の中には数えきれない量のモニターやよくわからない電子機器が置いてある。
映画に出てくるハッカーが使ってそうな部屋だ。この人はいったい何者なんだろうか。
まあ、こいつらの仲間ならろくな奴じゃない気がする。
「ゲートは通常通りの手順で構いませんね?」
リンがリーに聞く。
「それだと時間がかかりすぎる。増幅を20%に下げろ。」
「しかし、それでは向こうとのリンクが不安定になります!転送中の対象に影響が出る可能性が高くなります。」
「それでも問題ない。対象は小型のイノベーターと虚影者かトランスルーセントなのかもよくわからん謎の男だけだ。」
おっと誰でしょうかねその謎の男って。
「それなら・・・まあ大丈夫でしょう。では準備します。増幅20%なのでそんなに時間はかからないと思いますが、まあ少しお待ちを。」
リンはチラッと俺を見てそう言った。
いやいや大丈夫じゃないでしょ!?影響出るとか言ってたよね!?
「よしアオ、ついてこい」
リーはそう言って部屋からでていった。俺はそのあとを追う。
というかなんで急に名前で呼び出したんだこいつは。あんなことがあった後だというのに。
こいつに呼ばれるのはあまりいい気持がしない。
謎の穴が現れ、リーが俺にあの言葉を言ってきたあの後、リムジンはすぐに走り出した。
だが中にいた俺たちは一言もしゃべらずにいた。
というか俺は喋れなかった。雰囲気がなぜかとても重く感じたからだ。
そしてそのまま何もすることができず10分ほど経過した後、
リーに車から出ろと言われ俺は車をでた。そしてそのまま人気のない裏路地に入り連れてこられたは最近では見なくなった電子ロックのついていない鍵タイプの古いアパート。その端の一部屋に連れてこられたのだった。
逃げることもできたのかもしれないが、なぜか何もすることができなかった。
「ここだ、ここで待っとけ。」
そういわれたその部屋はなんというか、近未来すぎる部屋だった。
なんというか、ここにくるまでの部屋は他の民家とかわらないものだったがここにきて雰囲気が一気に変わった。
真ん中には見たことあるようなないような台座みたいな装置が置いてあり、その周りにはたくさんのパイプが密集している。
そしてその横には見たことのないようなレバーのついた機械がある。
と部屋を見渡していると
「各員に通達する。これより作戦をパターンTに変更する。繰り返す、作戦をパターンTに変更する。チームβはすみやかに合流地点に行け。以上」
なにやら端末に向かってリーがしゃべりだした。おそらく無線かなにかだろうが。そしてふとリーの隣を見るとそこにはなにか戸惑ってるようなミノリがいた。なんに戸惑ってるかはまあ知らん。そんなミノリに気づいたのかリーが
「ミノリ、お前のためにパターンTが何なのか言っといてやる。お前はイノベーターであいつの援護をしろ」
ん?俺か?
「了解です!ボス!」
ミノリはそう言って少し安心した顔で奥へと行った。
で、この部屋に残ったのは俺とリー二人だけ。
よりにもよってこいつと二人きりだ。気まずい!とっても気まずい!
というか俺ここでなにすればいいんすかね?
「そういえば、お前の答えをまだ聞いてなかったな。」
「答え?」
「俺たちと一緒に来るか、来ないかだ」
ぶっちゃけいって帰りたいけど拒否ったら殺されるっていう。
今思ったけどこれ完全脅迫だよな?
そう思いながら俺は言う
「どのみち断ったら俺は死ぬんだろ?なら行くしかないじゃん。」
「フ、そうだな、お前に拒否権はない。それでいい」
まじでなんだよこいつむかつく。
「ただ、この任務とやらが終わったら俺は帰るからな」
「フン、好きにしろ。帰れる場所があるかはわからんが。」
とリーは少し不敵な笑みを浮かべながら答えた。
・・・どうゆうことだ?
「まあいい、お前のやることは分かるな?」
「えっと女の人に会うだっけ?」
「そうだ。格好はまあ一目見ればわかると思うが、マントと赤いマフラーをつけている。」
なにその変な格好。まだ夏の終わりなのにマフラーはさすがに暑いような・・・。
あれ、深く考えれば考えるとその女の人が変なやつにしか見えてこない・・・。
「まあそんな変な顔をするな。確かにちょっと変わったやつだが大丈夫、すぐ慣れる」
やっぱり変わった奴なんですね!
「リン、ゲートの進行は?」
「現在進行度80%。まもなくゲート増幅に入る段階です」
「分かった。なるべく急いでくれ。」
「リー準備終わったよー」
そんな声ともに奥からミノリが出てきた。手にはなんといか、円盤みたいなのを持っている。
なんだあれ?大き目な缶詰かなにかか?
そんなことを考えているとミノリが俺のほうに向って来た
「君、確かアオ・・・だったよね?これ、持っといてくれる?」
そう言って手にもっていた円盤みたいななにかを渡された。
そして俺はこいつの重さにビビる。見た目にしては考えられない重さだ。
なんでこんな重いんだよッ!なにはいってんだよこんなか!
「あー。ごめんねー結構重いけど大丈夫?」
「う、ういッス!!」
とミノリに変な円盤を持たされてうめいていると。
「リー大変です!増幅がききません!」
リンが駆けつけてきた。
「なに!?なぜだ?」
「おそらくは先ほどの巨大ゲート出現の影響でしょう。増幅してもかき消されてしまうほどに強力な捻りが発生したみたいです。」
「増幅を増やすんだ!」
「それももう試しましたが・・・それ以上の捻りが・・・」
「なにか策はないのか・・・」
この二人が何を言ってるのか今の俺には全く分からないが、まあないか想定外のことでも起きたのだろう。
俺はふと台座みたいな装置に目をやる。さっきからどこかで見た気がすると思ったが思い出した。
昔見た映画のテレポート装置がこんな形をしていた気がする。てことはこれもそんな感じの装置か?
そう思いとなりにいたミノリに聞いてみる
「なあ、この装置ってなんなんだ?」
「ああ、それはゲート出力装置。あそこにゲートができるの。」
そう言って指さすは台座みたいなものの上。
ほう、あれにゲートができるのか。ちょっと気になるので近づいてみることにした。
「出力をあげることはできるか?」
「できることはできますが、今の設備では負荷がかかりすぎます。最悪装置が壊れる可能性も・・・」
後ろではまだ二人が話し合ってるようだ。
俺はゲート出力装置の目の前に立った。
目の前に立ってみて分かったがこれはいい。かなりいい。
なにがいいかっていうともうとてつもなくカッコいい。
こうゆう装置は男のロマン、憧れだ。
だから、ちょっとぐらい触っても・・・いいよね?
俺は左手にミノリから預かった円盤を持ち、右手を台座に近づける。
そしてそのまま台座を触る。
「あなた!なにやってるの!?」
リンが驚いたようすで言う。その言葉に反応してリーとミノリも俺のほうを向いた。
「えっと・・・さわっちゃまずかった感じ・・・ですか?」
とその時だった。
突如台座の上から紫色の光が現れる。それに驚き俺はとっさに台座から手を放し後ずさる。
そして次の瞬間。またもや空間に穴が開いた。本日二度目だ。
「ゲートが・・・」
リンがポツリとつぶやく。
俺たちは少しの間なにもできず、ただその光景を見るしかなかった。
「なにが起きたのかはわからんが・・・とりあえずゲートはできた。」
リーが喋る。
「アオ、向こうに行く前にお前にこれを渡しておく。」
そう言ってリーは俺に銃を差し出してきた。俺はそれを受け取る
「これは・・・拳銃?」
「拳銃であるが拳銃ではない。そいつはお前の意思を力に変えてくれる。中身は俺が持っていた変形する端末と違いはない。」
「えっと使い方とかは?」
「ミノリかイェンにても聞け」
ちょっと待ったはじめて聞いた名前がでてきたぞ。
リーに誰だよと聞こうとすると
「新たな極光の確認!識別コード【VG2D】。彼女が戦闘を開始したと思われます。」
いつの間にかこの場から消えていたリンの声が奥から響いてきた。
たぶんモニターがいっぱいあった部屋に戻ったのだろう。
リンの言葉にリーは険しい顔で
「どうやらもう時間がないようだな。」
俺に向かってそういった。
「いやまだいろいろと聞いときたいこととかあるんだけど」
「アオ、くれぐれもミスはするな。お前たちの行動によって未来は変わる。」
俺の言葉を無視してリーはそう言った。
「えっ、ちょ」
「行ってこい」
俺の言葉を遮るようにリーはそういい、思いっきり俺を押した。
俺はなすすべもなくそのまま押され後ろによろめき、ミノリの悲しそうな顔が視界に入り
そしてゲートに突っ込んだったのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そこは、部屋だった。
窓から月明りが差し込んでいるためか明かりがないのにほんのり明るい。どうやら今は夜のようだ。
窓の外をぼんやりと眺めていると横からピアノの音が聞こえてきた。
音の方に向いてみるとそこには黒く光るグランドピアノとそれを弾いている一人の少年がいた。
少年は黙々と、しかしなぜか少し悲しそうな顔をして演奏していた。
俺はしばらくその演奏を聞いていた。少年が弾いているのはなぜだかどこか懐かしくて、聞いたことのあるような曲。
だが何の曲かは思い出せない。
曲もいよいよ終盤というところになった時
「・・・・・て」
少年がなにかを言った。がピアノの音にかき消されてよく聞こえない
「・・・を」
またなにかしゃべったようだがやっぱり聞こえない。
俺が何を言ったのか聞こうとしたその時。
「・・・忘れないで
え?
その直後、目の前の景色が急に遠のいていく。なにかに吸い込まれるように。
なんだなんだなんだ!?!?と、とりあえずまずは状況整理だ。気が付いたらあそこにいて、ピアノの演奏を聴いてたら急に景色が遠くに離れていった・・・・・・・
やべえ、意味わかんねえ。
だんだんと視界がぼやけ、頭がふらふらとしてきた。これはいよいよヤバい。
どうにかできないかとあたりを見渡してみて俺は気づいた。
いや違う、俺が吸い込まれれているのだと。
俺の意識はそこで途絶えた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
目が覚めると、俺は見知らぬ崖の上で倒れていた。崖と言ってもそれほどの高さはなさそうだ。
くそ、ふらふらする。これはあれだ、寝すぎた時と同じ感じだ、頭がボーっとする。
とりあえずだるい体を起こして周りを見てみる。
・・・・・・・さて、どこだここ。
周りを見た限り崖の下は小さな平原。その平原を囲むようにあたりに木が茂っている。
そして一番気になるのがなぜかそこら中に結晶と思わしきものが生えてることだ。まあ奇麗だしそれはいいんだけど
ここが向こうの世界ってやつなのか?確かに現実世界とはすげえかけ離れてはいるけど。
とりあえず俺はここである女の人と合流すればいいんだよな?
とここで俺は気づく。どこで合流すればいいのかを。
・・・・・詰んだ
場所わかんなければどこ行けばいいかわからないじゃん?というかそもそも場所分かってもどうやってそこ行くかわかんなくね?
つくづく俺は馬鹿だと思った。
まああれだ、リーが悪い、あいつがいきなり押して来たから何も聞けなかったんだ。そうだ、あいつが悪い。
と思っていると手に冷たい物を感じた。
なにかと見てみるとそこには白い円盤が。ミノリから持ってってくれと言われ無理やり持たされた物だ。
持ってってくれといわれたけど、これは一体どこにもってけばいいんだ?こっちの世界に持ってくるだけでいいならそこら辺に置いとけばいいのか?
あらためてこの円盤を見てみるとほんとになんなのか不思議だ。大きさの割にはかなり重いし、ところどころ変な溝が開いてるし。
どことなく例のお掃除ロボットに似てんだよなーこいつ。そう思いながらちょっと叩いてみると。
『ちょっと!!あんまり乱暴しないで!爆発しちゃうから!!』
「おわあああああああ!?!?」
突如円盤がしゃべり俺は変な叫び声を出してしまう。
『な、なに!?やめてよこっちもびっくりするから・・・』
ん?この声どこかで聞き覚えがあるぞ
「えっとその声は・・・ミノリ・・・さん?」
俺の質問に白い円盤は
『そうそう、私今この子のスピーカを通じてあなたに話してるの。てゆーかミノリでいいって。』
やっぱりそうだった。
「なんでここに?てかこの円盤は・・・」
『私は君のサポーター。これは円盤じゃなくてイノベーターよ』
「いのべーたー?」
よくわからない単語が出てきた。かっこいい響きだけども
『第二の世界で活動するロボットの総称ね、普通の世界にいる警備ロボットとかよりずっと高性能でちょっと特殊な方法で作られてるの』
まあ要はロボットの亜種ってことだな。というかこいつロボットてことはもう完全にあれじゃん、お掃除ロボじゃん
「なあ、そいつどうやって動くんだ?やっぱタイヤとかでゆっくり動くの?」
『そこらへんのお掃除ロボと一緒にしないでよね。まあ見てなって、ちょっと地面に置いてもらっていい?』
俺は円盤を地面に置く
『あー違う違う逆、逆!それじゃあ裏返しだよ』
「あーこっちか?これでいいのか?」
そんなやり取りをかわしながら俺が置き終わると。
『よーしじゃあ行きまーす!!フォルムチェンジ!!』
「フォルムチェンジ!?なんだ変形でもすんのか!?」
フォルムチェンジという言葉に俺は反応してしまった。
だが変形は男のロマンだろ?そう俺が少し期待して円盤を見ると。
円盤にあった溝がスライドして穴が開いた
おお!あれか、こっからなんか手とか足とか出てくるってやつか!!
一体どんなのがでてくんだ?やっぱすごい機械的なやつか?
それとも蜘みたいのがでてくんのか?正直言って無視は嫌いだから蜘足は嫌だ・・・え?
俺は穴から出てきたものを見てポカンとする。
『どうどう?かっこいいでしょこれ。』
いやかっこいいもなにも
「なんで足に毛がついてんすかね?」
そう、そこには予想とはまったく違う光景があった。
白くて丸いこれぞロボットといえるフォルム。
その横、片側に3か所、計6か所から6本の真っ黒い足が伸びていた。
足が出てくるのは予想通りだ、だがなぜだろう、なぜ
「なんで獣脚がでてくんだよ!!」
そう、その足は完全になんかの動物の足だった。
『でもかっこいいでしょ?』
素直に言おう、これは、
「かなりキモイ。なんか無駄にリアルでキモイ。てゆーか毛深すぎだろこの足。なにこれ?足が太いタランチュラかよ」
『ひどい!結構の力作なんだけど!!』
まじかよ。
「お前の感覚大丈夫か?」
『こう見えてもリー達からメンバー内で一番鈍感と言われる女ですがなにか?』
「鈍感な奴にロボット作らせたらこうなるのかよ・・・」
『そもそも、ロボット作れる時点で結構すごいんだからね?あとあんま乱暴しないでね、爆発するから』
言われてみれば確かにロボット作れるのはすごいな。てかそれよりも
「あの・・・爆発って?」
『これは地雷型イノベーター、名前は決めてないけどとりあえず地雷がモチーフよ』
なんでそんなもんをモチーフにしたか問いただしたい。
『一応暴発しないように作ったつもりではいるけど、それでも万が一ってことはあるからね。』
俺は今からこの脚が生えた地雷と一緒に行動するのかよ。
『まあとりあえずそんなことはどうでもいいわ。今は合流地点に行かないと』
ミノリが我に返ったようにそんなことを言ってくる。
「ああそうか、でも俺合流地点とかどっか知らないし。道もわかんないぞ?というかそもそもここが向こうの世界ってやつなのか?」
『そう、ここが私たちの言ってる向こうの世界、正式名称はCodE:outWorldよ。合流地点は私が分かるから、道案内は任せてね。ほら、ついてきて』
そう言ってミノリが操縦してるであろうあの円盤が蜘みたいに歩き出した。あの脚で歩かれると余計キモイ。
俺はそのあとをついていく。
『つい5分前に識別コード【VG2D】の極光が消えたの。まあ、あの子のことだからたぶん大丈夫だとは思うけど。なるべく急いでいくよ。』
それを聞いて俺は気になってたことを言ってみた。
「なあ、その極光とか識別コードとかってなんなんだ?」
こっちに来る前もリンがその言葉を言っていたがいまいちよくわからない。
『ああ、そういやまだ言ってなかったね。極光はオーロラのことよ。虚影者が活動を開始、まあ能力を使うとオーロラが現れるの。オーロラの色は虚影者によってそれぞれ異なっていて、その色をもとに虚影者一人一人につけられたのが識別コード。虚影者の名前みたいなもんね』
「でも本物のオーロラも混じってるんじゃないか?それだと」
『本物のオーロラなんて23年前にとっくに消えてる。言ったでしょ?虚影者はオーロラそのものだって。今私たちが空を見上げて見えるオーロラは全部虚影者のもの。』
俺はそれを聞いて驚いた。
『あんまり驚かないのね、他の人だと結構驚くけどこの話。』
いや自分も結構驚いてます
「俺も結構驚いてるつもりだけどな、まあオーロラなんてあんま見ないからな。」
この言葉にミノリは
『これだから引きこもりは・・・』
あきれたように言ってきた。
おいちょっとまて誰が引きこもりだ
「誤解されないよう言っておくがちゃんと学校行ってるから!ひ、ひきこもりじゃないから!!ただ人とあんまかかわったことがないだけだから!!!」
そんな俺の弁解の言葉にミノリのクスッと笑った声が聞こえた。
「おいお前、どっからその円盤を操作してるかわからんが今笑ったろ?笑ったよな?」
『あーごめんごめん、いやー君、やっぱおもしろいよ』
ないがおもしろいのか俺にはさっぱり分かんないけどな。
こんなやり取りを歩きながらしているとミノリが
『やっぱり君はここに来たね』
急にそんなことを言ってきた。その言葉を聞いてリムジンの中でこいつに、君は来る、と断言されたのを思い出す。
きたくて来てるわけじゃないんだけどな。
「行かないと殺されるだろ?行くしかないじゃん。言っとくけどこれ脅迫だからな?」
「まあ、そうかもね・・・」
俺の言葉にミノリが悲しげに答える。
なんでこいつは時々こんな悲し気な雰囲気になるんだ?女の子どこらかまず人と関わりのない俺がそんなことされるとまじでどうすればいいのか困る。
「ま、この任務とやらが終わったら俺はとっとと解放してもらうからな。」
少し軽めにいってみるものの。
『そうね・・・』
なぜだか一気に雰囲気が気まずくなった。
どうして俺が人と話すとこう気まずくなるのだろうか。つくづく俺は空気を悪くする才能でもあるのかもしれないと思ってきた。
いつもならここで何もしないところだが今はとりあえず話を逸らしてみる。
「なあ、そういや合流地点ってどこなんだ?もう結構歩いたよな?」
そう、実はもうすでに20分くらいは歩いている。
今、俺たちは俺が転がっていた崖を下り、崖の周りにあった森の中にいた。
『たぶんもうすぐのはずよ、この森を抜けた先に大きな岩場があるんだけど、そこで待ち合わせしてるの。あ、あれね』
そう言って見えてきたは大きな岩。確かい大きい、結構なでかさある。
「誰もいなくねえか?」
しかしあたりを見渡してみるものの人影らしきものは見当たらない。岩しかない。
『あれえー?ここらへんにいるとは思うんだけど・・・ちょっと私向こう探してくるね』
そう言ってミノリの操作する地雷タランチュラはどっかへいった。
俺ももうちょっと調べてみるかと思ったその時。
「そこ!!!」
突如後ろから声がかかってきた。俺は急いで声の方向を向く。
「貴様、このあたりではみない顔だな、なにものだ!!答えろ!さもないと我が真紅の力がお前に襲い掛かることになるぞ」
そこには一人の少女が立っていた。
「答えろと言っている!!」
少女は黒と赤のフードつきマント、赤いマフラーに腰には長い鞘を装備している。
なんかどっかで聞いたことあるような格好だなと思っていると
「答えろと言っている!!いいんですか?マジで燃やしちゃいますよ?いいですか?」
なかなか物騒なことを言ってきた。最近の子は怖い。
「答えないんだな!なら仕方がない、貴様には私の封印されし力を解放しなければならないようだ。」
ちょっと何言ってるかわからない少女はこちらに手をかざしてくる。
「え、ちょっと!?俺はただの一般人ですって!!」
そんな俺の言葉に少女はますます顔をしかめて
「ならもっと怪しいじゃないか!!貴様!!もしや敵だな!?燃えろおぉぉ!!」
そういって少女は俺のほうに走り出してきた。ヤバい!これかなりヤバい!ピンチじゃん!!
こちらに思いっきり走ってくるのをみて俺が死を覚悟した、その時
「あぁぁ・・・」
バタッ
・・・は?
走ってる途中で少女が情けない声とともに倒れた。
えっと、あれ?助かった?
俺は少女をじっと眺める。
あー、そういや合流する人ってマントとマフラー装備してる変な人っていってたよなー・・・
一瞬目をそらしもう一度少女を見る。服装は赤と黒のフード付きマントに赤のマフラー・・・
こいつじゃん!!!
俺は少女のもとに駆け寄った。
次回、ついにヒロイン的な女の子が!?




