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どういうことだってばよ

新しく乙女ゲームを買いました。萌え補給中です←

ざ、雑用って…。そんな処罰甘かったっけ…。

ここの記憶がどうにもこうにも思い出してこない。

んー、と考えていると今まで影を薄くしていた綾瀬さんが喋り始めた。


「なんであなたに私たちが処罰されないといけないんですか?」


そういえばそうだ。彼らも生徒であるはずなのになぜ処罰を言い渡されなければいけないのだろう。


「あ?」


その返事の仕方やめてください怖いです。


「先生とか学校サイドから処罰を言い渡されるならまだわかります。でもあなた達も私たちと同じ生徒なのになぜ処罰を言い渡されなければいけないんですか?」


そうだそうだ!もっと言ってやれ綾瀬さん!そして情報を聞き出すのだ!生きるために!


「お前なんもしらねぇのか」


「まぁ入ったばっかりじゃ仕方ないんじゃない?」


ここでタラし生徒会長が綾瀬さんの手を取った。


「何するんですか!」


「何って手を取っただけじゃない。可愛い子には触りたくなるでしょ?」


綾瀬さんは少し顔を赤くする。


「な!や、やめてください!」


おぉおぉ、乙女ゲー展開になってきたぞ!けしからんもっとやれ!


「柚木ちゃんそのにやにやした顔もう少し抑えた方がええんと違う?」


片瀬くんが困ったような笑顔でさとしてくる。

えぇい、邪魔をするな。いい展開なんだ!

にやにやが抑えられない。

私、案外乙女ゲー普通にやってたら妹みたいになってたかもしれない。血には逆らえんのだなぁ。

私がにやにやしながら先の展開を楽しみにしていると綾瀬さんは生徒会長の手を振りほどいた。


「話しがそれています!私の質問に答えてください!」


「しょうがないなー、怒った顔もキュートだから教えてあげるよ」


生徒会長はばちんっと綾瀬さんにウィンクした。あれ、なんだろう、寒気が…。


「俺ら生徒会は学生への全てを任されてるんだよ。規則とか処罰とか。俺たちは力を持っているからそれなり優遇されちゃうんだよねー」


まじですか。


「そもそもこの時間に学校への出入りを禁止したのも生徒会だよ。俺らじゃないけどいつかの生徒会が気兼ねなく力が使える時間を確保するために設けたらしい」


へー、そうなんだー。

ゲームではそんなとこ触れてなかったからなー。あれ、そもそもヒロインである綾瀬さんがこんなに食ってかかっていく感じじゃなかったような…。私の思い違いかもしれない今の所は様子を見よう。


「そうなんですか…。わかりました。でもなぜ生徒会の雑用なんですか?処罰なら他にも…」


綾瀬さんなかなか抵抗するねー。


「それはこれからいろいろ雑務が増えてくるからだよ。何かしらイベント起こしたがるんだよ上の奴らが。めんどくせーったら…」


副会長様。仕事したくないんですね…。


「どのみちお前らに拒否権はない。従ってもらう。生徒会からの通達は絶対だ。」


横暴だ…。でもここで口を出したら全ての火の粉が降りかかってきそうだから綾瀬さんに託すことにした。ちらりと綾瀬さんを見ると綾瀬さんも私をちらりと見た。


「あの、諏訪さんはその処罰には加えないであげて欲しいんです!私は雑用でもなんでもするので!諏訪さんは私のせいで巻き込まれたんだし…」


綾瀬さん!なんでいい子なの!

綾瀬さんを見限ってでも死にたくないと思った私とは大違いだ。


「それはダメだ。こいつが校内に入ったことには変わりない」


「そ、そんな…」


悔しそうな顔をした綾瀬さんをみて本当に申し訳なくなる。雑用くらいならやってもいいかななんていう気持ちになってしまうくらいに。


「あ、あの…。私だけ何もなかったようには出来ないですし、雑用くらいなら大丈夫です。綾瀬さん庇ってくれてありがとう」


お礼を言うと綾瀬さんは驚いたのか目を少し見開いた。そして「ううん」と首を振るとうつむいてしまった。私より綾瀬さんの方が背は高いけれど表情はよく見えない。なにか気分を害すことをしてしまっただろうか。


「ふん、当たり前だ。さっきも言ったように拒否権はない。期間は一年間だ。ま、せいぜい役に立つんだな」


なんだか悪党のようなセリフを吐いて副会長様は出て行ってしまった。それに続いて他の生徒会であろう生徒もぞろぞろと出て行く。なぜか片瀬君はいるけど。


「えと、暗いし2人寮まで送って行くわ。なんかあったしたら心配やし」


おぉ、一応心配してくれるのか。ありがたや。でも今日は他のイベントは起こらないだろうし送ってもらったことでイベントが発生する可能性もあるし断っておこう。


「大丈夫だよ?2人だし!ねぇ、綾瀬さん」


うつむいている綾瀬さんに声をかけるとぱっと顔をあげた。どことなく顔が赤くなっているようにも見える。


「そ、そうだね!そういば諏訪さんはなんでここに来たの?」


「あ、それ俺も気になってた」


「あ!鍵!」


私はすっかり当初の目的を忘れていた。また忘れて帰って取りに来るのはもう勘弁だ。


「鍵忘れたん?ほんと柚木ちゃんはドジっ子やなー」


くそう!忘れた原因の貴様が笑うとは何事だ!

少し睨んでやると「冗談やてー」といいながまた笑った。こやつ私を馬鹿にしているな。

むっとしていると綾瀬さんがおもむろに私の手を取る。そしてぐいっと近づいてきた。


「あぁ…」


綾瀬さんから声が漏れる。嫌な予感がする。


「なんて可愛いの!」


綾瀬さんが急に大きい声を出したのでびっくりした。

というか、え?


「この可愛さは罪だよ!むって顔したり少し潤んだ目で控えめに睨んだり!表情がころころ変わるし!それにこのサイズ感!始めて見た頃からベストなサイズだとは思っていたけど近くで話してみたら痛感したよ!これこそまさに最高の萌え!今日この日にここで巡り合ったのも運命!あぁ、神様、私にこの天使との巡り合わせをさせてくれてありがとうございます。ねぇ、綾瀬さん!私も綾瀬さんの事を柚木ちゃんって呼びたい!私のこともどうか雫って呼んで欲しいな…」


最後は最初とは違い少し照れたようにもじもじしながら言った。可愛い。可愛いんだけどね綾瀬さん。あなたの容姿でもじもじしたらそりゃ可愛いさ。でもね。

こんなキャラだっけ…。

早くもヒロインキャラ壊しました。

どうなることやら(笑)

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