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こ、怖くなんてないんだから!

なかなか話しが進みません…。

私の前に歩いてきた生徒会長(仮)は無表情で立ち止まった。遠くから見たら分からなかったがそれなりに身長があり私は見下ろされるような形になった。


「おい、おま…」


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


とりあえず叫ぶことにした。フラグがたってしまった以上もう変に悪あがきするしかない。


「ちょ、こら…」


「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


「柚子ちゃんおちつ…」


「うおあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


「………。」


「きゃぁぁぁぁぁぁむぐっ」


ひっきりなしに叫んでいると我慢できなくなったのか生徒会長(仮)が私の口を手で塞いできた。


「ええぃ、うるさい!なんなんだこいつ…。片瀬、お前の知り合いか?」


そう言って私の後ろを見た。

あぁ、さっき私の肩を叩いたのは片瀬君だったのか。つくづく私の妨害をしてくるな彼は…。


「さいですよー。俺と同じクラスの女の子です。こう見えてドジっ子で今日のHRでも自己紹介の時最後噛んでー…」


またこいつはいらん情報をたれこみおって!と思いながら視線を少し後ろに向けたが何もいない。見えるのは廊下だけだ。あぁ、片瀬ぐゴーストだったっけ。


「そんなことはどうでもいい」


そう!そんなことはどうでもいいんだよ!よく言った生徒会長(仮)!


「このうるさくてちんちくりんな生き物をどうするか、が問題だ」


あ、忘れてた私見てはいけないものを見たんだった。

それを思い出した途端に足がまた震えてきた。きっと震えているのは足だけではないだろうけど。


「ん?なんだこいつ震えてんのか?」


だんだん涙目になってくる。


「おい、泣きはじめたぞ。鬱陶しい。」


まだ泣いてないわ!こんちくしょう!

震えるからだできっと睨んでやると生徒会長(仮)は少し驚いた顔をしたがすぐニヤリと笑った。


「こいつ面白い。俺を睨んだぞ」


そのニヤリがおがオモチャを見つけた猫のような顔をしていてぶるっとなった。


「あのー…。副会長さん、もうそろそろ手離してあげないとかわいそうちゃいます?」


おぉ、片瀬くんナイスだ!たまには役に立つじゃないか!というかこの人副会長だったのかー。今はそんな情報いらないけどね!むしろもっと深層心理の大事な部分が欲しいけどこんな状況じゃ無理だしその前に死にそう。


「かわいそう?意味がわからん。でもまぁ、こいつから話しを聞き出す必要もあるし離してやるか」


そう言って生徒会長は私の口から手をどかした。私は大きく息を吸い込む。


「柚子ちゃん大丈夫?苦しくなかった?」


「え、あ、うん、ありがとう…。えっと片瀬くん、だよね?」


姿が見えないためどこにお礼を言っていいのかわからない。そもそも姿を現さないまま喋るのはやめて欲しい。ホラーだよ。


「うん、せやでー!あ、そか、姿見えんのか!ごめんごめん!忘れとったわーあはは」


「う、ううん!、だ、大丈夫」


笑い事じゃないし急に姿現すのやめてよ!怖いやん!びびるじゃない!

片瀬くんは気が利くの利かないのか……。いや、気が利かないんだろうな。


「おい、小動物」


呼ばれてわたしはびくんっとなった。綾瀬さんは背は低くないかな完全に私のことだ。


「お前なんで学校の中に入ってきた。この時間の学校は閉まっているはずだぞ」


ん?どういうことだ?私が入った時は普通に空いていた。


「えーっと、私が来た時は普通に門も玄関もあいていましたよ…?」


「そんなばかな…。鍵の確認はしたんだろうな、遥歩」


「あぁ、完璧にしたさ。俺のコウモリを使って全部の扉も再度確認もした。それでも入ってきたなんて、どうやって入ってきたんだろうねこの子猫ちゃんは」


喋りながら私に近づいてきておもむろに人差し指で顎に触れてきたかと思うと下からくいっと少し上に持ち上げてきた。どことなくフェロモンを醸し出している気もする。

何この人…。そもそも子猫ちゃんとかまだ使う人いたんだ希少価値だわー。

すぐに殺されるのかと思ったけどなかなか殺されない。これはまさかのわんちゃんあるかも…!


「じゃあなんで入ってきてんだよ…?」


生徒会長がフェロモン男を睨みつける。


「やっぱり会長さん見落としたんとちゃいます?」


あ、この人が生徒会長なんだー。キャラに興味なかったからほんと個人情報的なの抜け落ちてるな…。


「いや、本当に確認したって!そんな怖い顔で睨みつけるなよー」


「じゃあこいつがやっぱ嘘ついてんのか…。」


や、やばい私に矛先向いたぞ。


「ち、ちが…」


「ごめんなさい!私が開けたんです…」


綾瀬さんが勢いよくぺこりと頭を下げる。

おぉう、綾瀬さん、あなただったのね…。


「帰ろうと思って玄関にいったら鍵が閉まっていていけないと思ったんですけど鍵を開けたところであなた達が…」


「ちっ」


副会長様舌うちはやめてください怖いです。


「どっちにしろ見られたんだ…。どう処分するか、それが問題じゃない?」


すごく顔立ちが綺麗なお兄さんが話しに入ってきた。見目麗しいけど死亡フラグを建築するのを早めるのはやめていただいてもいいでしょうか。

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