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お餅の焼き加減は分かりません

ほんのちょっと頑張りました←

ぴりぴりムードのまま私達は授業が終わるのを見計らって教室に戻った。何故か先輩2人が私をクラスまで送っていくとか言い出し始めたけど片瀬君が「大丈夫だ」と言い張ったから送っていくのは無しになった。まぁ私も送られるとクラスの人にもっとすごい目で見られそうだから助かった。

と言いたいところだけど片瀬君が授業中に抜け出したことを皆知っているみたいで私と片瀬君が2人で教室に入ってくるのを見てこそこそと噂話を始めた。

もうそろそろクラスの人達と打ち解けたいです。切実に。


「柚木ちゃん、片瀬君おかえりー」


「片瀬君さっきすごく急いで出て行ったみたいだったけど大丈夫?もしかして…」


雫ちゃんと唯ちゃんが近づいてくる。

雫ちゃんはこの前の一件関連だと気づいたのか顔を曇らせた。

雫ちゃんその話しは今はだめだよ!!クラスだよ!皆知らないんだよ!というか今その話しをしたらまた色んな噂が…。やめたげてよぉ…。


「いやー、急にお腹いたなってさー。緊急事態やったからなんも言わずに教室飛びたしてしもたんよ。痛すぎてびびったわー」


片瀬君がさらりと流しながらはははと笑った。雫ちゃんも今ここで聞くべき内容じゃないことが分かったのか「そっかー」と合わせてくれた。多分帰りに副会長から招集がかかるだろうからその時に話しは出来るはず。

唯ちゃんはいつも通り空気を読んでくれている。本当にできた子だー。

スマートホンが震えるのを感じて開けてみると副会長からのメールだ。内容は予想していた通り帰りに生徒会室に集まるようにとの事だった。

早く交流会の日が来てこのめんどくさいのを終わらせたいです。というか、交流会が終わってからもっとめんどくさいイベントとかあるのかな…。確か交流会でそれぞれの分岐イベントが起こってそこから個別ルートに入るんじゃなかったかなー。うむむ、妹よ私の記憶返しておくれよ。

でも考えようによっては交流会で個別ルートのフラグを回収しなければ個性的軍団との恋をせずにすむのと死亡フラグ回避できるんじゃないか…?そう思うとなんだか俄然やる気が出てきた!ほんと!早く交流会!はよ!!


「なぁ、柚木ちゃん何にやにやしてんの?」


「え?」


知らぬ間ににやにやしていたのだろうか。そりゃあ少し光が見えれば頬も緩みますって。

片瀬君をちらりと見ると何故か凄く不機嫌そうな顔をしている。何故だ。私のにやにやした顔が気持ち悪かったからか。かたじけない。


「もしかして副会長さんからのメールが嬉しかったん?」


ちょっちょっちょぉぉぉぉぉぉぉ!!こいつ!また!変なこと言い出した!てか私が副会長からのメールが嬉しいとないわー。そもそもこれ一斉送信メールですやん。そんなんで浮かれるとかどこの幸せ頭だよ。


「いやいやいや、ありえないから」


「ほんまに?スマホガン見しながらにやにやしてたやん」


私のこと観察してたんかい!なんか怖いわ!まさか既にヤンデレの兆しが…?いや!まて!片瀬君とはそれなりに仲良いけど恋心芽生えるほどではないし!

雫ちゃんと唯ちゃんに助けてと視線を送ると雫ちゃんは「どうしたの?」と言わんばかり頭に「?」マークを浮かべて首を傾げた。一方唯ちゃんはというと生暖かい目で私と片瀬君を見つめている。どうやら助ける気はないようだ。くそぅ。


「確かに副会長からのメールは見てたけどにやにやしてたのは別件だから」


ここはちゃんとハッキリ言っておかないとあとあと誤解が誤解を産んで他の誤解に繋がるなんてめんどくさそうな事にもなりかねないからね。

私が少し不機嫌そうな顔をしながら言ったのが功をそうしたのか片瀬君はホッとしたような仕草を見せた。


「あー、よかった。柚木ちゃんにやにやするタイミング悪すぎやで。少し副会長さんにヤキモチ焼い焼いてしまったわ」


笑いながら片瀬君は言ったけど私は笑えない。ヤキモチってなんだ。なんでヤキモチなんだ!もうなにこれ回避できない感じてすか!というかそこ!クラスメイト!こそこそ噂話しだすのやめて!誤解だから!多分!いや、きっと!!

混乱で頭の中がパンクしそうになったときようやく予鈴がなってくれた。予鈴がこんなにありがたいと思ったのは初めてだよ。

雫ちゃんと唯ちゃんはまた後でねーと声をかけて席へ戻り片瀬君も席につこうと移動した。と思いきや…


「あんま他の人と仲良くしんといてや?俺ヤキモチ焼きやからたまに我慢きかんくなりそう」


「なっ…!」


私の横を通りすぎる時に少し屈んで私の耳元で小さく、少し低い声で囁いた。

がががが我慢ってなんですか?!しかも無駄にいい声出しおって!くっそ!

少し睨みながら片瀬君を見ていると片瀬君は座る時に私をチラッとみてにやりと笑った。

恋愛経験0の私にはこれでも刺激が強いです。

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