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獲物にされた覚えはありません

もうそろそろ甘い話を入れたいんです!でも入らないんです!くそぅ!←

お昼は教室で宣言?した通り生徒会室で過ごした。書記さんが用意してくれたサンドイッチはとても美味しくてついついたべすぎてしまった。財閥の御曹司か何かだからお抱えのコックさんとかに作ってもらったんだろう。うらやましい。

それから数日、数週間と副会長、片瀬くん、一条先輩たちが交代で送り迎えをしてくれ何も起こらずに過ぎていった。でもそんなある日…


「ねぇ、少しいいかな?」


「へ?」


私がトイレから出ると1人の男子生徒が声をかけてきた。全く見覚えがない。同じ学年でも見たことがないからもしかしたら先輩なのかもしれない。

そもそもなぜこの人は私に話しかけてきたんだろう。


「えっと、何の御用でしょうか…」


男子生徒はにこにこと笑いながら私を見つめている。まるで何かを楽しんでいるみたいに。


「立ち話もなんだし向こうに行って話そうよ」


私の質問を無視して手を掴んできたので咄嗟に腕を引いて一歩下がった。何この人めっちゃ怖いんですけど。誘拐犯ですか?そうなんですか?まさかの敵ですか?


「ここでは出来ない話なんですか?」


「んー、そうだねー。ちょっと難しいかな」


困ったような笑顔を浮かべる。でも気持ち悪さは消えない。なんていうか変な雰囲気を持っている人だ。


「だから一緒に来てよ、ね?」


これは絶対一緒についていったらダメやつ!誘拐、だめ、絶対!この先輩らしき人イケメンだけどね!普通の人っぽかったらほいほいついていくくらいにはイケメンだけど普通っぽくないもん!というかこの世界で無害なイケメンなんていないなんだよ!こういう立ち絵とかに使われてそうなイケメンにはなにかある!今までの経験上!!

私が警戒しながらじりじりと後ろに下がるのに合わせて先輩(仮)が近づいている。


「僕怪しい人じゃないよ?」


怪しい人は最初はみんなそう言うんですー!むしろ「僕怪しい人だよ」とか言う怪しい人がいるわけがない。

副会長様厳戒態勢とってるんじゃないんですか!油断したんですか!それとも私を見限ったんですかぁぁぁぁぁぁ!

どちらにせよ私はここから逃げなくてはいけない。前は怪しいイケメンが立っているから行けそうにもない。かといって後ろはほとんど使われていない教室でしかも行き止まりだ。もうやだ、何この積みゲー…。


「て言っても信じてもらいないことは分かってるよー。しょうがない、ここはもう実力行使しかないね」


「?!」


そういうと怪しいイケメンが片手を挙げた。手からは黒い霧状の物が溢れている。

こいつかぁぁぁぁぁぁ!一条先輩が言ってた黒い霧とか言ってたの!出会っちゃったよ!てか登場早くないですか!!本編だとこの力を持った末裔の人が接触してくるのは最後の最後だったやん!交流会の時だったやん!!ストーリー変わりすぎてもうどうしたらいいの…

その前にこの人がうちの制服着てるのはどういう…。


「あ、あの!ちょっと待ちましょう!落ち着きましょう!」


とにかく時間稼ぎとかしないと。いつまでも戻ってこないことに片瀬君が不審に思って探してくれることを祈るしかない。


「僕は至って落ち着いてるよ?」


「そ、その黒い霧はなんですか?て、手品ですか?スゴイデスネー」


ここで私が末裔の力について知っているとバレたらもっとやばいことになりそう。でもボロでちゃいそうだよ…。


「これ?手品?ははは、またまたー、君だって知ってるでしょ?ここの生徒会と繋がりあるんだから」


そこまでばれてたのかぁぁぁぁぁぁぁ!もうこれは終わった。だめだ自力で逃れる望みはなくなった。


「君を落とさせるように仕向けたのも僕だよー。あ、でも直接的に落とせって命令したわけじゃなくて悪い事をするように助言しただけ。まさか君に悪意が向くとは思ってなかったんだー。ごめんね?」


悪い笑みを浮かべながら謝られても全然謝られてる気がしないよ…。


「私あなたのせいで死にそうになったんですけど…」


「えー?大げさだよー!それに他の人が助けてくれたでしょ?」


何故それを知っている。


「もしかして見ていたんですか?」


「一応ねー。僕だって人を殺したくてやっわけじゃないし。ちょっと牽制のつもりだったんだよ?」


牽制で人巻き込むなや!末裔だけ狙うようにすればいいじゃない!理不尽だ!


「それで今日危険を承知で来たのは君への謝罪と君が彼らにとってどういう存在なのかを確認するため」


まじか。本当に一応悪いとは思ってたのね。でも私がどんな存在ってそりゃ雑用以外に何者でもないよ。


「……彼らにとって私はただの雑用ですよ。ただそれだけ。それ以上でもそれ以下でもないです」


「へー。雑用…。僕にはそうは思えないんだけどな」


「え?」


「さて、そろそろ時間が来ちゃったみたいだね」


怪しいイケメンがそう言った瞬間どーんと何かが爆発するような壊れるような音がした。

音がした方を見ると副会長と片瀬君と一条先輩が物凄く怖い顔をして立っている。

副会長は怖い顔をよくしているから少し慣れたけど他2人の本気の怖い顔は本当に怖い。


「今日はこれで帰るよ。じゃあねー!」


なぜか頭をぽんぽんされて怪しいイケメンは何処かに消えて行った。

私がぽーかんとしていると先輩たちがすごい顔をして近づいてくる。

ちょ、その怖い顔で近づいてくるのはやめていただけませんかね?

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