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呼ばれて飛び出てなんとやら

もっと!生徒会のキャラを!色んなキャラを話しに入れてあげたいのに…!!


「あー、えっと…なんで呼ばれたんでしょうか…」


「んなことわかってんだろ。雑用だ」


会長を立たせ、自分はどかりと椅子に座って、しかも机の上に足を組んで置いている彼は言わずもがな我が校の副会長様です。

帰りの用意をしているときにかかった校内放送のせいで私と雫ちゃんは生徒会室へ向かい今の状況に至っている。

ちなみに片瀬君はまだ生徒会には入っていないからここにはいない。


それにしても正直に言うとこんなに早く呼ばれるとは思わなかった。学校で行うイベントといえば「遠足」「学祭」「体育祭」とか普通の事しか思いつかない。「新入生歓迎会」の可能性もあるがそもそも1年の私たちも巻き込むなんてそんな、まさかね…。

うーん…。ここらへんのストーリーどうだったかな。やっぱり前の方はストーリーかぶったりしててスキップ機能使ったりするから印象がががが。

どちらにせよ私には心を落ち着かせる時間はないみたいだ。

めんどくさい…。


「おい、ちんちくりん、お前今めんどくせぇとか思っただろ」


思ったことをズバリ言い当てられてしまった。

もしやこやつ心も読めるのか…?


「どうせ心でも読めるのか的なこと考えてんだろ。先に行っとくが違う。お前は単純そうな頭してるからわかんだよ」


ひ、ひどい!いや、バカだとは自分でもわかってるけどそんなはっきり言わなくてもいいじゃない!

むっといていると副会長が鼻で私のことを笑った。

くそぅ!失礼やつめ!


「まぁ、そんなことは置いておいてだ」


副会長はいつもの仏頂面の怖い顔に戻った。


「うちの学校は新一年が入ったら新歓を学校全体で行うことになっている。それも普通の部活紹介して終わるだけの新歓じゃない。おい、遥歩。説明しろ」


「はいはーい」と気だるげに返事した会長。あの、副会長と会長立場逆になってやしないですかね。

生徒会室には朝に声をかけてきた一条先輩も居て、ちらっと見ると困ったように笑って小さく人差し指を口元に持って行き「しー」とやった。あ、触れちゃいけないやつなんですね。了解です。


「説明の前に…。そういえば君たちに自己紹介してなかったよね。俺は蔵内遥歩。一応会長やってるよ!可愛い子と綺麗な子はいつでも歓迎!可愛い子猫ちゃんたちの名前も知りたいな」


最後のところにハートマークついてる勢いの喋り方だ。たらしなのはわかってるよ。

でも会長のたらしはよくある設定のファッションたらしだ。好きな子には一途なタイプってやつだね。でも分かりにくいから私はあんまり好きじゃない。


「えっと、綾瀬雫です。自業自得なので雑用になったからには頑張りたいと思っています」


雫ちゃんも少し警戒しているのかいつもの元気な感じではない。


「わ、私は諏訪柚木です。が、頑張ります」


頑張りたくないけどね!!


「雫ちゃんに柚木ちゃんねー!女の子名前覚えるのだけは得意だからもう覚えたよ!」


わぁー、蔵内先輩ってゲームで感じてたよりも鬱陶しいー。むしょうに頭はたきたくなる。


「んじゃ、お互い名前も分かったことだしさっき言ってた新歓の説明するねー。うちの学校は毎年新歓で学校全体を使った鬼ごっこをするんだ。まぁ、新歓って言うのは名前だけで生徒全員参加の行事なんだけどね」


あー!このイベントか!初めての死亡フラグイベント!確か生徒会が鬼役で…。


「それでね、俺ら生徒会が鬼の役やるんだけど今年は子猫ちゃん達にも鬼役をやってもらおうと思うんだ」


「え!」


雫ちゃんが驚きの声をもらす。

私はやっぱりかーと肩を落とす。

今回のイベントは生徒会が起こす死亡フラグイベントではなく生徒側が起こす死亡フラグイベントだ。一応生徒会以外にもこの学校には末裔の人達がいるが力がそこまで強くないため生徒会には入っていない。でもやはり末裔だけあって普通の人間よりは強い。生徒会以外の末裔ほ人が何かしらの理由で暴れるのだ。そんでもってその暴れてる場面にヒロインがばったり出くわしちゃうイベントなのだ。そこの理由が一番大切なのに思い出そうとしても頭から出てこない…。はぁ。もう私の重要なことに関しての記憶力のなさには諦めつつあるよ。


「実は俺たち以外にも末裔の生徒はいるんだけど今年の新入生はいつもよりもその末裔が多くて俺たちだけじゃ少し大変かなーと思って今回のお願いすることになったんだ」


「言っとくけどお前らに拒否権はねぇからな」


それ前にも聞きました副会長様…。


「え、それって私達危険じゃないんですか…?」


ほんとそれなんだよ!でもね…。


「大丈夫大丈夫!たかがお遊びだしルール的には俺たちが負けたら向こうに賞品はあげるつもりだけどあっちが負けても俺らには何もないからねー。ただ相手を追い込むのとかに手伝って欲しいだけ」


それが危ないんだよおおおお!でもここで言ったとことろで信じてもらえないし、私が前世の記憶持ってるとかここがゲームの世界だとか言い出したらそれこそ抹殺されそうだよ。


「わかりました…。危険がないなら頑張ってみます」


雫ちゃんは少し不安そうな顔をしているが一応承諾はしたみたいだ。


「あ、あと鬼役以外にも前準備とかも手伝って欲しいからこれから授業が終わり次第2人とも生徒会室にくるように!」


そういえばゲーム内ではヒロインがここに来ないっていう選択肢がなかったからあれだったけど来なかったらどうなるんだろう…。


「あ、あの、もし、あの、ここにこなかったら…」


「お前昨日俺が言ったこともう忘れたのか?俺らは生徒に対する全てのことを任されてんだよ。その意味、わかるよなぁ?」


意地悪そうな笑みを浮かべて会長が答える。

あぁ、逃げるなんてことは許されないんですね。

明日から楽しい楽しい雑用ライフが始マリマス。

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