影薄いとか思ってないよ?
文章の書き方が安定しませぬ。
「あれ?恭介やないか。そっちこそはやいなー」
片瀬君が親しげに金髪ショタ生徒に返事をする。
ん、恭介って確か一条恭介、だったかな…。この可愛さを持ちながらも学年は会長達と同じだった気がする。でも他のキャラより印象薄くて名前と学年しか覚えてないー。なんの力持ってたかも思い出せない。ほんと私の記憶力致命的だな。
「まぁねー。僕人がたくさんいるのあんまり好きじゃないから早めに登校してるようにしてるんだ」
ほほう、そういえば一条先輩は攻略キャラだけどサブキャラみたいな立ち位置でストーリーも他のキャラに比べて短くて掘り下げていなかった気がする。だから私の中で残っている記憶が他の人よりも少ないのかもしれない。
「そうなんかー。恭介って人見知りやったっけ?」
「うーん」と考えている姿も可愛い。女の子の格好をさせたらすごく似合うと思う。
「んー、そんなこともないんだけどな。どちらかといったら騒がしいのがあんまり好きじゃないかな」
後で一応リサーチメモに書いておこう。何が起こるかわからないし。
「あ、そういえば巻き込まれちゃんにはまだ自己紹介とかしてなかったね」
今メモに書けない分覚えようと集中していると急に一条先輩が話しかけてきた。
「僕は一条恭介。こう見えても学年は君よりも2つ上になるかな。君はこの間の一件で僕たちの力のこと知ってるから言うけど僕は烏天狗の末裔にあたるんだ」
おぉ、烏天狗かー。確か羽が白いんだっけ…。だから見た目と羽の色で天使とか言われるけど本人は嫌がってるとかだったよな。
少しほころびが出てくるとするすると思い出すものだなー。一条先輩は特に自分から情報を出してくれたから助かった。
「まぁ僕は人の前で力をあんまり使いたくないからこの間も使ってなかったけどね。だから少し印象が薄かったのかもしれないね」
少し苦笑いを浮かべている感じがすごく落ち着いた年上のお兄さんのオーラがある。なんていうんだろう。ギャップ萌えである。
「巻き込まれちゃんっていつまでも呼ぶわけにもいかないし名前とか教えてもらってもいいかな?」
おぉ、ギャップ萌えにやられて名乗るのを忘れていた。
「あ、すみません!申し遅れました、諏訪柚木です。会長から不本意ではありますが雑用係を任されたので1年間よろしく願いします」
「こちらこそよろしく、諏訪さん」
にっこりと微笑まれてこっちまでほっこりしてくる。攻略メンバーの中では1番まともな人なのかもしれない。
「じゃあ自己紹介も終わったし人が集まって来る前に僕は行くね」
一条先輩は時計を見た。もしかしたら人が登校しだす時間を把握しているのかもしれない。
「あ、はい!」
「おぅ、またなー」
「うん、ばいばい」
一条先輩は手を小さく振り階段を上って行った。私たちも一条先輩が見えなくなるまで見送った後教室へと歩き出す。
そういえば片瀬君と一条先輩名前で呼び合ってたけどなんでだっけ。
「ねぇ片瀬君。一条先輩のこと名前で呼んでたけど昔からの知り合いなの?」
「あー、うん、俺と恭介は小さい頃親同士が仲良くて遊んでたりしてたんよー。結構前やからあんまり覚えてないんやけど昔からあんな雰囲気で一緒にいて落ち着くんよな」
あー、そんな設定あったなー。片瀬君のストーリーで少しだけ描写があったけど詳しくは紹介されてなかった気がする。
「そうなんだー。私には幼馴染とかいないなら羨ましいな」
「んー、幼馴染ゆうてもほんと小さい頃に遊んだくらいやけどね。でも昔と変わってなくてよかったわーって思う」
片瀬君が一条先輩を引っ張り回してたんだろうなーというのが容易に想像できて少し吹き出してしまった。
「え、なになに?どうしたん?」
「んーん、なんでもなーい」
「えー、気になるやん」
私は「気にしない気にしなーい」といいながら教室へと駆け出した。片瀬君も「えー」といいながらも楽しそうに追いかけてくる。
少し話しただけだけど少なくとも片瀬君も一条先輩も前世で妹が怖がるエンディングを迎えるかもしれない人には思えない。それか私がまだ見ていない部分とかがあるんだろうか。もしかしたら普通に生活していればバットエンドも回避出来たりしないのかな。
甘いかしれないけど学校生活はまだまだ始まったばかりだしこれから不本意ながら生徒会との繋がりも増える。関わってしまったからにはもう避けられないしこれからは雫ちゃんが間違ってしまわないように目の届く範囲でサポートしていくことにシフトチェンジしよう!
もうやるっきゃないね!