消しゴムは消えない【200文字小説】
日常会話でこんな事を聞いた
「よっしゃー! 消しゴム使いきったー」
どうやら消しゴムを使いきったようだ
しかし消しゴムは消えていない
消しゴムは絶対に消えない
消しゴムというのは散々擦りつけられ
汚され
削られていく文房具
減っているのではなく
消しカスとなって分裂しているのだ
そしてゴミ箱に捨てられる
不燃物なのでそのまま埋められる
リサイクル不可能
狭く暗く
ゴミに埋もれて一生を過ごすのだ
ああ
消しゴムに生まれなくて良かった
消しゴムは最後まで使いましょう