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「ともかく、マジで、ど〜したものかね、これ……」

 アイーシャが疲れたように、そう言った。

「たしか『洗脳の角笛』を強い霊力で破壊すれば、効果は消える筈です。そして、私なら、それが出来るでしょう。でも、問題は、その後です」

 カマルの姐さんの顔にも絶望の表情。

 その時……。

 1つ1つは……小さい。普通の足音だ。

 だが、その足音が……かなりの数……。

「あああ……そ……そ……そんな……」

「う……うそだ……」

「な……なぜ……」

 洗脳された冒険者ギルドのメンバーを先頭に、町の住人達が何人も……。

 手に持っているモノは……。

 首。

 首。

 首。

 ともかく、いくつもの……生首……それも子供の……。

 あるモノは人間の子供の首。また、あるモノはゴブリンの子供の首。

 よく見ると、人間でも、ゴブリンでも、半分以上は、一発で首を斬り落したんじゃなくて、何発も何発も何発も刃物を叩き付けて、ようやく斬首に成功したらしい……ズタボロの斬り口に、苦悶の表情が浮んだ顔……。

「偉大なる指導者様。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()退()()()()()()()()

 シ〜ン……。

 とりあえず、人間・竜人・ゴブリンを問わず、ここに居る洗脳されてない奴ら、ほぼ全員が……固まっている。

「お……おい……誰だ……そんな命令を出した奴は……?」

「す……すまん、成行きで……その……」

 この町の人間を洗脳した筈のゴブリンどもの声は……洗脳された人間の声にそっくりな……感情が少しも感じられないモノだった。

「何でだ……何で……こうなった……? 我等の子供達の為にやった事なのに……その結果が……これか?」

 ゴブリンも……人間も……竜人も……ともかく洗脳されてない奴らは1人残らず……余りの事態に崩れ落ち、地面に膝を付いた。

「角笛を……」

 カマルの姐さんは、何かを決意したかのような感じで、そう言った。

「えっ?」

 市会議員に化けてたゴブリンが、きょとんとした表情になる。

「その角笛を破壊して、町の人達を正気に戻します」

 そう言われたゴブリンは……聖女騎士を、まるで化物でも見るかのような目で……。

「それで……解決になるのか? たしかに、一番悪いのは我等だ。だが、こいつらも……洗脳されていたとは言え、我等の子供と誤認して、罪も無い同族の子供を殺したのだぞ。正気に戻って、その罪に耐えられるか? 洗脳されたままにしておいた方が情けでは無いのか?」

「それは、偽りの救いに過ぎません。貴方達は、もう十分に自分達の罪の報いを受けました。『()()()()()()の、この世界における代理人(チャンピオン)として、ここに裁きを下します。貴方達には自ら死を選ぶ事を許しません。貴方達が、絶望の余り、死を選ぼうとしても、()()()()()()()()()()()()()()()()()。運命と我が神が貴方達に死を許すまで、貴方達は自分達の誤ちを悔い続けなさい」

「そ……そんな……何が『聖女騎士』だ? 何が神の代理人だ? 何故、我等に、そんな過酷な呪いをかける? 何故、人間どもまで苦しめようとする? 何故だ?」

「私は、ある理由で、神の操り人形となる事を選んだ者。これは……私の意志ではなく、我が神の意志です。早く去りなさい。この町の人達が正気に戻れば……貴方達も無事では済みません。後悔と共に生き続ける事が、我が神が貴方達に下した罰です」

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