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 翌朝、山の動物どもに案内され……相変わらず、俺はフン(じば)られたままで……クロちゃんの居場所に……って……。

「ぎゃお〜♪」

「ぎゃお〜♪」

「ぎゃお〜♪」

「ぎゃお〜♪」

 山の頂上の辺りから、4匹のドラゴンが、空に飛び立つ。どうやら、何かを追い掛けて……って、まさか……。

「やっぱり、あいつらが追ってるのって……」

「気付かれたらしいのだ」

 次の瞬間、クロちゃんの許婚の背中に「気」の翼が出現。

 びゅんッ‼

 クロちゃんの許婚は、空に飛び立ち……。

 4匹のドラゴンが追い掛けていた何かは……突如、速度を増したようで、空中に衝撃波か何かの痕が出来……しかし、更に、それを追い掛けるもう1つの衝撃波の痕。

 そして、空中を高速で飛ぶ2つの……えっと……。

「ぎゃおっ?」

「ぎゃおっ?」

 ドラゴン達も、慌てて回避。

 どうやら、子供とは言えドラゴンでも、激突するとただじゃ済まないよ〜な超高速らしい。

「えっ?」

 片方が空中に「気」だか何だかで出来た網のようなモノを張り……もう片方が、それを突き破り……。

 続いて、片方から、これまた「気」だか何だかの弾が無数に放出され……更に、狙われた方も、全身から「気」を放って、それを弾き飛ばす。

 更に、両者の間を、まっすぐなヤツに、どんどん広がってくの、雷みたいな感じのヤツ……竜の息(ドラゴン・ブレス)らしい何か……それも、昔話や吟遊詩人の歌に出て来る、ほぼ、ありとあらゆるタイプのヤツが空中を飛び交い……。

「な……何が……起きてんの……?」

「多分、空を飛べても、近付かない方がいいような事……」

 俺の質問にアイーシャが、そう答える。

「仕方ありませんね……」

 聖女騎士サマが、そう言うと……。

「えっ?」

 おい……そ……そんな真似まで出来るのか?

 聖女騎士サマの背中にも霊力の翼が出現する。

 そして、聖女騎士サマも空中へと飛び上がり……。

「あ……あのさ……僧侶系の魔法って、あ……あんな真似も出来んの?」

 俺は、ジブリルに訊いた。

「む……無理です。いや、ボクより遥かに才能が有る人が……30年ぐらい頑張って修行すれば……」

 聖女騎士サマのモノらしい、3つ目の衝撃波の痕は……4匹のドラゴン達に一旦近付き……ドラゴン達は、慌てたように(遠目なんで良く判んねえけど、多分)、山の頂上あたりに退避。

「え……? お嬢様?」

 ラビット・パンダの爺さんも、驚いたような声。

 戦い(なのか、これ?)は、あっさりと終った。

 聖女騎士サマ……だと思う何か……から霊力の縄みたいなモノが2つ出て、残りの2つを、あっさりと拘束。

 そして……そのまま、山の山頂の方へと落下していき……。

「マズい……」

 アイーシャが……呆然とした声で、そう言った。

「だ……大丈夫です。お嬢様達のお身体は頑丈なので、あの高さから落下した程度では……」

「ちがう……」

 え?……どういう事?

 何が……どうなってるか、良く判んないんだけど……。

「活躍したのって……聖女騎士様だけだよね?」

「そ……そうだけど……それが……?」

 ん?

「クロちゃんが、ここに居るって情報を教えてくれたのも……ここまで、案内したのも、聖女騎士様だよね?」

 え?

 何?

 どういう事?

 俺とラビット・パンダの爺さん以外の顔が……どんどん青冷めていき……。

「あ……あの……それが……何の問題が……」

「馬鹿かッ? これって……あたしら、何もやってないも同然だろうがッ‼」

 今度は、サファルの怒鳴り声。

 え……えっと……何が……どうなって……?

「リーダー、あたしらが、ほとんど何もやってないのに……この爺さんからの依頼が解決したんなら……あたしら、どの(ツラ)下げて、この爺さんから報酬貰えばいいんだよッ⁉」

「あ……そう言えば……この場合、報酬は……えっと……どうなるのでしょうか?」

 ……。

 …………。

 …………………………。

 あ〜ッ‼

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