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追放された元令嬢ですが、このたび、なぜか懺悔室で働くことになりました  作者: 優木凛々
第1章 公爵令嬢ソフィア、シスターになる
4/42

【Another Side】一方、王都では①


本日4話目です。

 

 ソフィアが王都を離れてから、およそ1カ月。


 王都の中心にある中央大聖堂の祈りの間にて。

  “癒しの儀式”が行われていた。


 貴族らしい服を着た小さな男の子が、女神リュシア像の前に置かれた椅子に座っている。

 その膝には、転びでもしたのか、痛そうな擦り傷がある。


 両親が心配そうに見守る中、1人のピンク色の髪の女性――イザベラが、男の子の前にひざまずいた。


 両手を胸の前に合わせ、祈り始める。


 しばらくして、彼女の体が、ぽうっと光り始めた。

 男の子の膝の傷が、すうっと薄くなっていく。


 そして、傷口が完璧にふさがると、イザベラが立ち上がった。

 両親が嬉しそうに男の子に駆け寄ると、イザベラに感謝の目を向けた。



「ありがとうございます! 息子の傷をすっかり治していただいて」

「これも女神リュシア様のお力です」



 イザベラが微笑みながら頭を下げる。


 そこへ、黒い髭を蓄えたヴァルター枢機卿がやってきた。

 ニコニコしながら両親に声を掛ける。



「いかがですかな?」

「ええ! 素晴らしいです! ぜひとも教会に寄付をさせていただきたい!」



 ヴァルターは、笑顔を作った。



「お申し出ありがとうございます。女神リュシア様もきっとお喜びです」



 そう言うと、イザベラに奥に下がるように指示をする。


 イザベラが祈りの間から出ると、そこにはルパート王子が待っていた。



「ルパート様!」



 駆け寄るイザベラを見て、ルパート王子が笑顔になった。



「見ていたよ、イザベラ。君は素晴らしいね」

「ありがとうございます」



 イザベラが照れたように言う。

 その顔を、どこか冷めた目でながめながら、ルパートが口を開いた。



「この調子で枢機卿の指示に従って癒しの力を使ってくれ。それと……」



 ルパートがニヤリと笑った。



「ソフィアが辺境の修道院に到着したそうだ。ラングレー公爵家からも勘当されたし、もう我々を邪魔することはない」

「そうですか、それは良かったです」



 イザベラが仄暗く笑う。

 そして、彼女は満足げな笑みを浮かべながら、ルパートと共に大聖堂の奥へと歩いていった。



 *




 一方その頃。

 王都の街には、新聞を掲げた少年たちの声が響き渡っていた。



「号外! 号外! 大ニュースだよ!」



 通りを行く3人組の男の、そのうちの1人が手を上げた。



「坊主! こっちだ!」

「まいど!」



 硬貨を渡して少年から新聞を受け取り、早速目を通す。



「へえ! ルパート第2王子と、ソフィア・ラングレー公爵令嬢が婚約破棄だってさ」



 新聞の一面には、2人の婚約破棄を伝える大きな見出しが躍っていた。

 その下には、澄ましたルパート王子を描いた絵が載っている。



「なんでそんなことになったんだ?」

「ソフィア公爵令嬢が、聖女様に酷い嫌がらせをしたらしい」

「あー、そりゃダメだな。さすがのお貴族様でもそれは無理だろ」



 新聞には、ソフィアが聖女へ悪質な嫌がらせを行ったことにより、止むにやまれず婚約破棄になった、といった内容が書かれていた。


 1人が首をかしげた。



「俺は昔ソフィア様を見たことがあるが、そんなことをするようには見えなかったがな」

「まあ、人は見かけによらないっていうヤツじゃないか?」



 そんなコソコソ話を、新聞を読みながら立っている隣のフードをかぶった男が、じっと聞いている。

 3人が去った後、フードをかぶった男――ロイドが、冷え切った顔でつぶやいた。



「ひどいものだな」



 そして、新聞を近くの屑籠に入れると、街の奥へと消えていった。






本日の投稿はここまでです。

お読みいただきありがとうございました!


明日から懺悔室の話に入ります。(*'▽')

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