12.祝賀パーティ③
本日4話目です。
会場を抜け出したソフィア、ロイドと共に馬に乗っていた。
王城の森の先にある裏口を抜け、街に出る。
街では大聖女誕生のお祭りが催されており、活気に満ち溢れていた。
人々が楽しそうに屋台で買い物をしたり、何か食べたりしている。
(ふふ、楽しそう)
馬上からその光景をながめていると、
子どもがソフィアを見つけて、目を丸くした。
「あ! 大聖女様だ!」
「本当だ! ソフィア大聖女様!」
人々の声に、ソフィアが微笑みながら手を振る。
声援を浴びながら、馬はそのまま街の中を走り抜け、王都の城門を通り抜けた。
夕闇の中、ひたすら街道を進む。
そして、街道の分かれ道に差し掛かり、ロイドがスピードを緩めた。
「ここまで来れば大丈夫でしょう。かなり飛ばしましたが、大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ」
ソフィアがロイドを見上げた。
「どこに向かっていますの?」
「アウグスト様から、王都近郊にある建物の鍵をお借りしました。今日はそこに泊まって、明日早朝にオルテシアに向かおうと思います」
ロイドによると、森の奥にある塀に囲まれた秘密の別荘らしい。
「先ほど見て来ましたが、きちんと手入れがされていました。昨日買ったお菓子と食べ物も運び入れてあります。到着したら、中庭で火を焚いて食事にしましょう」
「まあ!」
ソフィアが笑顔になった。
「なんだか本に出てくる野営みたいだわ」
「ええ、そうですね」
ロイドが微笑みながらうなずく。
そして、ソフィアの腰に手を回して、ギュッと抱き締めた。
「……あなたが無事で良かった」
ソフィアは、彼の手にそっと自分の手を重ねた。
感謝や尊敬、愛おしさなど色々な感情が、胸の中からこみ上げてくる。
彼女は彼の大きな手をギュッと握ると、小さくつぶやいた。
「本当にありがとう、ロイド様。わたくし、あなたに会えて良かったわ」
「……私もです」
寄り添う2人の横を、春の夜風がそっと吹き抜ける。
その後、星が瞬き始める紺色の空の下、2人は馬に乗って建物に向かった。
今日はここまでです。
お付き合いいただきありがとうございました!
早いもので、なんと明日完結します!
明日は「その後の顛末」からです。




