記録6 ドラゴン編・下
<私と父親>
私の父はY新聞で働いています。
毎日朝刊の配達のため午前1時に起きなければいけないので、私が起こしているのですが、この前起こした時に怒られました。
会話形式にしてみると下みたいな感じでした。
「お父さん起きや~」
ユサユサ
「ん~!!なんでやねん!」
「何でって、仕事やろ?」
「何の仕事やねん!」
「新聞の配達ちゃうん?」
「何でオレがいかなあかんねん!!お前がいけや!」
「いやいや。そんなんええから。はよ起き。」
「ちっ。」
そのまま起きて着替えて配達に行きました。
すごく起こしたこっちが悪いような気持ちにさせられました。
普段は優しい父親なのですが、寝起きはとても機嫌が悪いか、かなり頭がおかしいかのどちらかです。
私の周りはおもしろい人が多いのですが、皆さんの周りはどうなのでしょうか?
現在、街から少し離れた荒野で討伐団の皆さんとドラゴンを待ち伏せしています。
ちなみに俺とミーコの位置は隊列の一番後ろの伊藤パーティーの前です。
結局は盾になってます。断りきれませんでした。
だってNOと言えない日本人ですもん。
取り合えず前に覚えておいた水の結界魔法の準備をしておこう。
備えあれば憂いなしの心です。
「ほんとに来るのかな、ミーコ。」
「さぁ?でも比較的大きな魔力の塊は近づいてくるよ?」
「はいはい。それですね。で、ブラックドラゴンってどんなの?」
少し気になったことをミーコに聞いてみた。
やはりドラゴンでもいろいろ居そうだし、情報は大切だしな。
聞いておいて損はないだろう。
「黒色の竜。」
知ってるよ・・・。
それぐらい知ってるよ。
「もっとないのかよ。こう、すごい角がある。とか」
「大きな羽があるよ。」
知ってるよ・・・。
それぐらい知ってるよ。
もういいよこいつに聞いたのがいけなかったんだ。
まぁ、実際見てみれば分かるだろう。
ま、この人数居れば勝てるだろう。勇者パーティーも居るしな。
そう思っていた時期が俺にもありました。
「来たぞー!!」
ようやく来たのか。
って、結構でかいな。あんなのに勝てるのか?
「ミーコ、危なくなったら逃げるぞ。」
お、前のやつらが突っ込んだな。
ん、あれ?ちょっと待て、口が紅く光ってないかあれ?
ちょおぉぉぉぉい!前のやつらが焼かれてる!?
何だよあれ!?巨○兵並じゃんあの攻撃!!
てか、こっちに来たぁぁ!!
「そぉぉぉぉぉぉぉぉい!!!」
今コントロールできるだけの全ての魔力をつぎ込んで準備しておいた結界を発動した。
これで無理なら俺は無理!逃げる!
てか、痛い!突き出してる腕が痛い!
腕がもげるぐらいに痛いぃぃぃぃ!!
「ぐぇぇぇぇ、痛い!じゃないバカやってる暇ねぇ!ミーコ、今撃てる最大の魔法撃ってぇ!あの攻撃とめてぇ!」
「りょーかい。今撃てる最大の魔法は・・・・あれかな?」
「ちょ、早くしてぇ!ホントに腕もげるからぁ!!」
「はいはい。火龍の咆哮!!」
ミーコの放った現在最大の魔法がドラゴンに向かう。
轟音、そして着弾。ドラゴンは煙に包まれ攻撃が止む。
次の瞬間
『GAAAAAAAAAAAAAAA!!』
ドラゴンが吼える。
煙の中から現れたドラゴンは全くの無傷だった。
「ってぇ、ドンだけ固いんだよ!!全くの無傷じゃねぇか!」
「んー、しょうがないんじゃない?属性同じだしね。」
「最悪じゃねぇか。どうすりゃいいんだよ・・・。そうだ伊藤!!伊藤!お前なにかmっていねぇ!!」
伊藤が逃走した!
なんて奴だ!てか、ホントに盾にされた!!
「一つだけ方法があるよ。私の血を飲んで。」
「血?なんで?」
「いいから飲むなら飲む、飲まないなら死ぬ!早くしないと次来るよ。」
『GAAAAAAAAAAAAAAAA!』
指を切り、血を出したミーコが手を差し出す。
それとほぼ同時にドラゴンの口に赤い光が収束する。
やべぇ次は確実に死ねる!今はミーコを信じるか!
「分かった飲む!!」
『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』
思い出した!思い出したっ!
巨大な紅い炎が俺たちに迫る。
が、今の俺にはきかねぇぇぇぇぇぇ!!
俺は右腕を炎の方向にかざす。
そして唱える。
「『闇夜』喰らいつくせぇぇぇぇ!」
俺の右腕から出た闇が炎を喰らい始める。
しばらく炎と拮抗した後、一気に炎を喰らいつくした。
「フハハハハハハハハハ!!!どうだ見たか俺の闇を!!さぁ、そのままそこの木偶の坊も喰らいつくしてやる!!」
そのあとは一方的な侵食。
ドラゴンも炎を吐き抵抗はするが、吐いた炎は全てやみに飲まれ消えていく。
そして、ドラゴンを俺の闇で喰い、消滅させた。
ドラゴンを消滅させた後、俺は一気に力が抜けすぐに気を失った。
痛さで目が覚めた。
すごく痛い。呼吸するだけでもう全身が痛い。
み、水・・・・喉が渇いた。
「み・・・・・み」
「あ、セイメイ起きた?もう!起きていきなり私を呼ぶなんて!そんなに私の事を愛してるの?」
ちげぇ!水をくれ!
何だよこいつ。すげぇ勘違いしてるよ・・・・。
「み・・・み・・・をくれ・・・。」
「そんな!こんな真昼間から私をくれだなんて!セイメイ変態!!」
ちっげぇぇぇぇぇぇよ!
なんだよこいつ。もう、めんどくせぇよ。
こいつこんな性格だったのか?
取り合えず水が欲しい。
「水をくれぇっ!!」
「きゃっ!?びっくりしたじゃない!怒鳴らないでよ!あげないわよ?」
お前が怒鳴らせたんだろうが!
でも、なんだかんだ言いながら水を用意しているミーコ。
「あ・・・がと。」
「もう!飲めないんでしょ?飲ませてあげるからじっとして。」
んぐんぐ。
はぁぁ生き返った。
そういやなんでこんなに全身が痛いんだろう?
「何で俺は寝てるんだ?」
「忘れたの?ドラゴンと戦って力使いすぎて倒れたの。」
「ああ、そういやそうだったな。ミーコが運んでくれたのか?」
ここは恐らく前に使っていた宿だろう。
それにしても伊藤はぜってぇ殴る。
「そうだよ。大変だったんだから。まったく力使いすぎるなんて・・・・。しかも3日も寝てたんだよ?」
「ごめんな。後、ありがとう。ミーコがいなかったら死んでたわ。」
「それは別にいいの。ただ、あまり無茶しないでね?」
「ああ、善処する。」
喉を潤すとだんだん眠たくなってきた。
自然とまぶたが重くなってくる。
今思い出したら、あの時の俺はなかったと思う。
うん。何かすごい痛い子になってたね。きもち悪いぐらい。
いまさら後悔だよ。唯一の救いはミーコしか居なかったことだな。
ホント、伊藤とか居たらマジ恥ずかしさで死ねたわ。
「まだ眠いんでしょ?今の間に寝ておいたら?」
「あぁ、そうする・・・。おやすみ、ミーコ。」
「うん。おやすみ、セイメイ。」
ミーコの声を聞いた後、俺は再び意識を落とした。
あと、ぜってぇ伊藤は殴る!!
明日は大学の見学とかいろいろあるので更新できないかもです。
すみません。