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オレとアイツの人形劇  作者: しゃおろん
1章 旅立ち
16/18

記録13

遅くなってすみません。


なんだかんだで先ほどの変な女と歩いている。

どうやら名前はアイリスというらしい、

金髪のロングで天辺にはアホ毛とウサみみのようなリボンが目立っていて、少々勝気な顔をしている。


しかし、なんというのかどうにもこの子はアホっぽいのだ。

年は2つ下なのだがそれを考慮したとしてもアホっぽい。

それはもう将来悪い男にだまされるか心配してしまうぐらいの爆走っぷりなのだ。


こういった子は今までかかわったことの無いタイプなのだが、なんとも扱いやすいようだ。

一見わがままで短気という風に見えるのだが、下手に出てやるなり、

物で釣るなりすれば言うことを聞く、めんどくさいが面白い性格をしているのである。

さきほど魔法を教えてくれとしきりに騒いでいたが、屋台で売っていたサイコロステーキ

らしきものを買ってやると、もきゅもきゅとアホ毛を揺らしながら頬張っておとなしくなった。

ま、食い終わったら騒ぐだろうけどそれまでに離れれば追ってくることも無かろう。





そう思っていた時期が俺にもありました。

こいつを置いていくために態々飯屋に入って料理を注文し、トイレに行くといって席をはずし、

こっそり会計を済まし、店を出た時のことだ。

アイリスは運ばれてきた料理に夢中になって居たから、その間に距離を離そうと早足で歩き、

少したってミーコを探しているといつの間にか後ろにアイリスが居たのである。

お前は忍者かと、ホーミング機能でもついているのかと。


それから2回ほど試みたがアイリスが俺から離れることは無く、

さすがに財布の中身がきつくなってきたのと、このままでは埒が明かないのとで、

仕方なしに何故俺から離れないのか聞いてみようと思う。

こいつの食事が終わればな。


しかし一体どれだけ食うんだこの娘は。





「率直に聞こう。一体お前は何故俺に着いて来るんだ?

わざわざ距離を離そうとしているのにいつの間にかついてくるし。」


俺の言葉に首をかしげながら器用にアホ毛に不思議な踊りを躍らせている。

MPが吸い取られそうな勢いだ。


「だって、助けてくれましたわよね?

それに弟子として師匠の後ろについていくのは当たり前ですわ!」


ええええええええ、誰が師匠?俺じゃないよね?違うよね!

だって了解なんてしてないもの。


「いや、俺は了解してないし、するつもりも無い。

大体魔法を習うなら俺じゃなくてもいいだろうに。」


「そうはいってもお金もないしぃ、行く当ても・・・・・ないし?」


「おいなんで最後は疑問系?それにしてもお前は俺にたかる気か!

あと、微妙に喋り方変わってんぞお前。」


すると何か思い出したかのように持っていたポーチを空けて、

何か紙とカードらしきものを取り出す。


「これ、お母さんが持っていきなさって言ってたような。」


先ほど取り出した紙を受け取り目を通してみると、嫌な汗が出てくる。

紙には入学許可証という文字が書かれており、どうにも見たことのある学校の名前が。

俺の眼に狂いが無ければロンド魔法学園とそこには書かれていた。


「あと、学校で魔法を学んできなさいって言ってたような気がするわ。

馬車に乗っていけば着くからって。でも途中で馬車は壊れるし、護衛の人に追い出されるし。

もう、分けがわからなかったわ。やっと街が見つかったと思ったら、変な男の人達に怒られるし。

でも、ししょーに会えたから良かったですわ!」


やっぱりこの娘、変。

しかも絶対これ馬車襲われてるよ。護衛の人はこの娘を逃がすの大変だっただろうな。

しかし、どうもこの娘子供っぽいな。特に喋り方が。

なんていうのか、おぜうさんって感じだな。


「よし。お前が学園に行くのはわかった。だが、俺が師匠になる意味がわからない!」


「でも、ししょーですわよね?」


またもや首をかしげながら、何を当たり前のことをといったような表情で俺を見てくる。

アホ毛はフラフラといや、にゅるにゅると?動いている。

よし、わかった。

こいつは俺が学園に連れて行くしかない。この娘を一人にしておくと危険である。

どう考えてもこの娘はアホの子でこれは覆しようのない、純然たる事実だ。

放って置くとどんな目にあうかわからん。

しかもなんだか小動物チックでかわいいし、愛着が湧いてきたし、

行く先も同じだしお供が増えるのも一興。

ペットとして連れて行くのも悪くない。


変な意味じゃなくてね?純真にかわいがる的な。いや、そうじゃないって!

性的な意味じゃないって!こう、愛でるてきな?

何故何を言っても聞こえが悪くなるなんでだ・・・・。

ご、誤解しないですんなよな!俺はロリコンじゃないんだからな!ほんとだぞ!

しかし、よくお供を拾うな俺は。


「よし、一時的にだが弟子になることを認めよう。

そして学園にも連れて行ってあげるが、道中は俺の言うことをちゃんと聞くこと。

あと俺のことはお兄様と呼びなさい。」


「わかりましたわ、お兄様!」


ごふっ!?

満面の笑み、それも背景に綺麗な花が咲きそうなほどのものを向けながらのお兄様コール!

アイリスさんまじぱねぇッス!まじかわいいッス!

おっと鼻から愛情が。


「どうしましたの、お兄様?鼻血が・・・」


心配そうな顔でグイッと俺の顔に近づいて来るがすさまじい破壊力!

周りの視線が痛いぜ。

よく考えたら血もつながっていない娘にお兄様と呼ぶことを強要し、

さらには呼ばれたことに対し興奮し、鼻血を流してニヤケ面で居る俺はただの変態なのでは?

これはあまりよくないな。うん、よくない。


「お兄様と呼ぶのは禁止します。以後は師匠と呼びなさい。」


威厳を持って先ほどの言動を撤回し、師匠と呼ぶように言う。

あれ?でも、師匠でも・・・・・





・・・・・


「はぁ、はぁ。し、ししょー疲れましたわ。もう、うごけません。」


「甘ったれるな!ほらしゃきっとしろ!できないのならお仕置きだ!」


「あ、ししょー!?そ、そこは、、ら、らめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


・・・・・




結局だめじゃん。





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