記録12
遅くなって申し訳ありません。
いつの間にかPVがすごいことになってました。
感想のほうも返信できていませんが全て読ませていただいています。
本当にありがとうございます!
相変わらずの亀更新ですが、新作共々今後もよろしくお願いします。
店から出ると外は大分賑わいを見せている。
皆さんの笑顔が眩しい。
そういや前の世界では町がこんなに活気付いてるってことは無かったな。
先ほど買った本を右脇に抱え、残金の確認をしているとミーコがこちらに気づいてやって来る。
「本買ったの?」
「ああ。珍しい字で書いてあったからね。」
「それで買ったの?無駄遣いはあまりよくないよ。」
言われなくてもわかってます。
お前は俺のかーさんかバカヤロウ。
「わかってるよ。そんなことよりもどっか面白い店探そう。」
「はいはい。」
如何にも面倒臭そうな素振りで答えたミーコが先に歩き出す。
俺もそれに続き歩いていると一つ目に付いたものが合った。
店が並んでいるところに如何にもお祭りの屋台と言った装用の店があった。
その店を良く見てみるとどうやらあまり客足はよろしくないらしかった。
店の外装とその雰囲気に引き寄せられて近寄ってみると、売っているものがなかなか面白いものだった。
まるで本のようなそれの表紙には二人の男と女の絵が描いてある。
「おっちゃんこれ何?」
店主らしき人に尋ねてみると一瞬驚いたような顔をしたあと、その少し強面な顔に満面の笑みを浮かべ早口言葉のように喋りだす。
「これかい?これは絵本だよ。
ただ他の絵本とは少し違っていて、絵がかなり多いものになっているんだよ。
いや、しかしこれに目をつけてもらえるとはね。おじさんも嬉しい限りだよ。
ここで2、3日この本を売ってるんだけどなかなか売れなくてね。」
7割ほど理解したが速過ぎて残りは理解できなかったぞ!
それにしても絵があまりうまくない。
これでは買う人は居ないとは言わないが少ないだろう。
中をパラパラとめくりながら読んでみる。
内容は男女二人の恋愛物だった。よくありそうな話だがなかなかうまくかけていると思う。
絵はうまくないがな。そこは譲らないよ?
「おっちゃん。紙とペンある?」
ここで俺の絵をこのおっちゃんに披露してやろうではないか。
「あるが、何に使うんだ。」
「いやぁ、久しぶりに絵を描きたくなってね。」
おっちゃんから受け取った紙に絵を描いていく。
もちろん萌絵だ。
キャラクターはミーコだぜ!
もちろん人間形態で尚且つネコミミとシッポ付だヤッフゥゥゥゥゥ!!
なんかテンションあがってきた!
髪の毛はもちろんアレンジしてポニーテールに。
やべぇ、おいしそう。おっとイカンイカン。正気を、保たねば。
そんなこんなでミーコを書いているとおっちゃんは終止興味深そうに見ていた。
おっちゃんが出来上がった絵を見て、目を輝かせている。
「すばらしい!すばらしいじゃあないか!
これほどの絵を俺はいまだかつて見たことが無い。
そしてこのわきあがる感情は一体?」
「それが萌えだ。」
などとかっこいい雰囲気で言ってみたが、傍から見れば相当気持ち悪いだろうな、これ。
おっちゃんに絵の描き方を教えながら萌えについて語る。
最後にサンプルを数枚あげてからその場を離れた。
店から離れて十数歩でミーコが居ないことに気がつく。
どうやらはぐれてしまったようだ。
自分の欲望に走ったことをひどく後悔した。
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しばらくミーコを探して歩いていると少し暗い路地に入ってしまった。
大きな怒鳴り声が聞こえ気になって行ってみると、そこには男二人に絡まれている金髪の変な女が居た。
「てめ、とっとと謝れ!」
「誰が謝るものですか!この世が滅んだところで謝りませんわ!」
おぅふ。なんという言葉遣い。これはかかわると絶対に碌な事にはならない。
そう感じて脱兎のごとく逃げ出そうとすると変な女がこちらに跳びついて来る。
「逃がしませんわ!」
かなりの力で腹の辺りをホールドされていて逃げることができない。
「この状況を見て逃げ出すなんて許しませんわよ!」
ナンダこいつ!変どころじゃないぞ!
「は、はなせぇ!こんなあからさまな厄介事何てごめんだ!」
「離しませんわ!」
や、やめろ。普通こういう喋り方する女はお嬢様とかじゃないのか!?
たのむから慎みを持ってください!おねがいします
「おい。お前その女の知り合いか?」
「いや、ちg「そうですわ!」ぇえぇぇぇ。」
うそー。君には聞かれてないだろう?
「よし、わかった。知り合いなら容赦はしねぇ。」
そういいながらナイフを取り出す男。
もう一人のほうもちゃっかりナイフを構えておられます。
「や、やめろ!暴力はいけないんだぞ!」
「あぁん?お前らが言えた義理か?」
この女一体何やったんだよ!!めんどくせぇよ、こえぇよ。
やっぱり不良は苦手だよ!
そこで俺には魔法があることに気がつく。
なんだ。こいつらを倒すなんて簡単じゃないか!
ここでかっこよく魔法を放つ俺。逃げ出すあいつら。
でも、なんかちがくね?それってヤツ(勇者伊藤)のキャラじゃないか?
俺も魔法に引っ張られてんのかな?気をつけないとヤツみたいになっちまうな。
でもとりあえずこの状況を打破するには魔法に頼るしかないな。
脅すだけだ脅すだけ。
懐から杖を取り出し魔法陣を描き、氷の鎖を発動。
男どもを縛る。
「うわっ!なんだこれ!?」
「こいつ魔法使えるのかよ!?」
あせってらっしゃる。
「どどどどどどどうだ!魔法だぞ!危ないぞ!
に、逃げるなら追わないから降参しろぃ!」
何だしろぃって。
あせりすぎてどもってしまったよ!
「さぁ、どうするの?私に勝てるのかしら?」
何だよこの女!?何で勝ち誇ってるの?ねぇ、なんで?
あ、ホールド解けてる。
「わ、わかった。何もしねぇ。だからこいつを解除してくれ。」
念のためもう一個捕縛魔法を待機させながら、今かけているものを解除した。
じっくりと行動を観察しながら待っていると男どもは素直に引き下がるようだ。
「ふぅ。このまま去ればいいんだろ?わかってるよ。」
「わかればいいのよ!わかればね!」
もういやこの子。
男どもを見送ってから俺も去ろうとすると再び腰がホールドされる。
「おい。」
もういやだ。
「離しませんわ。」
なんだ?もしかしてこれはフラグがたったのか!?
まぁこの子は性格はちょっと残念そうだが容姿は問題なし。
それどころか綺麗な部類に入るだろう。
少し釣り上がった目に綺麗な鼻筋。
年は同じ位か少し下くらい。性格は残念そうだがな!
大事なことだから二回言ってやったわ!
「大事なカモですもの。大事な恩人ですもの。」
「おい。言い直したところ悪いが遅いからな?絶対的に。」
フラグはフラグでもキャッキャウフフなやつではないみたいだ。
まったく何時も何時もちくしょう。
次回で第一章終了予定。
その次から学園編に入る予定です。
感想、誤字、脱字報告などなどそのほかなんでも待ってます。