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不可侵条約は罠?侵攻開始!

世界には法律というものがあって、悪い事は法律で禁じられているからできない。

でも悪い事というのは、全てが法律で禁止されている訳では無い。

当たり前の事や、道徳とか倫理の範囲内ならわざわざ法律にはしないのだ。

法律で禁止されていなくても、日本人は悪い事を極力しないように心がける。

その時によく聞かれる言葉が『怒られるから』だ。

そう、怒られるからやらないってのはよくある話で。

つまり悪い事をした者に対して怒るという行為は、効果があるという事なのだ。

でも言葉だけで怒られても効かない者もいる。

そういう人に対しては、暴力も必要という事になる。

躾の暴力を否定する人は割といるけれど、それは自分の場合を考えてはいないだろうか。

話せば分かる人もいるけれど、怒られたくらいでは悪さをやめない人だっているのだ。

ならばその時、暴力は必要ないのだろうか。

迷惑を(こうむ)る人は、ずっとそれに耐え続けなければならないのだろうか。

改心させるのに暴力が必要なら、それは暴力とは言えないのかもしれないね。


狛里の暴力のお陰で、クソ王はすっかり大人しくなってくれた。

やはり愛の鞭を持って怒ってくれる人の存在は必要なのかもしれない。

何にしてもクソ王が大人しくなってくれたお陰で、国の全権は俺が掌握したも同然だ。

全権委任状も貰っておいたしね。

これでようやく他の国と五分の戦いができるだろう。

そして一寸身が使える事が分かった今では、正直気分的には楽勝ムードだった。

とりあえず一寸身をもう一人増やして、俺は自分の影に潜ませておく。

ただそうなると、少し欲も出てくる。

奇乃子とボス、そして孔聞にはなるべく戦闘を経験させて強くなってもらいたい。

その為にはどうすればいいだろうか。

そんな事を考えていると、砦に海老嶋王国の使いだと言う者がやってきた。

砦は普段商人や旅人の通行を許可している。

それを止めたら等々力の王都が孤立するからね。

尤も小さな町だから、自給自足も問題はないのだけれどさ。

それでそんな人たちに混じって、海老嶋の方からその者はやってきたという訳だ。

ならばと俺たちは早速その者と話をする事にした。

「それで要件はなんなのだ?」

一応立場上一番上の奇乃子が対応する。

当然他のメンバーも応接室に集まっていた。

「悪い話ではありませんよ。我ら海老嶋と不可侵条約を結ばないかという話です」

不可侵条約ねぇ。

海老嶋王国の情報はガッツリ入って来ている。

我が国の諜報員はレベルがチートの域まで上がっているからさ。

海老嶋王国は割と色々な国と不可侵条約を結んでおり、一件平和な国を装ってはいる。

でもこれは国盗りゲームであり、俺は表の顔はあまり信じてはいなかった。

「不可侵条約なのだ?それはこちらも望む所なのだ。今は山ノ内との戦いに集中したいのだ」

奇乃子も馬鹿正直に話すなぁ。

まあでもその方が相手もこちらを侮り信用もするだろう。

ならばそういう風に見て対応すればいいだけだ。

「それでは受けて頂けますか?」

「みんな、どう思うのだ?」

「俺は賛成するぜ。奇乃子の言う通り、今は二国を敵にはしたくねぇからな」

「私はどちらでも良いわ。でもあえて言うなら、孔聞様に従うわね」

「自分は不可侵条約は良いと思います。お互い攻撃しないって事ですからね」

みんな素直だな。

こんな約束は約束とは言えないんだけれどな。

信じられるものにするには、こちらのやり方や状況次第なんだぞ。

一応これだけは聞いておくか。

「それで期限は何時までを考えているんだ?いずれ敵対する時も来るだろ?」

「はい。海老嶋王国としては、我々だけ残り二国となるまでを希望します」

「それはいい話なのだ!ずっと戦わないで済むのだ!」

いやいや、こんな等々力のような雑魚国相手にそんな条約を結ぶ国はないだろ。

一時だけでも安心を得たい何かがあるのか、それとも油断させてから攻め込んでくるか。

既に海老嶋は色々な国と不可侵条約を結んでいる事を知っているんだよ。

「それでは一応、これが私の全権委任状です。ご確認ください」

「えっとそれはなんなのだ?」

おいおいそんな事も知らずに交渉していたのか。

お互い王様でもないんだから、こういう条約を締結したりする際には必要なものだろう。

まあ俺は既に必要になる事もあるかと貰ってはいるけれどな。

全員分。

でも此処はとりあえず奇乃子だけに渡しておけばいいだろう。

「奇乃子。これだ」

俺はそう言って奇乃子に全権委任状を渡した。

「だからこれはなんなのだ?」

「これを持っている者は、王様の代わりに他国との条約なり約束の取り決めをする事ができるようになる。奇乃子の意思で不可侵条約が結べるって事だよ」

「そうだったのだ。俺は王ではなかったのだ」

こんなだと相手が不安にならないかと心配したけれど、よく考えたらこれくらいの方が信じられるだろう。

奇乃子が完璧に信じているのはアホみたいに分かるから。

その後条約文にお互い署名し、不可侵条約は締結となった。

使いの者は任務を完了し、気分良さそうに帰っていった。

きっと戻ったら『あいつら完全に信じて喜んでたぜ。俺たちがあんな小国とマジでそんな条約締結する訳ないだろうが!ははははは』とか言って笑っているに違いない。

いいよ作戦に乗ってやる。

乗った上で完膚なきまでに叩き潰せばこちらとしても爽快だ。

それに奇乃子にもいい勉強になるだろう。

他のメンバーにとってもね。

まあとは言え、俺だって分かるのはゲームレベルの話だ。

地球世界での外交を何処までやれるのかと言えば、きっと何もできないだろう。

それにしても他人を信じられるってのは良いよなぁ。

そういう人生、それはそれで幸せなのかもしれないとは思うよ。


俺は一応想香から王へと不可侵条約の事は伝えておいた。

相手の思惑は伏せておいてね。

クソ王には良い所だけ伝えて、安心してブヒブヒしてくれていればいいよ。

さてこの結果、状況を見て海老嶋王国は山の砦に攻めてくるだろう。

ならばその侵攻ルートに罠を張っておくか。

設置型爆破魔法とか試してみよう。

二百人以上が効果範囲に入ったら俺に知らせが来て、爆破スイッチが押せるような仕組みがいいな。

これ一発で町が半壊する威力だから、おそらく効果範囲にいた者はほとんどが死ぬ事になる。

狛里は嫌がるだろうけれど、あくまで使うのは向こうがこちらの隙を突いて攻め込んできた場合だけだ。

もしも攻めてこないなら、この設置型爆破魔法は発動せずに済ませる事ができる。

設置型爆破魔法の効果範囲からギリギリ外れる所には、建築魔法で道を挟むように柱を建てておいた。

オートメーション関所柱と言った所かね。

この間を通った者を認識できるように。

でないと商人や旅人を巻き込む可能性は排除できないから。

一応この爆破魔法に関しては、仲間の六名に伝えておいた。

間違っても友軍兵が近寄らないようにね。

俺たち冒険者なら死んでも生き返る事はできるけれどさ。

他が巻き込まれると可哀想だよね。

俺なら魂からでも蘇生はできるけれど、三十分のタイムリミットはあるし、戦闘中だと多くは無理だろう。

何にしてもこちら側から海老嶋の方には行かないよう伝えておいた。

「それで今後の事だが、どうすんだ?」

「普通に考えたら山ノ内のどちらかの町を攻める事になるのでしょう。不可侵条約を結んだのはその為でもあるはずです」

「でも戦力では完全に負けているのだ。それにどちらかの町を攻撃したら、もう一方からこの砦が狙われる気がするのだ」

「どうせ策也様はもう一方の道には設置型爆破魔法をセットしておくのでしょ?」

「まあな。というか両方設置しておこうかと思っている。負けて逃げる可能性も考えておかないとな」

負ける事なんて考えてはいない。

でも逆側から山ノ内が攻めてきた場合、急いで戻るフリをして両方誘い込めれば、一網打尽に敵を屠る事ができるんだよな。

勝てるとは思う。

でも無闇に殺すと狛里が悲しむだろうし、ボスや奇乃子、孔聞のレベル上げもできない。

戦争で敵兵の事まで考えていたらやってられないよな。

それがこの国盗りクエストの難しい所か。

ただ勝つだけだと、次の第四大陸で何処までできるのかも分からない。

山ノ内の角行と思われる者は魔力レベル二百を超えていた。

それが標準だとしたら、ボスも奇乃子も孔聞も次の大陸で苦労するぞ。

結局話し合いの結果、俺たちが次に攻略するのは時を見てどちらかの町と決まった。

俺は直ぐに山ノ内領に続く道にも、設置型爆破魔法を置いて関所柱を建てておいた。


俺は砦の指揮を奇乃子とボスに任せていた。

みんなには経験を積んでもらいたいからね。

まあボスはギルドマスターをやっていた訳だし、それなりにはやってくれるだろう。

俺は歩兵のパワーアップだけに専念しておく事にする。

なんでもかんでも自分でやろうとするのは俺の悪い癖だからなぁ。

最悪を回避する為の準備はもうできているから、それだけでいいさ。

俺は自分に言い聞かせて、出しゃばらないように抑えていた。

そんなある日、諜報係でもある狛里からこんな情報が入ってきた。

『麓の町の兵の多くが北東に移動しているの‥‥何か動きがありそうなの‥‥』

これは麓の町にいる諜報員からの情報か。

山ノ内の冒険者スパイは、暗殺失敗以来等々力の王都に戻って来てくれないんだよね。

だからこちらに対しての情報が入りづらくなっていた。

スパイ天国にしておかないと情報が入らないって、面白い事にもなるものだ。

森静(しんせい)の町の様子はどうだ?』

『此処は相変わらず五千の兵がいるの‥‥』

実に中途半端な数だ。

五千では今の山の砦が落とせない事は分かっているだろう。

逆にこちらから出ていっても普通は勝てない戦力だ。

こちらが動くのを待っているんだろうなぁ。

麓の町の兵が減っているのは、誘いだろうか。

俺たちが麓の町に侵攻すれば、森静の町からこちらに攻めてくる可能性が高い。

砦や町からいかに敵をおびき出し、戦場を作るかは戦いの基本。

それにこの国盗りクエストには多少のルールがあって、民は極力巻き込まないようにしなければならない。

町の攻略時は多少仕方がないにしても、決戦場はなるべく砦か外でする事が推奨されている。

民を殺したら何かペナルティがあったはずだ。

ちなみに村しかないマップでは、チェックポイントは外にあるので問題はない。

チェックポイント辺りに小さな砦を作って守るのが一般的か。

『分かった。ありがとう。そっちは楽しくやっているか?』

結局バグ世界の通路を使う事はほとんどなかった。

テレパシー通信でだいたい事足りるからね。

『食べ物は美味しいの‥‥でも退屈なの‥‥』

正直狛里もこちらに来られる状況ではある。

一寸身が戦える以上、王の護衛なんて想香とそれで十分だ。

でも想香一人を残すのも可哀想だし、狛里が来ると圧勝しすぎてそれもまた問題なんだよね。

『悪いな。このクエストは長引くかもしれない。退屈を凌ぐ何かを見つけてくれ』

『分かったの‥‥』

狛里の寂しそうな声に、俺も正直辛い気持ちになってきた。

今すぐ狛里の所に行って、頭をナデナデしてぇー!

うん、コレがいけないんだよな。

だからみゆきに浮気を疑われ、関係が悪化していったんだ。

男は妻だけに優しくなれ。

でもそれって、人としての本能に反していると思うんだけどね。

どうして本能のままに一夫多妻とはいかないのだろうか。

誰がツガイは一対一と決めたのだろうか。

余計な事をしてくれたものだよ。

おっとそんな事は思っていないからね。

本当だからね。

『それじゃ、夕凪ちゃんみたいに妄想を試してみるの‥‥』

狛里!それは駄目だー!

と言いたい所だけれど、妄想って案外最強なんだよな。

夕凪はそれで負ける気がしなかったし。

ちなみに夕凪とは、ティアマトの魂を持ったアルカディアでのメイドであり友人ね。

妄想が大好きな女の子で、前までの狛里とは喋り方が似ていた。

だからか割と仲良しみたいで、おそらく狛里に影響をかなり与えていると思われる。

それにしても狛里は魔力的に最強だけれど、妄想を手に入れてしまったら完璧な最強になりそうだ。

『そ、そうだな。妄想はほどほどにな』

『ふふ‥‥そんな事しちゃ駄目なの‥‥』

えっ?もしかして既に妄想(パーフェクトモード)に入っている?

これ以上は触れないようにしよう。

『じゃあな』

これで狛里は更なる高みへと登って行くんだな。

俺も妄想を極めようか。

まあそんな邪心は置いといて、俺は狛里からの情報を奇乃子に伝えた。

「それはチャンスなのだ!攻めるなら今なのだ!」

単純な奇乃子ならそうなるよな。

「どう見ても罠じゃねぇか。しかしこの砦がそう簡単に落ちる事もねぇし、攻める方向でいいんじゃね?」

「仮に攻めるとして、この砦はどうするのですか?みんなで攻めたら守りができませんよね?」

「それなんだけれど、今では等々力王も言いなりだからな。部隊編成を変えて、それぞれが単独でも行動できるようにすればどうだろうか」

俺としてはその方が動きやすい。

歩兵と(ボーガン)兵だけでもある程度は対応できるけれど、魔法攻撃や回復が必要になる時もあるだろう。

「俺は兵なんていらねぇぞ?指揮と戦闘両方はやってらんねぇ」

「俺もいらないのだ。あえて言うならボスと一緒に戦うのが一番力を発揮できるのだ」

「じゃあ百万診と孔聞と俺で兵を調整して、それぞれ第一・第二・第三部隊とするか。そして誰かが此処に残って守りをすればいい。まあ俺が残るのが一番良いかもな」

攻撃側には一寸身か分身を付けておけば問題はないだろう。

そっちなら妖糸も使えるだろうし、みんなに経験を積ませ強くなってもらう事もできる。

「私は孔聞様と一緒なら文句はないわよ」

「自分もその提案に賛成です。守りは性に合わないので、正にベストな選択と言えるでしょう」

へぇ~、孔聞は司祭だから守りの方が得意なのかと思っていたぞ。

攻撃魔法もエネルギーブラストしか使えないし。

いや、それはクエストルールだからか。

本来なら何か凄い攻撃魔法を持っているのかもしれないな。

「策也がいないとちょっと不安なのだ」

「一寸身を付けておくから問題ないさ」

「じゃあいっちょ誘いに乗って戦うかねぇ」

こうして俺たちは兵を再編し、麓の町に侵攻する事を決定した。

おそらく居なくなったと見せかけて、何かしらの方法で守りを固めているはずだ。

そして森静の町からこの砦を落としに来る。

その時きっと海老嶋も動きだすだろう。

戦争なんて(ろく)でもないクエストだけれど、シミュレーションゲーマーでもあった俺としては少し楽しくも思えた。


次の日の早朝、戦争準備を整えた奇乃子たちは、麓の町に向けて侵攻を開始した。

奇乃子の肩には一寸身の俺がいる。

常に意識をリンクしているので、俺がそこにいるのとほぼ変わらなかった。

ただし竹槍を持っているのは本体の俺だけで、一寸身は持っていない。

武器は今まで通りの妖糸だね。

一寸身なので妖糸の長さはサイズに合わせて三十五メートルとなっている。

戦闘する事だけを考えれば、これでも十分な長さがあると言えるだろう。

攻撃魔法は使えないけれど、他の魔法は本体の俺よりも使いやすい。

魔力は百分の一以下だけれどね。

それでも百万診より大きい魔力を持っているので問題はないはずだ。

さてこれで山ノ内はどう動くか。

或いは海老嶋は。

海老嶋が攻めてくるような事があれば、設置型爆破魔法を遠慮なく使わせてもらうぞ。

山ノ内に対しては奇乃子の指示に従うとしよう。

奇乃子たちは慎重に、麓の町を目指して侵攻していった。

丁度半分くらいまできた。

約十キロをきて此処からは山ノ内領内という事になる。

しばらく行くと山道が終わるけれど、その出口辺りは伏兵を潜ませるにはいい場所だ。

思った通り、探知魔法に引っかかる者が大勢いた。

「奇乃子。山道の出口に伏兵が潜んでいるぞ」

「ならば先に一発かましてやるのだ!ライトニングアローエンブレム!」

いいなぁ~攻撃魔法が使えて。

と言っても相手の確認をする前からそれで良いのか?

まあ潜んでいる時点で敵認定なんだけどさ。

奇乃子の放った魔法は雷の鷹となって、山道の出口付近一体で炸裂した。

「うわぁー!」

敵兵の悲鳴が響いてきた。

遠くで逃げ惑う姿は鼠獣族だから、山ノ内の兵で間違いはなさそうだな。

「一気にいくのだー!」

「俺に続けー!」

「歩兵は突撃ね!」

「こっちも行ってください!つまり突撃です!」

奇乃子の合図で、ボスを先頭に全ての歩兵が突っ込んでいった。

敵とは同じ鼠獣族だけれど、こちらの方が武装がしっかりしているし、この状況だと圧倒している。

奇乃子の最初の一発で戦況は決した感じか。

伏兵が先制攻撃をくらい、それを立て直せる指揮官がいない。

この伏兵は敵作戦の本筋ではなさそうだな。

こちらの被害はほとんどなく、敵のほとんどを戦闘不能状態にする事ができた。

敵の数はざっと三百人くらいか。

だったらこの結果は当然だな。

しかし‥‥。

「倒した敵をどうすればいいのだ?」

だよね。

いくら人間扱いされていない種族でも、一応知性のある獣族。

こちらの歩兵も同じ鼠獣族な訳で、捨て置くのも士気に関わりそうだ。

「お前ら!治してやるから俺たちの味方にならねぇか?」

そうそう。

今こちらの歩兵は敵から寝返った者ばかりだし、俺たちについた方がお得だぞ。

しかし負傷兵からは意外な答えが返ってきた。

「そっちに寝返って回復してもらったところで、また直ぐに死ぬ事になるんだよな」

「そうそう、あんたら山ノ内を敵にしてこれだけで勝てると思っているのか?」

「ここで俺たちにやられて逃げた方が良かったかもしれないぞ」

負傷して倒れている山ノ内の兵たちは、口々にそのような事を言っていた。

俺たちにあっさりとやられた後にこの言葉は重く受け止めた方が良いかもしれない。

どうするんだ奇乃子?

ここは運命の分かれ道かもしれないぞ?

そんな事を思いつつも、俺は全てを奇乃子に丸投げして、どういう判断を下すのか楽しみに待つのだった。



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