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スライム養殖はじめました。  作者: 夏冬 春秋
1/4

第XX話


「スライム達~、出荷よ~」


3日に一回の出荷の日がやってきた。


「の前に・・・」


「さんぽだ~」


しかし、先ずは日課である散歩の時間だ。


「「「「「「ぽにょん、ぽにょん、ぽにょん、」」」」」」


スライムたちは、10体1組でシェアハウスをしており木の柵のなかで暮らしている。


スライム達は木の柵の中にいても、あまり気にしていないのか柵の扉を開けても脱出しようともせず、なかで楽しそうに跳ねてる。


今日のおやつは、かりんとうなのでかりんとう1つ1つをそれぞれ糸でくくりつけておいて、ジャンプに合わせて10体の足(体?)元においていく。


「ぽにょん」

「にゅる」

「しゅわ~」

「ぽにょん」

「しゅわ~」「ぽにょん」


すると一瞬足を止め、かりんとうを体の中に入れ、ゆっくりシュワシュワと吸収をはじめる。


そして吸収しきる前にまた跳ねはじめるので、糸を右手でゆっくり引きながら3分程お散歩の時間だ。

ちなみに左手でも横の柵のスライムを10体引いている。


それが終わったらスライム達を10体ずつ柵に戻し、糸をスッと引く。

そして柵の中の草とスライム10体に、ペットボトル2本分のポーションをまいていく。


ちなみにあとこれが29回続く。つまりはここでは600体のスライムを育てているという訳だ。


そしてそれはこの散歩があと1時間半以上続くと言うことでもある。



「おわった~」



お散歩、完了!


でもこの散歩ホントに意味があるのか実は不安である。

どことなくスライム達が楽しそうな気はするし、ストレス解消になっていることを願うけど。


まあ、最近ドロップの品質がいいので、効果があると信じて続けていくしかあるまい。


「さて、今度こそ、出荷のじかんよ~」


スライム達の柵をもう一度開ける。


そして今度はかりんとうと糸ではなく、腰の剣に手を掛ける。


「またね!」


スライム達の核を切る。切る。切る。

するとスライムの体が消え、地面には5体分のドロップアイテムだけが取り残される。


おれはそのドロップアイテムを手にとり今は亡きスライム達に感謝し、それを残ったスライム5体に向かって。



投げるていく。


拾って投げる、拾って投げる、拾って投げる



するとドロップアイテムが当たったスライム達がその身を揺らし


2体に分裂していく。


「小さいのもかわいいな~」



スライムのドロップアイテムは2種類。


1つはヒールポーション。これがさっきの特製ポーションのもとになっていて、2つ目はスライムの核である。


スライムはこの核が本体であり核を壊さない限り、倒すことはできない。


なので当然おれもスライムの核を壊している。だか、なぜか傷1つないスライムの核をスライム達はドロップするのだ。

なぞである。


このスライムの核、スライムそのものと言ってもいいアイテムなのだが、外に持ち出しても魔力が少なく対したお金にはならない。


しかし、外に出さずに他のスライムに吸収させると、あら不思議。

それぞれの核を中心に2つの小さいスライムに分裂するのだ

かわいいね。



そう、スライムはかわいい。


世間ではスライムもモンスターだと言われているが、おれはスライムに愛着が湧いている。


でもかわいいがこれも仕事である。


ここで仕事をやめてしまえば、おれは何のモンスターも倒せなくなってしまう。


おそらく他のモンスター達だってかわらない。かわいいのだから。


これは言い訳であるが可愛いのは牛や豚も可愛い。


でも多くの人間を筆頭に生き物は、生きるためには他の動物の命を奪ってしまう。


だからこれもそういうこと。


今日もそうして心の平穏を保つ。


でもせめて、たとえエゴでもできるだけその命に感謝しながら生きていこうと思う。


それに命を奪ったスライムとドロップした核から生まれたスライムは全く同じかもしれない。


だからこれもエゴにまみれた思い込みかもしれないが帰ってきてると信じて


俺は



「おかえり」



そう言ってその子たちに向かって笑いかけ頭を撫でる。



手の皮が少し溶けた。












































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