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入院生活四日目


 術後二日目の朝。

 朝六時過ぎに血圧と体温、お腹の傷の具合の確認から始まる朝。

 今日も朝から36.9分。

 熱は下がりきらず、血圧も上は100無くて、けどこれは通常運転なので問題なく終わり、昨日のお通じとトイレの回数を確認して朝一の検査が終了した。


 朝食までの間に一度お手洗いに行ってちょっと驚くことがあって、お通じがあった事はまぁ良い事なんだけど、それが真っ白で流石に驚いたよ。

 もうね、びっくりよ。

 手術日は空っぽで何も胃に入ってないし、術後一日目は重湯で殆ど、というか食べてないし、今日はお通じあったことにも驚きだけど、色がね、白いって⋯⋯

 

 それはさておき、七時半過ぎにはお待ちかねの朝食!

 術後二日目は全粥になり、流石に今朝はお腹が凄く空いてたのでぺろりと食べまちゃいました。

 そしてゆっくりのんびり寝て過ごしてたらまさか検診で呼ばれて心の中では大絶叫!!

 術後二日目で検診⋯⋯それも一階まで降りないといけないんだよ、当たり前なんだけどね。

 機敏には動けないけど、頑張って起き上がってマスクして、動くならと帰りに飲み物買ってこようとお財布とストール巻いて看護師さんと同室の方と一緒に病室を出る。

 エレベーターに行き着くまでも私は亀の如くよちよち歩きで皆から遅れること到着。

 いやー、本気で動きたく無いし痛すぎる。

 腰も真っ直ぐできないから腰抑えて曲げて歩く私。

 情けない⋯⋯

 エレベーターに乗って降りたら看護師さんから「トイレ済ませた?」って言われて、私は未だだったので先にお手洗いへ向かう。

 今日は外来の患者さんが多くてトイレもいっぱいで順番待ち。

 はぁ、辛すぎる。

 待つこと少し、トイレを済ませて出ると先程の看護師さんが迎えに来てくれて、婦人科の待合まで付き添ってくれる。

 中待合では同室の方がいてたのでその方の隣に座り、やっと一息。

 それでも座るのが辛くて変な体制だけどね。

 周囲は外来の患者さん達が多くいた。

 そんな中、私は同室の方と呼ばれるまでお話しするんだけど、声がうまく出なくてカスカスのスカスカな声でひそひそ話のような感じでお話してたんだけど、私があまりに辛そうに見えたみたい。

 少し雑談をしつつ待つこと少し、先に彼女が呼ばれたので私は痛みに耐えながら座りつつ⋯⋯めっちゃ長く感じるこの待ち時間を一人耐える。

 身体的には一時間待ったような感覚。

 痛みの波があるんだけど痛くてふらふらするしまだかなと早く! と心の中で叫びながら待つこと、先に入った方が出てきて直ぐに呼ばれたのでほっとし、頑張って立って診察室へ。

 私の歩き方が余りにも痛々しかったのか看護師さんが「歩いてきたん!?」って驚いてました。

 いやーほんと私も自分に褒めたいよ。

 というかね、歩き以外の選択肢なかったけどね!

 

 診察室内に入り準備して診察台へ。

 けど痛すぎて中々ちゃんと座れなくて、医師すぐに来てくれたので看護師さんが「上に上げますねー」って⋯⋯

 まだちゃんと座りきってないのに動いたからもう痛すぎて思わず「痛い痛い」って言ってたら医師が「止めなさい!」って直ぐに動く台を止めてくれて私は何とか背中をつけてちゃんと座りほっと一息。

 座るのも一苦労。

 で、ここからまた地獄の始まり。

 医師に挨拶して触診から始まりエコーと消毒があまりにも痛すぎて、何かされる度に「いたっ!」って言ってたら「拷問してるみたいやな」って医師に言われちゃったよ。

 いやほんとその通りだと思う。

 だって術後二日目だよ?

 痛いんだよー!

 一人痛みに耐えて⋯⋯耐えられなかったけども、診察終わったら今度はお腹の傷の確認。

 テープ目を剥がして消毒していき、お臍の下の切ったとこが縫っているようで「後で抜糸しにいくから」と一旦消毒してテープで留めて終了。

 医師にお礼を言って診察台を降りるんだけど、その前に出血が酷かったので看護師さんが優しく拭き取ってくれて、それがお仕事といえど申し訳ない限り。



「すみません、ありがとうございます」

「大丈夫ですよ。ゆっくり降りて着替えてくださいね。あっ、一人で戻れる?」

「頑張って戻ります」

「もししんどかったら受付に言って迎えに来て貰うこともできるから無理しないでね」

「はい、ありがとうございます」



 そう言ってお着替え頑張って診察室を出るんだけど、ちょっとふらふらするし痛いしで壁を伝いながらよちよちと待合室を後にするけれど、私のそんな姿を見た患者さん、年配の方が、ヒソヒソ声にもなってない声で、心配されている話し声が聞こえたが、話すならもうちょっと声落としてねと言いたい。

 

 亀みたいな歩きでエレベーターに着くと警備員さんが上の階押してくれたので少し待ちエレベーターへ乗り込む。

 はぁ、疲れた。

 3階に着きエレベーターを降りて、飲み物買って帰りたかったけどしんどすぎてそのまま病室へ帰宅。

 戻ってくると先程一緒に行った方に呼び止められ、少し雑談。



「大丈夫? 自販機の場所分かった?」

「何とか大丈夫です。ありがとうございます。場所もわかりました」

「痛いなぁ。可哀想に。痛み止め効かなかったの? 背中に入ってるよね?」

「えっ? 入ってないですよ」

「えっ? えー!? 入ってないん!? それは痛いわ」

「硬膜外麻酔ですよね? 私鎮痛剤の座薬だけです」

「えー!? 可哀想に、それは辛すぎるわ」



 その言葉にその通りだから早く私を開放してー! って心の中の叫び。

 だけど相手は年上の方だし暫し雑談を続け、看護師さんが来たのでようやく解散。

 私はベッドに戻りはぁっと一息。

 あーしんどい。

 私はベッドに頑張って寝転び一息つくと次は私の検査。

 そしてまた一息。

 この日も残尿測定があるので続いてたが、中々ゼロが続かない。

 看護師さんと「まだ残ってるわー」とか「あっ、ゼロや!」とか「またあかんわー」とかトイレ行くたびにナースコールで呼んで測ってもらうから申し訳ないと思う。

 それに私トイレの回数多いと思うからごめんなさいって感じです。

 そして夜、昼間話ししていたように先に看護師さんが来て準備。



「何か抜糸って言ってたけど、縫ってんの?」

「私も分からないんですけど、診察のときに東医師がそう言ってましたよ」

「どこ縫ったんやろうなぁ。腹腔鏡やんなぁ」



 そう言いつつも医師が来るのを待っていたら、足音でわかったのか「来た来た来た来たー!」ってベッドサイドにいたのにササッと医師を迎えるのにカーテンのとこまで下がったその行動が面白くて思わずクスクスと笑ってたら医師が入ってきた。



「こんばんは」



 私は笑いを堪えながらもそう挨拶をした。



「お腹見せて」



 そう言いながらパジャマをずらしてお腹を見る。

 先ずは抜糸する箇所のテープを剥がす。

 その間も看護師さんが準備していくんだけど、看護師さんは銀色の器にビニール袋を被せてゴミを捨てれるように準備してるんだけど、医師は医師で道具が入っていた袋にゴミを入れるように横に置き、医師は看護師さんの準備を見て「資源の無駄遣いやから。僕此処に準備してるのに」と呟いていた。

 準備ができたら抜糸をして消毒。

 おへそも消毒をしてテープの貼替え。

 テープの上からしっかり保護するように大きな絆創膏の白バージョンを貼ってくれたんだけど、医師が「手厚いなぁ」って言うと「森先生に教えてもらいました」って、後ろにいてた先生も「私が教えました」って言い、それを聞いた東医師が「僕が適当みたいやな」って。

 それを聞いた看護師さん達が「そんなことないですよ!」ってもうまるでコント見てるみたいで面白くてお腹痛いからあんまり笑わせやんといて! って言いたいくらい面白かった。

 処置が終わったら先生達は先に病室から出ていき、片付けしてる看護師さんに「面白いですね」と言うと「いつもこんな感じで仕事してます」って、大変だけど楽しい職場のようで何よりです。

 この後はまた検査等でまだ微熱があり血圧も低かったけれど、いつのように点滴入れつつ消灯時間に。

 今日も一日が終わりました。


 

ご覧頂きありがとうございます。


術後二日目はまだまだ痛みが残り、声もちゃんと出せず、診察も辛い状態でした。

許されるなら一日中ベッドで寝てたいって思ってたけれど、それはそれで腰が痛いのでやはり動かないとだめなのです。


毎日安静の日々だけど、看護師さん達とのお話は面白いのでそれなりに楽しんでましたね。

あまり笑かしてほしくはなかったけどね、痛いから。

これもいい経験です。


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