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入院生活 初日


 今日は入院をする日。

 朝からまったりしつつも入院に向けてそわそわ。

 時間はゆっくりのようで早く、行く前にシャワーを浴びて忘れ物がないかの最終確認を行っていたらあっという間に出発時間になり、母の運転で病院へ。

 受付を済ませた後に診察を待ち、コロナ抗原検査と手術の説明を主治医とは別の医師から聞く。

 抗原検査は無事に陰性だったので一安心。

 これ以上手術が延びるのは好ましくないし私の精神がもたない。

 医師からの説明が終わると病棟の看護師さんの案内で病室へと向かうが、病室には来れない母とはエレベーターの前で別れる。 

 もういい大人なので寂しいとか思うことなくあっさりと別れた。

 看護師さんは外見若く、ちょっと⋯⋯何考えてるかわからないような感じの人だった。

 病室まで雑談しながら案内された後、直ぐに別部屋で身長と体重測定。

 私、この年になっても身長が1㎝伸びてる!?



「この間測ったときは157やったのに伸びてる?」

「えっ? 158やけどなぁ」



 だって。

 合ってたらいいのよ。

 嬉しいから。

 体重は43kg。

 シャワー浴びる前は42.4とかだったからまぁ服入れたらこんなものでしょう。

 病室に戻ってきたらちょっとゆっくりと荷物を整理してからパジャマにお着替え。

 何だか変な感じだわ。

 コロナ禍なので、荷物が多くて先に入院されてる皆さんの迷惑にならないようにそっと片付けを進めるが、どうしても音が大っきくなっちゃうよね。

 片付けが終わり、友人に無事に入院できたと報告。



「こんにちは」



 そう明るく先程の看護師さんと違う看護師さんが来て声を掛けられて、挨拶してくれるんだけど、久々の入院でちょっぴり緊張してたのか、人見知り発揮していた私は看護師さんのお名前聞きそびれちゃったよ。



「明日の手術の準備していくんだけど、先ずはこの下剤飲んでもらうね。寝る前に小粒の下剤と明日はかん腸あるからね」

「そんなに!?」

「そう(笑) 全部出し切るからね。腸をきれいにするのに頑張ろう! あっ、混ぜるの持ってくるの忘れた、ちょっと待っててー」



 そう言うとそそくさナースステーションまで戻り直ぐに病室に戻ると持ってきたスプーンで混ぜ混ぜするんだけど溶けないよね、それ。



「溶けへんなぁ」

「底でだまになってますよ」

「よなぁ。これ飲んだらゴフってなるやつやな」

「溶かすの無理やと思うんですけど?」

「うーん、もう頑張って飲んでもらうしかないわ。はい!」



 そう言って混ぜ混ぜしてたそのコップを渡されたので、私はちびちび飲み始めた。

 一気飲みは辛そうだったので、味はそこまで悪くなかったんだけどね。

 それを飲み終わったら明日の説明と足のサイズの確認。

 なぜ足のサイズを測るのは、血栓症にならないために弾性ストッキングを履くんだけど、その確認の為だった。

 明日は11時の手術予定だけど、時間が早く呼ばれるかもしれないと。

 これは前もって聞いていたのでうんうんと頷く。

 手術着に着替えて点滴入れて、吐き気止めの薬二錠飲んで、キャップ被って手術室に行くんだけど、装飾品は不可で全て外して下さいといくつかの注意事項があり「また来ますね」と部屋を後にした。 


 

 ゆっくりしてると最初の看護師さんが何か持って来て、明日の手術の準備で点滴の針をもう刺しとくとのことだった。

 苦痛の始まり。

 右腕と決まっているようでそちらに刺されるんだけど⋯⋯



「細いから中々出てこないなぁ」



 何時ものことながら血管細すぎて出てこないと。

 けど思ったより早く「ここや! ちょっとチクッとするから」と刺されるんだが、手術用の点滴針って普通のよりも太いから、まぁ痛いのよ、これが。

 そして中々入り切らないらしくて⋯⋯



「あかん。ちょっと抜くわ」



 そして抜いた針を私に「これ見て!」って。

 針をよく見ると二股に分かれてる?



「本当は針が中に包まれてやなあかんのに剥き出しになってる。可怪しいわ」

「不良品じゃないですか?」

「そう! 不良品やな。もう一本予備に持ってきてるから変えるわ」



 予備を持ってくるなんて準備万端やん。

 また痛いのぐりぐりされるん嫌だなぁ。

 今度は間違いなくちゃんと入ったからほっとした。

 入ったからテープでしっかりと固定されて一旦終了。

 ネットは後で持ってくるからと引き上げていったのでゆっくりタイム。

 そこからはスマホをイジったり田舎景色見たりとしていると、今度は血圧と体温を測るために看護師さんが来たので指示に従い図るんだけど、正常で安心。

 そして「また来ます」と言いまたゆっくり。

 そういえばネットはどうするんだろうか?

 そう思ってもまた今度来たときでいいわって思ってたら看護師長さんが挨拶に来てくれた。

 3階の看護師長さんは男の人だった。

 名前はやっぱり聞きそびれちゃったけどね。

 そこで腕にネットがついてないことに気がついて「ネット持ってくるように言っときますね」と「何かあったら気軽に言ってください」と優しく言ってくださった。

 ここの看護師さん達優しそうで良かった。


 次にやってきたのは手術室の看護師さんだった。

 明日の手術の流れの説明と、術後の麻酔から覚めた後、声を掛けるので、手足を順番に動かしてもらう事等の説明を受けたけど、この時既に頭痛があったので半分聞き流しちゃった。

 主要部分はちゃんと聞いてたけどね。

 明日はお願いします、と挨拶も忘れずに。


 それからは特に何もなくゆったりと過ごし、18時過ぎに夕食。

 下剤飲むのに夕飯てと思わなくもないけど、薬を飲まなくなったからか、美味しくご飯をいただくことが出来たけれど、量が多すぎて半分も残しちゃった。

 勿体無いけど吐くほど食べるわけにもいかない。

 夕飯食べ終わり、TV見ながらゆっくりしてたら、「杉元さーん」って呼ばれる声がして振り向くと、主治医の東医師と吉川科長のお二人がこちらに来て慌てて立つとベッドに座るように指示され、テレビを消して医師に向き直る。



「とうとう明日やな。気分はどう?」

「気分は悪くないです」

「ここまで来たらもうやるだけやからな。明日ですけど、説明した通り腹腔鏡下手術で行います。けど出血が酷かったら直ぐに開腹手術に切り替えます。そうすると一旦腹腔鏡下を止め、また最初からになるので予定時間よりももっと掛かります。出血も酷かったら輸血も行います。今のところ質問は?」

「特には⋯⋯」



 そう言うと、医師はちょっと戯けたように「はぁ僕は痩せてしまうわ。明日は頑張ろう」って言われたので、「よろしくお願いします」と頭を下げた。



 もう、明日なんでお任せする他ないので、質問って特にないんだよね。

 それにしても手術前に医師が来てくれるとは思わず、何だか分からないけれどちょっと安心した。


 夜に血圧、体温、脈拍の確認が終わり寝る前に「ピンクの小粒」って呼ばれてる下剤を飲む。

 多分あの看護師さんだけじゃないだろうかと思うんだけど、それ飲んだら消灯時間で電気が消され後は寝るだけ。

 だけど私は下剤がよく聞いてるので頻繁にトイレに駆け込む始末。

 それに夕方からの頭痛が夜になると更に酷くなり全く寝れない。

 そして院内めっちゃ暑い!

 頭痛と下剤と暑さに苛まれ寝れない夜を過ごした。 

 

ご覧頂きありがとうございます。


入院するまでは手術が怖いと不安だらけだったけど、入院してしまえば手術の怖さとかは特に抱かず、初日はとにかく下剤と頭痛に苛まれていたので、そちらの方がしんどかったてす。今にして思えば、頭痛が酷かったので看護師さんに話して痛み止めだしてもらえばよかったと思いました。


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