8/98
1話-5
-有栖視点-
…私は人を寄せ付けないようにして生きてきたつもりだ
私に関わった人間がどんな目に逢うか
私は知っているから…
だから、私は
その事に気付いた時から…
人から距離を置いて生きてきた
なのに……
「おはよう、九条」
『…おはようございます…虚無…有青君…』
たった…これだけの会話…
毎日…これだけの会話…
なのに…何故、貴方は…
思えば最初から不思議な人だった
顔は笑っているのに
瞳の奥は泣いているような悲しい瞳をしていた
…地毛であるはずが無いのに
染めた訳でもない金髪
それが余計に彼の存在の輪郭を薄くしているような…
おかしな感覚…
私と同じ…アリスと言う名前を持った双子の妹が居て…
なのに…彼女も金髪だけど
雰囲気が全然違う
不思議な…感覚
この…気持ちは…なんなの?
駄目……このままじゃあ……
虚無 有青は……
………死ぬ?
第1話 ハイスクールライフ