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9話-4
描かれた銀色の直線は
俺を斬った
飛び散った血は
殺人鬼の仮面に
そして、その血は垂れて
仮面は泣いてるようだった
(右肩を…!)
殺人鬼はあの瞬間
本当の狙いは
俺の足元にあった
バッテリー切れのレーザーナイフ
それで、俺の肩を斬った
傷は深くない
この自警団のコートは防弾、防刃性に優れている
流石にレーザーを纏われれば裂かれるが、
ただのナイフの状態で裂かれるなど
有り得ない
そう、有り得なかった
先の落下で多少なりコートはボロボロになった
だが、その事を差し引いても
有り得ない力でコートを引き裂いた事は変わらない
(くそっ…マズイ…いったん距離をとって…)
俺の頭は冷静に判断し
動こうとしていた
だが、体は
叩き込まれた闘争本能により
無意識に反撃に移っていた
-ドゴッ-
「う゛ッ…!」
殺人鬼は俺の拳を受けのけ反る
俺はそのまま
ラッシュに移っていた
-ドドドドドドドドッ-
「ッ…ああっ!」




