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2話-3
『どうかしたのかい?』
俺はいつもよりも柔らかい…
子供を安心させる為の笑顔で少女に話しかけた
「あの…その……」
少女はオドオドしていた
見知らぬ他人なのだからおかしくは無い
俺は足を屈伸させ
少女と同じ目線へと移した
人と会話する際の基本である
『大丈夫、俺は自警団の者だ
困った事があったなら言ってくれないかい?』
俺は襟元の自警団のマークを見せた
自警団のマークには特殊なインプリントがされていて
悪用されぬ様、
見た瞬間は自警団の物と認識されるが
視認していないと
個人差はあるが
約30秒後にはそのマークを忘れる
つまり、自警団のマークがある物を持っていた時点で
自警団の関係者であると言う事だ
「あの…私……道…迷っちゃって…その…」
少女は涙が溢れそうな瞳を潤ませて
たどたどしい口調で話した
俺がそっとハンカチを差し出すと少女はそのまま目にあてた
『うん…そうか…何処に行きたいのか分かる?
このへんなら俺が連れてってあげれる』
「…ここに…」
少女は一枚の紙を差し出した
片道十数分で行ける場所だった
往復しても充分、休憩時間内だ
『…分かった、今から俺と行こう』




