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2話-2
-有青視点-
俺は自警団の制服である黒いコートを着たままベンチに座っていた
休憩時間は何をする訳でもなく
こうして、この公園で過ごしていた
理由は忘れた
強いて言うなら
以前からこうして過ごしていた
それが理由
俺が自警団にいるのは
ありきたりな正義感なんかじゃなく
生活の為
補償金だけでは
俺達兄妹はロクに暮らせない
言うならバイト感覚だ
そして、他のバイトよりかは割り当てがいいからと言う理由で自警団にいる
だから、愛璃雛には
ただのバイトと説明して
学校で俺がこの黒いコートを着ている事を知る者はほとんどいない
ふと、視線を公園の植木から外の路地に見やると
小学生くらいの女の子が涙目で辺りを見渡していた
どうやら、迷子らしい
大丈夫かな、と心配しながらも
なんとなく
、見知らぬ他人である俺が
声をかけるのは
気が引けた
そう思い、視線を落とすと黒いコートの襟元にプリントされた
まるで、アニメで見る武装組織みたいな
自警団のマークが目に入り
まだ、休憩時間が30分程残っている事に気付いた
少しは自警団らしい活動もしようと思い至った




