表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

顛末ベイビーライツ

上手く生きれなかった。

柄じゃない、めんどくさい、自分が我慢すればそれでなんとなかなる。


街の匂いも暮らしの匂いも楽しむこともなく

吸い取るように過ごして1日の終わりをカウントダウンする。そんな生き方も悪くない。


それでも笑いすぎてお腹が痛くなった明け方、優しくされすぎて歩けなくなった夜思い出せば不思議なこともあったな。


そんなかすれてく思い出をこっそり再生させて

夢に執着しながら生きてくお話。


狭いラブホテルじゃ僕と君の愛を永遠に残しておくことなんておこがましくて、せいぜいタバコを吸うフリをして君への思いを煙にしてなかったことにするか、充満させるか、今日はどっちにしよう、そんな事を考えるようになった。


山城百合は先月27歳になった。

同級生が一通り働いて結婚して子供を産んで、主婦になってる。不思議なことに、そういった友達の日常を目の当たりにする機会が少なくなると同時に、まったく年齢や立場に縛られて生きることをやめた。


山城はまだ小説家になる夢を諦めれなかった。

東京のデザイン事務所でアルバイトをしながら

こっそり原稿を書き上げ、出版社に持って行っては突き返される。そんな毎日を続けてると、感覚もおかしくなるのだろう。



それでも急にさみしくなったり、人並みに愛されて安心したいという気持ちが存在しているのも事実だ。


いい年した大人がとは思いながらも、曖昧な関係の

人間ばかりと肌が触れ合うことが増えた。


 「次いつ会えるかな」

先のスケジュールなんか立てないくせに、一応毎回次につながる話題をだしておく。


 「いつでも会えるよ、また来週でも」



 男はいつだって軽く次の約束をしてくれる。そしてこの約束を破ったこともないし、きっと優しさと己の欲求の満たし方のバランスを最大限にとるとこのようなスマートなやつができあがる。




幸せだなんて言い聞かせなくても幸せを感じれるようになったら、こんな現実逃避みたいな時間も必要なくなるのだろう。



百合は本当は自分の生き方に満足しているはずなのだ。満足ということばは諦めにも似ているが、周りが手にしてる幸せがなくても小説が書ければそれでよかった。



だからこそ都合のいい関係というのが

この年になっても心地よかったのだろう。


 「もっと自分を大事にしろ」という周りの声には

「うるせえ、自分の事を大事にしてるから他人に傷つけられてもなんとかやってんだよ」

 

 

本当はそんなんじゃないけど、今は何も考えたくないな。何も考えてない人だと思われたままでいい。半分嘘で半分本当。人並みに20年以上生きてきて、あの時本当の気持ちを伝えていればよかったと後悔したこともあったけど、あーなにも伝えなくてよかったあんなやつに尊いこの気持ちをさらけ出さなくて正解だったと思っていたことの方が繰り返すと多い気もする。言葉にすると負けだ、幸せだと言葉にすれば幸せだし、好きだと言えば好きになる。人間ってのはどうして単純なんだろう。

 

 もとめられたらやめられないのが本音。僕はキラキラした世界に惹かれる。そこには何もない事はわかってるのに、次こそ何かあるのかもしれないとどこかで心の高鳴りを抑えられないのだ。

 

優しい言葉をかけるだけじゃ優しさじゃないんだよ。かわいいなんて、簡単に言わないで。この未完成のかわいいを君のために作るのに何年かかっだと思ってるの。生まれつき才能や、お化粧だけで可愛くなれる女じゃなかったもん。

 求める愛なんていつも歪で、歪んでるのかな、充分普通で満たされてる人間なのに、まだまだ普通になりたいな。

 

 

 

 もっと君に似合うような生き方をしてきたらよかった。初めてそう思える人に出会った夏があった。

 君と永遠をつかめたらどれだけ幸せか、おじいさんとおばあさんになってもずっと一緒にいれたら いれる人間だったら

 結局居心地のいい場所なんて泥水でしかないし、それを美しいと思うか汚らわしいと思うかは、人それぞれだ。それ以前に人の生き様を客観的に判断してくれるまともな人がいないこともよく分かっていた。

ここまでくると苦しんでる方が楽なのだ。言い訳もできるし、なにかおこぼれをもらえることもある、

 

 本当はもっとおもしろおかしく話せる過去なのに、君の前ではつい重くしちゃった。きっと嫌われたな。

 

 

 日本では土地が少ないからピラミッドを人数分つくるなんて物理的に無理だ。

 選ばれた偉人たちだけが、大きなお墓をつくれて、記念碑をたてれて観光地にだってなる。風にのって旅をするように火葬をされるのが本当の自由なら、化石にして埋めてその場所を眺めている僕はまだ、そこに君がいてほいしなんておもった。


そんなエゴすらお金のない時代には贅沢で、火葬という残酷な伝統を狭い土地で続けていかないといけない。

 

 

心はいつだって気分に支配されてる。一生かけて守ると誓った相手さえ、4年もたてば妖怪にすらみえて、心があることすら忘れるのだ。むかつくから殴る、むかつかせる奴が悪い。いつだって責任があるのは被害者だ。


「ちゃんと傷つかないといけないのに、不謹慎な感情を抱いてしまってごめんなさい。誰にでも優しい君に、特別優しくされたって、満足できないしそんなの君に気を使わせて迷惑なんかかけたくないな。誰にでも優しい君には特別に傷つけてもらわないと、優しさなんかすぐに忘れて夢みたいになって現実だったのかもあやふやになるでしょ。汚い言葉でもっと消えない痣をつけて。そしたら君の優しさを思い出せるよずっと」


 

 国中がしずむような悲しいニュース。悲しいけど僕には遠いことに思えて、結局仲良くないあの子との世間話みたいに軽い話題を深刻そうな顔で話すのが嫌だな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ