クラスの美少女はイケメン彼氏が欲しいらしい
僕の幼馴染は高校生になると、とても可愛くなっていた。
しかもかなりオシャレをしていて、あとあれだよね、胸が大きくてしかもそれを恥ずかしがらなくて、少し強調してるまである。
まあだからモテる。
とはいえ、流石に驚いたことに、そんな幼馴染に、クラス一イケメンと呼ばれている男子が告白したらしい。
そしてしかも幼馴染はオーケーしたらしい。
つまり、すごくクラスで注目されてるカップルができてしまったわけだ。
そんなわけで黙っててもクラスの中心ポジションなのに、幼馴染は調子に乗ってしまって、クラスで自慢話みたいなのをしていた。
クラス一イケメンから告白されたことを誇りに思っているみたいである。
しかも周りの女の子たちも、話に付き合いつつも、結構羨ましがっていた。
僕はふと、その周りの女の子の中の一人である、クラスの美少女、森崎さんを見ていた。
森崎さんはいつもあんな感じでクラスの中心だけど、僕と接点がある。
僕と森崎さんは、連絡黒板係なのである。
連絡黒板係とはどんなのかというと、教師からの連絡を受け取って、黒板……じゃなくて連絡用ホワイトボードに書く係だ。
最近新しくホワイトボードになったけど、係の名前は相変わらず、連絡黒板係なのである。
まあそれはいいとして、僕は……森崎さんのことが好きだ。
といっても別に告白する気もないし、ただ一緒に係の仕事をして、森崎さんが素敵な人だと実感するだけである。
意識を幼馴染と森崎さんたちの輪に戻すと、とても話は盛り上がっていた。
「よし! 私もイケメン彼氏作ろ!」
ノリよく森崎さんがそう言うと、周りから、絶対断られないから好きな人がいたらもう告っちゃえ、みたいな声があがる。
まあ確かにそんな気もするなあ……。
と思いながら眠いので昼寝を僕は始めた。
起きると放課後だった。
え? 嘘だろと思いかけたけど、まあたまにあることだ。
午後の授業ずっと寝ちゃってたんだよね。
はあ……。
幸いクラスのメッセージグループが活発なので、僕のようなボッチでも、授業でわからないところがあれば、そのグループで誰かが教えてくれる。
スマホがない時代だったら僕みたいな人は大変なんだろうな、と想像しながら帰ろうとしたら、森崎さんに呼ばれた。
「連絡事項先生から受け取ったよ」
「お、まじかわかった」
森崎さんと二人でお仕事の始まりだ。
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本作は全三話の予定です。
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