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第四話

 そこは裏の世界、異界であり悪意の化け物共と魔法少女達との戦場。


 幾度もの閃光と爆音が響く場所。


 空を飛び回る化け物と、魔法少女バレットとの空戦。


 有象無象を蹴散らして駆け回る、魔法少女ミラージと魔法少女モニカ。


 #影__ゼッル__#の誘導と援護により、前者三人の魔法少女に合流した援軍?その他、魔法少女達。


 そして狂たように殴り合い行っている魔法少女ヴラーチ…。


「死ね!死にさらせー!!殴らせろ!!」


「ヴるせぇ!!テメーが死ねぃ!!」


 継ぎ接ぎのだらけの狼頭の怪人?…悪の化け物が何処ぞの熱血よろしく狂ったように同じく戦い続けていた。


「「ククッ…ふ、あは、あははっ、あはははははっ!!」」


 戦闘狂…その顔は高揚し前しか見えていない。


 時折、その狼頭の部下であろう化け物が援護しようと近づき、戦闘に巻き込まれて塵となったり一定以上の奴は#影__ゼッル__#に妨害されるか撃退される。


 さすがに、相応の知性をもつ化け物は近づいてこないか、一定の距離を取っている。


 ……と、まぁ脳筋の戦闘狂は 横に置いておく。


 魔法少女達は強敵にぶつかりつつも、協力し合いながら敵を攻め続けていた。


 そんな魔法少女達に優勢な戦局かで。


突如として、それは…現れた。



ドゴォォォォン!!



 爆音と衝撃波。


 土煙の中から覗くシルエット。


 禍々しいオーラを纏った、赤黒い鎧兜…。


 黒い騎士……


 それが、戦場のど真ん中で…動き出した。


………


……



◆◆◆


 

「……何?アレ…。」


 廃ビルの上で、いきなり吹き荒れた衝撃と、脳内に己の影達から贈られてくる光景に、真っ白な姿の少女、冥は呟く。

 

「……黒い、西洋甲冑?…騎士?…なんか…ヤバいのが…来た。」


 見えただけでも分かる異様な光景。


 存在の圧力とでも言えば良いのか、とてつもない化け物の出現。


 引き攣った顔で自分の影響かにある影を操り…そして


 …かき消された。


「な?!……ッ…。」


ゴオォォォォ!!


 かなりの距離を取っている筈の、廃ビルの屋上までよゆうで響きわたる轟音。


「……危険だ。」


 冥の額をつぅと冷や汗が流れ落ちる。


 なぜ…。


 あんなの知らない。


 あんな化け物など知らない。


 黒い鎧……黒騎士…。


 見たことも無い。


 知らない。


 何だアレは…。


 どうする、どうすれば良い…


 ヤバイ…ヤバイヤバイ………。


 焦りと苛立ち、自分の影達が動き出した、あの騎士鎧の化け物をつなぎ止めようと、刃や鎖、生き物の姿形をとって何度も繰り返すように攻撃を行う。


「……ダメ…か。」


 動き出した騎士鎧の化け物は、影の鎖を引き千切り、刃を砕き、周囲を蹴散らす。


 魔法少女達も化け物共も、突如として現れた騎士鎧の化け物のに、警戒とその異様な存在に一時的に戦闘が止まっていた。  


 だが、化け物共のは、己らと同じ邪悪な力を感じ取るとそのまま魔法少女達に再び襲いかかる。


「ッ!!」


 冥は焦る。


 全体を見渡して()()()()の体の処理能力をフルに使って、魔法少女達を庇う。


「……ギリギリだっ…た?!…。」


 痛む頭と、眩む視線を再び影を使って戦場に戻すと、魔法少女の何人かが騎士鎧の化け物……黒騎士に吹き飛ばされる光景を目撃して、慌てて影を使いカバーさせる。


「ッが!……くぅ。」


 戦局が動くに従い、負担が増していく。


 ……速く……。


 冥は、心の中で己の片割れ、化け物共の親玉の方へ向かったもう一人の自分に思考する。


………


……



◆◆◆


「ハァァァリャ!!」


バッゴオォォォン!!


 魔法少女モニカが、死角からメイス、モーニングスターを振りかぶり、けたたましい衝撃とともに黒い騎士鎧の化け物…黒騎士に攻撃を行う。


 また、上空からも魔法少女バレットが援護射撃よろしくいくつもの光の弾丸を発射する。


 だが、モニカの一撃を受け流すように盾で弾かれ、逆に長剣が迫り来る。


ガァァギン!!


 火花とともに、かんいっぱつモーニングスターの柄を滑り込ませてガードする、だがパワーが違いすぎるのか、そのまま体が宙に浮き上がり、打ち上げられる。


「キャァァァ!」


「うわ、わ、わぁぎゃ!」


 そして回避の間に合わなかったバレットと共に、二人は弾き飛ばされる。


 二人と入れ替わるように、反対側からは槍の魔法少女ミラージが、目前の障害物ごと粉砕して突如していく。


 そして激しい激突音が響きわたった。


「───ッ!!」


 異様な化け物、黒騎士と槍の魔法少女ミラージは互いの武器が悲鳴を上げるほどの拮抗、鍔迫り合い。


 最初は全力の疾走と衝突でミラージが。


 黒騎士は最初は片手の長剣で受け止め、徐々に押され始めると両腕で柄を持ち逆に押し返す。


「ぐぬぬぬ…。」


『ガァァ!!…。』


 互いの武器を中心に空間が放射状に歪む。


 そして足下が陥没し、ミラージがおし負けた。


『ガアァァァァァ!!!』


「イィッ…!!、キャァ!」


 行き場を無くしたエネルギーがはじけ、それと同時に振るわれた黒騎士の長剣により、ミラージが地面を滑るように吹き飛ばされていく。


「…ウオォォォリャアァッ!!」


 黒騎士がミラージを吹き飛ばして空いた隙、そのこに疾走とする脳筋…もといい、すでに疲労困憊の魔法少女ヴラーチ。


 ちなみに熱く拳で語り合った(脳筋)には逃げられたらしい、だからこっちに来た…以上。


 ヴラーチの伸びきった腕を、黒騎士が蹴り上げる。


「ッい?!、グゥャ!!。」


 鈍い音と共にヴラーチの体制が崩れ、さらに黒騎士は盾で殴り飛ばす。


『……グゥゥ…』


 それは圧倒な戦闘力だった。


 魔法少女達は、絶対絶命のピンチ。


 他の魔法少女達は間に合わず、絶望的な状況。


 黒騎士は、足下に転がるヴラーチに止めをさそうと、近づきその長剣を振り下ろした。


ガァチィィン!!。


 その時、何処からともなく(ゼッル)の片割れが現れ、その攻撃を防いだ。


 何十何百と言う数の影が、黒騎士のたった一撃、されど一撃を受け砕けながらも拮抗していた。


「…ッ…グゥ…貴女?…は…」


 折れた片腕と眩む視界、痛むからだでヴラーチは、自分を庇う白い少女の後ろ姿を目撃した。


 影の本体の片割れ、ゼッル()であり冥は横目に、ボロボロの魔法少女達をチラリと見ると、苦虫をかみつぶしたように顔を歪め、影に命じる。


「…おっ…おい、止め、なに…す…ニギャ。」


 冥の足下から、黒い人型の影を出してボロボロで動けそうに無い魔法少女達を運ばせる。


 冥が下した事実上の撤退だった。

 

 脳筋は意識があるので縛り付けるのも忘れない。


 そうしている間も、黒騎士は影を破壊していく。


 そして。


バリ、ドゴォォォォ!


 影を打ち壊し、真っ白な姿の少女を、叩っ切った。


 大地が陥没するほどのパワーが吹き荒れる。


 影達は疾走し、魔法少女達を抱えて土煙に消えていく。


 ヴラーチは、肩から叩っ切られたら白い少女の姿を目に焼き付けていた。


 他の魔法少女達も、(ゼッル)達に促されるにしろ、保護されるにしろ、簀巻きのようにされるにしろ、一目散にその場から離脱させられる。


 護衛として、なぜか斬られたはずのゼッルの影達が、徹底抗戦を行いながらだが。


………


……



◆◆◆


 冥の片割れ、本体の方は急な頭痛と、贈られてくる情報を知る。


 片割れが黒騎士にやられた。


 現在は代行で、幾つかの影達が命令を継続し撤退していることを知った。


「っ……」


────揺らぐ、片割れがやられたかぇ?


「……目の前の、穴にいる、急ぐ。」


 冥は苛立ちと、影達から贈られてくる情報に意識を変え。


 息を吐き出して、心を落ち着かせ、意識を、体を、力を感じ取る。


 すると、真っ白な姿の少女その輪郭が歪む。


 白い部分は影へと変わり、赤い瞳が輝く。


 姿で言えば、化け物のやようだ。


────…余り変わらんな。


『…うるさい』


 見た目としては変わている、だが影で有ることに変わりは無く。


 目の前に広がる暗闇にその姿を溶かしていく。


 時々徘徊する化け物共のを灰に変えて、奥へ進む。


 影は…私だ。


 私は、ゆっくりと広がっていく。


 暗闇に紛れ、影を操り、気づかれることも無く。


 そして、たどりついた。





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