魔女の術と保安官
「お疲れ様。ジェット。」
「ああ。ただいま。ああ、嘘じゃないんだね。君が俺の部屋で俺を待っていてくれるなんて。」
「もちろんよ。私はあなたが大好きだもの。」
バークは擦れた様な笑い声をたてた。
ちょっと私の腰の辺りもなぜかむずむずとするような、なんだかとっても素敵にも聞こえる擦れ声だった。
いや、胸の中の熱い思いを熱い吐息と共に口にするような声か?
「ああ、うれしいよ。ミスティ。」
「え?」
バークはシンディを抱き締めて、それどころか彼女の顎をそっと持ち上げて顔をシンディに近づけていく。
私は自分の手を二人の間に差し込んだ。
「ハハ。そうだね。俺は性急だった。」
目をつむったままのバークは私の手の平にキスをした。
ぎゃあ!
私はその手を引き抜くと、思いっきりバークの額を叩いた。
「しっかりなさいな!」
叩かれたバークは叩かれた痛みに目を細める事はしたが、自分の額に手を当てるようなこともしたが、私に対して何も関心を示さなかった。
シンディの術に完全に嵌ってしまっているからか?
「私が見えないの!」
私の声に何の反応のないバークに私はぞっとし、私はジュスランへと目線を動かした。
彼は自分の姿を消していた。
「どうして!」
「ジェット。怖いわ。この部屋に幽霊がいるみたい。あなたの銃で、あなたの部屋にいる幽霊を撃ち殺してちょうだい。」
私への死刑宣告をシンディはバークの耳元に囁き、ジュスランが姿を消したのはこの流れを呼んでいたからだと気が付いた。
「ああ、わかったよ。ミスティ。」
「待って!バーク!」
バークは銃を胸のホルスターから取り出して、うわ、私ではなくマネキン状態のディアンヌに対して銃口を向けた。




