迷子たちの冒険③
日が沈み、闇夜が空を覆えばそこには星が瞬く。
「ここが田舎町で良かったわ。北極星が見える。」
「それじゃあ、真っ直ぐに北西に進路を取ればいいわね。」
リサにはバンシー得意の悪夢の呪いが掛けられている。
眠くて仕方がなく、しかし眠ると悪夢を見る、という恐ろしい呪いだ。
「リサに精神を繋いで操る者こそこの呪いにかかるはずですの。ですから、出来る限り強力に掛けてさしあげましたわ!」
リサにはとっても可哀想だが、憐憫の情を全く見せないバンシーに私はとっても脅えていたので、リサには私は何の助けにもならなかった。
しかし、リサが悪夢だろうが眠っているので私は元の姿に戻す事も出来たし、こうして自宅に辿り着くための計画を戦友と練る事も出来るのだ。
丸裸でもあるが。
ここには私にコートぐらい貸してくれる心優しき人などいない。
「ところで、ジュスランは電話に出たの?」
「お出になりませんでした。でも、伝言はありました。」
「なんて?」
「自分の力で頑張ってみよう。」
「ハハハ。あのやろう。」
「あなたが掛けたらまた違ったかしら。」
「いいえ。同じだと思う。さあ、出発しましょう。」
「同じかしらね。」
「同じよ。」
私はリサを背負うとそのまま再びミニチュアホースに変身し、シャーロットは変身しきった私の背中によじ登った。
「さあ、北東に進路を取りましょうか。闇夜ならばバンシーの世界だわ。私ももう少し色々な力を使えます。」
ぼしゅうううと、私の両横に紫がかった灰色の大きな雲が現れ、私は馬で人語が喋れなくてよかったとヒヒンと嘶いた。
この雲をどうする気なのか知らないが、シャーロットは怖すぎる。




