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秘められた紫  作者: みすみいく
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諸刃の剣

 このまま居ると、何時か、アウルが手の中からすり抜けて行ってしまう…。焦燥に捕らわれて、アレンは遂に行動を起こしてしまう。危機的な結果を招くのだが、彼等はこれを、如何にして切り抜けるのか?!

 悪い癖と言われて考え続けて居たが、これと言って決定的な関連も思い浮かばないままに、歩き慣れた廊下を、足だけが執務室に向かっていた。


 「伯爵!何処までお出でに成るんですか?!」


 エドナに声を掛けられて、執務室を通り越してしまっているのに気が付いた。


 「長距離が、入っておりますと先程から申し上げて居りますのに…」


 慌てて受話器を取りにいきながら。


 「リヒターか?!」

 「のようですわ」

 「名乗りもしない?」

 「秘書と言えど」

 「鉄則でね」


 溜め息混じりに言うエドナに応えてやりながら、受話器に向かう。


 「やあ、リヒター。ご苦労だな。この間探していたあれ、手に入れたぞ。妹さんの誕生日のプレゼント。ああ。それだ。俺の方が近いんだ、届けてやろうか?!」

 

 冗談に何時もなら、伯爵を義弟何ぞと呼べませんから…と、すらりと躱して来る彼が、言葉を詰まらせた。


 「どうした?!何か有ったのか?!」


 沈黙が続き、言い出すことを躊躇していた。ややあって信じられないような事を語り始めた。


 「ああ。聞こえている。君の言うことは理解できるさ、前に聞いた、MFSの職員だろう?!信じがたいな。君をじゃない。そうだ、俺は今自分の手でケリを着けたくなっているところなんだ」

 「立て続けに2件、アウルの暗殺未遂が起こって見ろ、いい加減…けろっとしてるさ。むしろ煽り立てている。奴等の真意を確かめる為だそうだ」


 状況を察したリヒターの言葉が続いていた。


 「悪かったな!どうせ俺一人カリカリしてるんだよ。笑うな!。とにかく待て、飛びつく訳には行かない。動きすぎる気がして仕方が無い」

 「…年齢?!。アウルもそんなことを言っていたな…待ちが辛くなるのは何も若いだけだとは限らないと言う事か…」


 改めて指示を出すまでは、現状維持と状況報告を徹底する事を命じて電話を切った。


 「年齢…か」


 年を食って、今後を案じる焦りが判断を誤らせるのか、はたまた、こちらを誘い出す揺動か?!考える範囲は狭いものの、何かもう一つ釈然としないものが有る。

 第3の意思が、何処かで動いている感覚が有って、俺に不安を抱かせる。


 報告を兼ねて、アウルの元を訪れた。


 「アウル…あれ?起きていたんですか?!」

 幾らも時間は過ぎていない。眠り込むという風に見えたのに…。


 「ああ。アレン、良い所へ。ルィザをやろうと思って居たんだ。これに目を通してサインしてくれ」

 「何です?!」


 渡された書類に目を通しながら聞いた。


 「第2、第3の故障ランビキさ。頭が痛いよ」


 ランビキとは薔薇の花から精油を取るための蒸し釜何だが、香料生産の要でも有る。

 どうやらチェック体制は、正常に稼働しているらしい。問題提示がトラブルの前に上がって来ている。


 彼に着せかけて居た背広から、万年筆を取り出すとサインしかけた。


 「それ、ちゃんと使って居るんだな?!」


 アウルが珍しくにっこりして言う。


 「思い出した!!」


 俺は、彼の悪戯のお陰で、エドナにさんざんからかわれたんだった。


 「紫のインクってのは難の冗談何ですか?!しかも念が入ってる。他のカートリッジが合わないと来ているから、使い続ける限り、この色と付き合う様になってる何てねっ?!」


 ずいっと、万年筆を突きつけて言った。


 「いや…別に。つい、面白い色だな…って」


 万年筆を受け取りながら、悪戯を咎められた子供のようにボソボソ言う。


 「なら、自分で使いなさい」

 「何か…有ったみたいだな?!」

 「お陰様でっ!!」


 色っぽいプレゼントの下りを話すと、笑いこける。


 「エドナが…なる程…」


 ぷくくと、さも楽しそうに笑う。


 「質が悪い!人をあそび道具にするなんて」

 「人聞きが悪いな。そんな積もりじゃ無かったんだ。魔除けの護符。紫は魔除けの色だって言うだろう?!」


 何がそんなに可笑しかったのかと思うほどに、目元を染めて無邪気に笑うのを見ていられるのは、俺だけ何だろうなと思うと、からかわれたのも悪くないなと思ってしまう。

 馬鹿か、俺は。


 「魔除けねぇ…そう言う事なら使わせて頂きますよ。でもねぇ、それならそうと…」

 「お前。万年筆の文句言いに来たのか?!」

 「そう…いや。そうじゃ無い!」


 渡された万年筆を受け取りながら、失念していた用件を思い出した。


 リヒターが知らせて来た情報とは、俺達の追撃に耐えかねて、リント伯爵が東の機関と密約を交わす準備を進めていると言う内容だった。

 国内での影響力を強化したいと言うのが、本来の目的だろうが、あわよくばこの際に、目障りな政敵を失脚に追い込めればと思っているのだろう。


 その為の協力関係の要請と、成就の暁には以前同様の我が国の隷属を、引き換えにした協定の要請であった。


 「実際の協定書の内容は、確保しているのか?!」

 「ええ。政府の転覆を視野に入れている様にも見受けられますね。我々側の勢力の一掃をも謀りたい様です」

 「文書としてはまだ、リヒターの手元に有ります。早急に入手して対処すれば、これ以上貴方を危険に晒さずに済みます」

 「私の事は後で良い。ようやく動いたんだ、構わないから放って置け」


 何だって?!?


 「アウル!!貴方の暗殺を目的としている可能性も有るんですよ。今度は牽制じゃ無い。黙って見ていろと言うんですか?!」

 「手は打ってある。今は動く時ではない。証拠としての、署名の入った文書は実物でなければ意味が無いし、ルートを確保しない内は国境を越えるのは剣呑だ」


 「私の危険回避と言うだけなら、内容だけを入手すれば良い事だろう?!良いか?!改めて言う。迂闊に動くな。私の罠は、インスタントじゃ無い。檻の準備をせずに誘ったりはしていない」

 「お前にも判っているはずだぞ。何をそんなに…」


 何事も無いように言って退けるのを聞く内に、沸々と怒りが蘇ってきた。


 「賭けられて居るのが俺の命なら、こんなにまで言いはしない。あ、な、た、の命だからです!!」


 真に受けては居なくとも、俺ははっきり告白したんだ。それなのに敢えて言われた事にかっとなった。


 「感情が先走る。悪い癖だな?!アレン?!」


 少し眉をひそめて、咎めてはいるものの、俺を侮ってと言うよりも、少し悲しげだった。

 そんな具合に言われて、ぐ…っと、詰まってしまった俺は、後を本音だけで繋ぐことになった。


 「貴方の命はこの国にとっても惜しむべきものだと言っているんです。リント如きとは代えられない」

 「安心しろ。私はまだ死ぬつもりは無い」


 あ?!。


 「リントの事が片付いても、問題が山積しているのに、私が死ねる訳がない」


 …!!!!。


 「茶化さないで下さい!!こんな時に運命論なんて、何の役に立つって言うんですかっ?!」


 爆発してもう止められなかった。


 「俺の言う事なんか聞いていないんだからな!!」


 激高する俺を、唖然として見上げた。


 「アレン?!」

 「持論はどうしたんです?!1度決めたことは何があってもやり遂げるんじゃ無かったんですか?!」


 俺がこれ程感情を昂らせる理由が判らずに居る。


「だからこそ…決めた「時」に賭けずに生きて、私に何の意味が有るんだ?!」


 アウルの言葉が本来のままであり、真意も他に無いことは分かりきった事だった。

 俺の感情を理解できないからこそ、いや…自分の命に重きを置けないからこそ、1個の駒としてしか認知出来ないのだった。

 その為に有る駒ならば、その時に賭けなければ価値は無くなるのだ…と。


 「判りました」


 貴方が自分の命を自分で護る意思が無いのなら、俺が護る。敢えて貴方に造反します。


 俺にとって何者にも代え難い貴方を、誰が渡してやるものか。例え、脅かすのが貴方自身で有ろうとも、俺は渡しません。


 「アレン?!」


 ただならぬ気配を察して、足早に執務室を出る俺を追ってきた。


 「待て!!アレン、何を考えて居る?!」


 目の前で閉じられたドアを叩きながら、何時になく慌てた様子で叫ぶ。


 「開けろ!!こらっ!!」


 何を言われてももう決めたんだ。

 諦めなさい。半分は貴方が悪い。


 こんな具合にアウルの前を離れたからには、彼に止められる前に庁舎を出る必要が有った。目くらましをかけて、自分の執務室にも帰らずにそのまま庁舎を出た。


 敢えて列車で国境を越えた。

 リヒターが指定した駅に降り立つと、まだ、過去の中に埋没して居るかの様な、歴史の歪みに沈みこんで居るような建物だった。


 列車が少し遅れた。

 迎えに来ると言っていたリヒターの姿を探していると、彼の方から声を掛けてきた。


 「伯爵」

 「遅れて済まない」


 言うと、心底ホッとしているような顔に妙な気がした。


 「お出で頂けないのではと、心配していました」


 だが、相手はリヒターだった。


 「来るさ。君の情報なんだからな」

 「ほらこれ、持ってきてやったぞ。妹さん元気だって?!」

 「す…済みません。なんとかやっているようです」


 たった一人の兄が、誕生日を祝ってもやれないことが、歯切れの悪さを生むのかとも思う。


 「俺が仕事をさせすぎるからな」

 「いいえ。それとこれとは…」

 「今回リントの尻尾を掴んでしまえば、東の牽制も治まるだろう。君を国内勤務にしてやれる。内務省で俺の代わりをしてもらう」

 「伯爵。公爵は俺の情報を信じて下さってるんですよね?!」


 途端に状況の確認を始めた。


 「何か変更が生じたのか?!」

 「い…いいえ」

 「アウルには東へ来たことは話して居ない」


 造反することを決めた時点で、必要な連絡だけを外から入れて、庁舎を出た。アウルに止められるのを警戒したからだ。


 「どうして?!」

 「君の情報のことは報告したさ。リントを潰せるかも知れない。チャンスだってね」

 「それで公は?!」

 「放っとけとさ」


 車に乗り込みながら話を続ける。


 「動き出したのなら直こちらの罠に架かるだろう。あくまでも国内で、民衆の面前で奴を潰す積もりでいる」

 「焦って牽制などするなと釘を刺された」

 「…恐ろしい人ですね」

 「アウルがか?!」

 「貴方もです」

 「公のやり方は、叩き潰して、2度と立ち上がれることの無い程に、徹底した容赦の無さを感じるし、伯爵はその公に真っ向からぶつかるんだなぁ…と」

 「でも、本当に自分の命を餌にして、罠を仕掛けるなんて出来るんですかね?!」


 あきれたように言う。


 「それをやるから俺がここまで来る羽目になる」

 「アウルはベルセルクだからな」

 「ベルセルク?!」


 北欧神話の闘神の、凄まじいイメージに少し違うかと思いつつ。


 「頭がおかしいとか言うわけでは無くて、やらなければ成らないことが有ると、それが第1で自分が見えなくなってしまう。一緒に居て気が付くと、何時も、俺は必死で崖っぷちの彼を引き止めてる」

 「うわっ…たまんねぇ…疲れるでしょ?!」


 言われて気が付いた。


 「確かにな」

 「なんでそこまで付き合うんです?!」


 返答に詰まった。何故?!アウルを愛しているからか?!彼の望みだから?!…違う。俺は崖に臨んで、対岸へ飛ぶ機会を虎視眈々と、それこそ全霊を賭けて狙う彼を見ていたいのだった。


 なんて傲慢な、なんて残酷な嗜好を携えているものか。愛していると、僅かな傷をも付けたくないと言いながら、一方で俺は願っている、充足する事なかれ…と。


 飢えるアウルの凄絶な迄の美しさが、充足することで失われないかと危惧しているのだ。

 彼が高みを望んで天指して駆け上る様は、昇竜が銀青灰の鱗を煌めかせて昇って行くようで、見ている俺の身内を、戦慄にも似た快感が支配するのを覚えさせられるのだった。


 「スノッブ…なんだろうな」


 リヒターの目が、ギョッとしたように俺を見た。


 「公を…お好きなんですか?!」


 見慣れないものを見るような、自分とは異質のものを見るときの驚愕。笑いが漏れた。


 「愛しているさ。俺の全てと言っても良い」


 硬直して、冷や汗が滴る音が聞こえそうだった。

 笑って視線を外してやると、やっと息を付く。


 「あ…ああ。そうですよね。伯爵が公に惚れ込んでらっしゃるのは判ってたんですけどね」

 「ああ。びっくりした。伯爵のイメージとは違っていたんで…」

 

 傍に居た仕事仲間がゲイだったと判った瞬間から、自分が対象になり得ると自覚することが、驚愕の理由だった。人の判断基準と言うものの曖昧さ。


 「俺の言うのは実際の行為の話じゃ無い。君だって経験が有るだろう?!達成感でエクスタシーを感じる瞬間がさ」

 「はは…そうですね。そう言う意味じゃ俺は伯爵に惚れてるかな?!貴方に命じられた仕事をやり遂げた瞬間は、実際の行為なんて目じゃ無いもんな」

 「だろ?!」


 少し砕けた流し目をくれてやると、リヒターの目元が引き攣って、鼓動が跳ね上がっただろう事が見て取れた。感じた欲情に罪悪感を植え付ける狙いが成就していた。

 何を考えているんだ?!伯爵は始めから仕事の話しかしていないのに、勝手に…ひょっとしたら俺は元々…ってね。


 俺にはこんな事は何でも無い。アウルが言うように清廉でもないし、純粋でも無い。むしろどれだけ味わっても満足することが無い程、貪欲で放埒だ。

 アウルの必要に駆られなければ、情事に対しても積極的で無いのとは訳が違う。


 快楽を得るためには相手には頓着しない。

 節操の無い肉体関係を何人と結んできたか、今では定かで無い。彼を望むこと自体が、分を越えるのかも知れない。

  引っかかりの有るリヒターの情報を真に受けて、少し強引なマインドコントロールを施してまで、事を起こそうとしている自分が、酷く滑稽だった。


 こんな事をして、もしも、失敗した時には、アウルの為はおろか、邪魔をして終いかねない。


 感情が先走る…だった。


 「伯爵」


 レンガ通りの向こう側、ありふれた民家の周りに通行人を装って、2~3人が屯している。

 双眼鏡を渡されて、指し示す方向を探す。


 「調印が行われるのはあの家です」

 「リントは?!もう着いて居るのか?!」


 東側の機関が準備しているという条約書に、リントがサインしたところを、現行犯で確保しようと言う訳だった。


 「いいえ。未だです」

 「この家の持ち主は?!」

 「ワルシャワ在住の実業家です。直接の関係は無いようです」

 「今居るのは、東の機関の者だけか?!」

 「シェネリンデからの先乗りがいます。東の奴等と合わせて8人、表に2人、中に3~4人。裏に2人」

 「こちらは?!」

 「配置済みです」


 段取りは予定通りだった。


 「君は表でリントの到着を待て」

 「伯爵。これを」


 差し出された封筒の中身は知っていた。

 受け取ったその時、朝から泣きだしそうだった空から、雨粒がぽつりと封筒の上に落ちた。


 「東の機関の上層部が、契約の内容を了承したという内部文書だと言う事だったが、担当者の直筆のサインは有るのだろうな?!」

 「伯爵。あの…それは…」


 封筒の中だとはいえ、濡れては証拠としての効力が薄れる。敢えて確かめる積もりは無かった。


 「判っている。濡らしゃしないさ」


 リヒターが、何か言いかけて、止めた。


 「どうした?!」


 聞くと何かを吹っ切ったように言う。


 「いいえ。表に回ります」


 リヒターが走り去るのと入れ替わりに、見覚えの無い男達が現れた。


 「カーライツ伯爵でおいでですね?!」


 俺の名を知っている。


 「リヒターの協力者か?!」


 応えは無い。


 「止まれ!何者だ?!」


 誰何しつつ銃に手をかけて、予感が告げた、裏切りといういち文字が、冷たく背中を伝って行くのを感じていた。


 「そいつらは私の部下ですよ。銃を渡して頂こう。両手を頭の後ろへ、アレン・フランシス・ロルァ・フォン・カーライツ伯爵。貴方を反逆罪で拘束します」

 「シュバルト!!では、これはリント伯の命令か?!」

 「おや、私の事をご存じでしたか?!」


 出身地、年齢共に不詳。何処かは判ら無いが、軍内部で不祥事を起こして、行き場が無くなっていたのをリントに拾われたと聞いている。


 ここの所のアウルへの数々の謀略は、この男の指示の元行われていると思われていた。


 「反逆罪で拘束すると言ったな?!何の事だ?!」

 「失礼」


 奴の手が、俺の内ポケットから、リヒターが手渡した書類の入った封筒を取り出した。


 「ほぉ。これが貴方と東の機関との契約書ですか?!」


 その一言が俺に、事態が大掛かりな罠の一端だったと知らせた。

 悪い癖だな。アレン?!。

 アウルの声が、驚愕にフェードアウトする頭の中で、一瞬の閃光のように閃いた。


 呆然と自失した俺の視線の先で、叩きつけるように降り出した雨が、湧き上がる暗雲を映すほどの水溜まりを、瞬く間に作っていた。


 目は開き、耳も聞こえていた。指示されれば動き、返事もする。だが、意識はもうずっと同じシーンを繰り返し見詰めていて、音の無い映像の中で、自分の声だけが響くのを空しく聞いていた。


 荒涼とした平らな大地と、割れて、目も眩むような谷底を覗かせて、落ちる者を待っているような奈落。

 その中で、ただ1個所、辛うじて対岸へ飛び移る事が出来そうな突端が見えている。


 その突端を目指し、俺の横をアウルが走り抜けていく。

 振り返り、彼の腕を掴んで止める。


 「その先は崖だ!判らないんですか?!行くな!アウルッ!!」


 俺の呼び止めに、一瞬視線を振るが、次には俺の手を振り切って、再び崖に挑もうと振り返る。


 「何処を走っているつもり何ですか?!下を見て!」


 俺の言葉に崖を見詰める。当然その表情には恐れも驚きも浮かばない。ただ、時を惜しむ焦燥が浮かぶのみだった。


 彼に軛を賭けていたのは俺だったのだ。


 その事実を直視した衝撃に、俺の精神は破綻しかけていた。

 お読み頂きありがとうございます。

 アレンが翻弄されまくってますが、填まってしまった原因は、アウルを思うあまり…。

 新たなキャラクターがクローズアップされるシーンも出て来ます。乞うご期待!

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