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黒隻の簒奪者  作者: ちよろ/ChiYoRo
第4章

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第63話 決着の刻

いつも読んでくださりありがとうございます!

先日、感想をいただきました!とても勉強になるご感想でした。


それを踏まえ第41話 第42話を少し改稿しております。物語に大きな影響はありませんが、その時の主人公の心情を明確にするため少し書き足しました!


興味のある方は是非そちらも合わせてご覧ください!


さまざまな感想待ってます!それでは、ぜひどうぞー!

 ラムラスの堕とした隕石はゆっくりと城の外へと落下していき、やがて地面に激突する轟音が鳴り響き、塔を揺らした。




「...ちっ、手こずらせおって。これで後は下におる【黒隻】の仲間をやれば終わガッ!きさ...ま...?!」

「ふぅ、とんでもないもの押し付けてくれてたな。お陰で苦労したぜ」


 俺は真横から刺した刀を言い終わると同時に振り切る。


「ッ!ッッ!」


 骨が断たれ肉と皮しか付いていない喉を必死に動かし、俺への罵声を浴びせようとするが、喉はヒューヒューと空気しか通らない。


「終わりだよ。ラミーの痛みを、帝国の人たちの痛みを思い知れ」


 俺はギリギリ繋がっている首を今度こそ切り落とす。

 ラムラスは最期まで俺を睨みつけながら息を引き取った。


『経験値を獲得しました。スキル:簒奪により取得経験値が半減します。スキル:簒奪の効果により、スキル:彗燼瀑隕 天眼 弓聖術 大地魔法 纏矢 幻矢 狙撃 剛射 天穿を獲得しました。...不能。部鬼化を取得することは出来ませんでした』


 やはり“部鬼化”を取得することはできなかったか。ラムラスの口ぶりや説明欄を鑑みるに何か特殊なスキルなのだろう。


 まったく、俺の刀で斬れないものに出会うとは。それも1つだけでなく同じ相手で2つもあるとは夢にも思わなかった。


 これから先の敵にはもうこの刀が全てを斬り裂けると思わない方が良さそうだな。



 本当にあの隕石には苦しめられた。あのスキルに目覚めなければ今頃地上のシミとなっていただろう。










「さぁ、存分に味わってくれや。わいからやれる最高の土産や」


 くそっ!斬り裂けるかっ?!でも、下手に裂くと下のサニアたちがっ...。


 俺はまた刀を峰から刃の方に戻し、避けることはできないと悟って、隕石を思い切り斬ろうとした。


 ガチィィィン!!!


「なっ!斬れない?!そんなまた?!ぐっ!...落ちる!」


 寸断出来ないとかそんなレベルではなかった。完全に刃が通らなかったのだ。それに思い切り斬りつけたこともあってその力が全て俺に返ってきて手が痺れる。


 それと同時にピキッという音が聞こえたが、そちらに意識が向く前に隕石の勢いに押され、壁際へと押し込まれた。


 俺はそのまま隕石の勢いを殺しきれず、壁を突き破って隕石と共に城外へと吐き出されてしまう。


「ガッ!カハッ!」


 宙に足が浮いた俺は大気と隕石に挟まれ、肺の中の空気を全て吐き出してしまった。


 なんとか刀は落とさず掴んでいるが、体に力が入らない。


 ...俺はここで死ぬのか...?ラミーの復讐を果たせず、ただいいようにやられただけで?


 確かにラミーに復讐してくれと頼まれたわけじゃない。でも、許せるものか!彼女を、皇を、ライドさんを、帝国の人たちを殺したやつがのうのうと生きているのを許すものか!


「俺はまだ死なない!死んでたまるかぁぁぁぁ!!!!」


 バチバチと鬱陶しく纏わりついていた赫いスパークが収束し、開かれた『左目』へと吸い込まれていった。




『スキル“異憶復元”を発動します。......完了。イラミス・リースヴェルトのスキル“女皇之勘”を復元。......不能。不能。不能。...スキルを改変させます。......完了。スキル“皇之眼”を獲得しました』


 まさか、この赫いスパークはそういうことなのか?


 ミアの時もそうだった。“異憶復元”が発動するたびにこの赫いスパークを見ている気がする。


 ...でも、今はそのことは後回しだ。直感でわかる。いや“皇之眼”でわかる。今何をすればこの状況を打破できるか、手に取るようにわかる。




 スキル 皇之眼 数秒先の未来が見える。それも仮定的ではなく確定的なもの。さらに意識を極度に集中させる事で、今起こしたい事象に辿り着くための手順が分かる。




 俺は今まで力の入らなかった左手を握りしめて刀をしまう。


 そして、“臨界突破”で体力を極限まで削り、魔力を絞り出す。




 スキル 臨界突破 体力を全体の1%まで削り、代わりに全ステータスと魔力を一定時間特増幅させる。だが、その間いかなる手段でも体力を回復させることは叶わない。




 そうして“星詠廻転”と“魔法創造”を使い、後の“重力魔法”と呼ばれる魔法の基礎を世界から詠み取り、術式を組んで、発動寸前状態にする。


 そして、“皇之眼”で発動する方向、タイミング、力を見極め、隕石の推進力が上がりすぎる前に隕石が降ってくるベクトルと逆方向に“重力魔法”を発動させた。


 だが、この魔法は“臨界突破”で回復した俺の魔力をほぼ根こそぎ持っていき、そのくせあまりにも難易度が高すぎたため一瞬しか持たなかった。


 しかし、その一瞬により隕石の墜落を止められたことで俺の体が自由になり、動けるようになった。


 そして、“咒力特自動回復”で回復する端から“空歩”で隕石の側をなるべく早く通り過ぎ、城へと向かってギリギリで最上階の一つ下の階に届いた。


 そこからいつものように“偽装”、“闇無”を使ってラムラスの後ろに回り、背中に張り付く形でラムラスの首に刀を差し込んだ。


『経験値を獲得しました。スキル:偽装の経験値が規定値を超え、さらに条件をクリアしました。スキル:完全偽装を獲得しました』


 名前:日向 海斗

 種族:人魔族

 年齢:20

 Lv:1143

 ステータス:軀力121357

  咒力122385

  剛撃121480

  堅禦113256

  閃煌112308

  賢智125397

 スキル:

 《特》簒奪Lv.- 透破之魔眼Lv.-→New皇之眼Lv.- 宣実強制Lv.- 領域選定Lv.- 異憶復元Lv.- 魔法創造Lv.- 眷属創絆Lv.- 星詠廻転Lv.- 智慧完在Lv.- 呪詩刻印Lv.- 傲慢Lv.- 臨界突破Lv.- 古代樹の声Lv.- 異常耐皮Lv.- 異常耐腑Lv.- 見えざる手Lv.- New彗燼瀑隕Lv.- New憤怒Lv.- &¥:@¥?道Lv.-

 《武》剣聖術Lv.10 槍聖術Lv.10 弓聖術Lv.10 闘聖術Lv.10 斧聖術Lv.10 槌聖術Lv.10 棒聖術Lv.10

 《魔》獄炎魔法Lv.- 極氷魔法Lv.10 雷嵐魔法Lv.10 大地魔法Lv.10 自然魔法Lv.10 神聖魔法Lv.10 混沌魔法Lv.- 錬成術Lv.8 奴隷術Lv.7 賜与魔法Lv.10 魅了魔法Lv.10

 《耐》豪炎耐性Lv.7 極氷耐性Lv.5 雷嵐耐性Lv.10 大地耐性Lv.6 自然耐性Lv.4 神聖耐性Lv.5 暗黒耐性Lv.6 猛毒耐性Lv.4 特麻痺耐性Lv.5 昏睡耐性Lv.4 硬化耐性Lv.4 遮断耐性Lv.10 神気耐性Lv.10 畏怖耐性Lv.5 完全耐性Lv.-

 《常》完全感知Lv.- 軀力特自動回復Lv.10 咒力特自動回復Lv.10 統制Lv.5 剛力Lv.10 頑丈Lv.10 瞬動Lv.10 博識Lv.10 精密Lv.8 超嗅覚Lv.10 閃爪Lv.4 身代わりLv.3 夜目Lv.6 繁栄Lv.10 深化Lv.5 Up天眼Lv.10 虚言Lv.8 交渉Lv.8 暗殺Lv.5 遠投Lv.3 統糸Lv.2 秘書Lv.10 謀略Lv.6 環境適応Lv.5 思考分割Lv.8 水泳Lv.6 骨再生Lv.6 砂泳Lv.6 鼓舞Lv.10

 《能》New完全偽装Lv.- 全鑑定Lv.10 集団行動Lv.7 顎壊Lv.10 体臭操作Lv.1 妖幻Lv.3 融体Lv.9 千里眼Lv.6 自己再生Lv.6 物理透過Lv.6 死霊作製Lv.8 威圧Lv.6 念話Lv.6 無限倉庫Lv.6 罠創造Lv.3 罠無効Lv.4 異種伝心Lv.10 空歩Lv.6 水吐息Lv.4 火吐息Lv.4 風吐息Lv.6 同化Lv.9 魔炎糸Lv.6 炎纏糸Lv.5 魔氷糸Lv.5 魔嵐糸Lv.4 闇無Lv.7 狂化Lv.9 支配Lv.4 咆哮Lv.8 精力増強Lv.10 飛行Lv.8 水砲Lv.6 水刃Lv.5 骨眷生成Lv.5 砂砲Lv.7 地震Lv.5 研究Lv.8 入替Lv.10

 《武技》

 [剣]刹那Lv.10 反撃Lv.7 飛裂Lv.10 重斬Lv.8 閃断Lv.7

 [槍]風車Lv.4 閃雷Lv.5 重突Lv.7 磊落Lv.8 猛進Lv.6

 [斧]剛断Lv.7 壊震波Lv.6 柔盾Lv.9

 [闘]覇轟Lv.5 震空Lv.4 覇墜Lv.5

 [槌]重撃Lv.5 彗落Lv.4

 [棒]破突Lv.10 無身Lv.10 瞬破Lv.10 居落Lv.10 絶打Lv.10

 [弓]狙撃Lv.2 New纏矢Lv.10 New幻矢Lv.2 New剛射Lv.10 New天穿Lv.5

 《補》採取Lv.8 伐採Lv.7 農業Lv.9 採掘Lv.6 解体Lv.8 運搬Lv.4


 称号:簒奪者 強者食い 限界突破者 超越者 透破者 y&道¥&者 憶復者 星を識る者 智慧者 呪刻者 New七罪二者 臨界突破者 古代を訊く者 異に耐える者 武を知る者 魔を知る者 嗅知者 槍の寵愛 槍技覚者 剣の寵愛 嵐の寵愛 弓の寵愛 速の寵愛 嵐の加護 闘の寵愛 栄える者 力の寵愛 通ずる者 宣実者 域選者 全鑑者 全視者 魔創者 眷従者 炎の寵愛 氷の寵愛 地の寵愛 然の寵愛 聖の寵愛 闇の寵愛 魔の極致 闇覚醒 賜の寵愛 魅の寵愛 偽欺者 観看者 咒の寵愛 舞上者 識の寵愛 軀の寵愛 炎覚醒 棒の寵愛 剣技覚者 防の寵愛 破顎者 変替者 槌の寵愛 New弓技覚者 武の極地 不視手 New瀑滅者 /ク”ョ@ガ)-








 俺はラムラスを倒したことによって得た経験値やスキルを確認して、すぐに城外のサニアたちの元へ向かった。


「サニア!キノ!みんな!無事か?!」

「カイト!良かった!無事だったんだね!!うん、大丈夫だよ!ただ、上から落ちてきたユキの意識がまだ戻らないみたい...」


 今は回復を使えるテミスがつきっきりで看病しているようだ。


「わかった。俺も見に行くよ」


 ユキは上でラムラスの攻撃に直撃していた。その傷は脇腹が抉れ、肋骨といくつかの内臓がはみ出るほどだったのだ。


 その上ミユが被さり、城の最上階から落ちている。さらにキノから聞くに落ちる時の衝撃で死なないよう、地面に“自然魔法”で葉っぱのクッションを作ったらしい。


 あれだけの傷を負いながら、それだけのことを行ったのだ。気を失ってもおかしくはない。




 それから数時間、陽が落ちてもずっと俺とテミスが交代しつつ、看病をしたことで容態も安定し、一命はとりとめた。


 それを聞いたアサヒ達はまだ少し心配しつつも安心と眠気が勝ったようで今は眠りについている。


「主さま、今少しいい...?」

「どうした?サニア。今日はお前も頑張ってくれたから休んだ方がいいぞ?」

「うん、少しだけだから...」

「そうか、わかった。なんだ?」


 サニアは顔を俯かせ俺と目を合わせないまま話さない。


 だが、ラムラス達と戦う前から何か考え事をしていることには気づいていたので、急かしはしなかった。




「....主さま、わたし弱くてごめんなさい...。今日も何も出来なかった。頑張って修行したつもりだったけど、全然意味なかった...。ラミーが居なくなって、でもその仇に手も足も出なくって、部下にすらやられて...」


 最後の方はもう涙でほとんど声がかすれて出ていなかった。


 サニアは奴隷商にいた時から随分と変わり、とても優しい子になっていた。


 さらにミアともラミーとも仲良くしていたので、なおのこと今回の件は辛かったんだろう。


 俺はサニアがここまで考え込んでいることには気づいてやれなかった。


「わたしこのまま、主さまから離れて...」

「やめろ」


 俺は知らぬ間にサニアの頭に手を乗せ、抱き寄せていた。だいたい続く言葉は予想出来た、出来てしまった。


「ごめんな、気づいてあげられなくて。辛かったよな、苦しかったよな。ミアの時もラミーの時も、彼女たちが居なくなって俺が死にたくなるくらい辛い時もサニアは俺の隣にいてくれた。ミアやラミーと仲が良かったお前も同じくらい辛かっただろうに。俺は知ってるぞ、俺のために強くなろうとしてくれたこと。みんなを守れるように強くなろうととしていることを。だからサニアは弱くない。自分のことを弱いなんて言うな。ましてやいなくなるなんて...、サニアまで居なくなったら俺はもう気が狂っちまう。だからお願いだ、サニア。俺とずっと一緒にいてくれ、この先もずっと」


 サニアは俺の話を俯きながらも最後まで聴いてくれた。


 そして、最後に小さく頷いたことに少し嬉しくなって、サニアを強く抱きしめた。






 その頃、勇者たちにも1つの変化があった。


「アサヒごめんね、起こしちゃって。少しいいかな?実は...」








「ここまでだね、カイト。これから僕たちは王国に帰る。大変な時もあったけど、君たちといられて楽しかったよ」

「俺もだ、アサヒ。8人と少し大所帯だったが、いい旅だった。また、どこかで会えることを願うよ」

「うん、僕もそう思うよ。それで、ミユから話があるみたいなんだ。ミユ」


 アサヒに呼ばれてミユが出てくる。少し迷いつつも覚悟を伴った目だ。


「あのねカイトくん、お願いがあるの。その...、私もあなたの旅に連れて行って欲しい」


 俺は驚きつつもどこかで納得している部分があった。

 アサヒ以外初めて会った時から悪い印象など持ったことがない。なんならミユは俺とアサヒの勘違いを仲介してくれた恩人だ。


 悪印象になりようはずもない。そして、それはおそらくミユも同じだったのだろう。


 答えは当然、


「あぁ、いいぞ、俺たちで良ければ。こちらこそ、これからよろしく頼む」

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