表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒隻の簒奪者  作者: ちよろ/ChiYoRo
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/376

幕間〜勇者達の今頃は〜

「ついに明日は最後のAランクダンジョンだ!前回クリアしたAランクダンジョンとは一線を画すらしい。人によってはSランクとも言われているみたいだ!」


 僕は4人一部屋で借りている大きな部屋で彼女たちに宣言をする。


 王国を出発し、帝国の迷宮街で迷宮を攻略し始めてから半年以上が経っていた。


 僕たちはこの街にある10個のダンジョン全てをクリアしていっているわけではないが、半分以上はクリアした。


 そしてついに明日、この街に2つあるうちの最後のAランクダンジョンに挑戦する。そこをクリアすれば魔族領へと足を踏み入れても問題ないとイングラス王から勅命を受けていた。


「もう行くのかぁ〜?この間もう一個の方クリアしたばっかなんだから休もうぜ〜」

「そうしたいのは山々だけど、結構前トイトニス宗教国の教祖が暗殺されたって王様言ってたでしょ?それが実は新たに発見された魔王だったらしくて、それが原因で魔族領の魔王たちが活発化しているらしいのよ」


 そう、この世界で一番信者が多いと言われるベルズ教。その教祖が暗殺されたというだけでも大ニュースなのに、実は人間の宿敵である魔族の王だったのだ。


 これはイングラス王が直々に発表したのだが、誰も疑う余地が無かった。彼自身がトイトニス宗主国の主と友人だと宣言していたにもかかわらず。


 人族のほとんどが魔族を嫌っているにもかかわらずだ。


 それは熱心な信者たちでさえ、イングラス王の言葉を疑う事なく誰もが信じたのだ。


 だが、全く混乱がなかったわけではない。


 世界各地に存在していた教会は意味をなさなくなり倒壊。

 そして寄付という名の搾取を生活源にしていた司教たちも仕事をなくし、今までの鬱憤を晴らすかのように各地の住民に蹂躙されほとんどが帰らぬ人となった。


 また、その宗教の1番の被害者である獣人族たちは、拠り所を失い茫然自失となっている宗主国の人々や各地の信者たちに向けて戦いを仕掛けた。


 これは後に『解放聖戦』と呼ばれる。


 そして当然、正面から戦えば人間よりもはるかに優れた身体能力を持つ獣人たちには敵わない。


 実際、兵士や駆り出された冒険者たちの奮闘があったものの、約2ヶ月ほどで以前の宗主国は獣人やエルフなどの国となった。


 本来であれば獣人たちが国を乗っ取っても直ちに他国が押さえつけにかかるのだが、唯一、ベルズ教を国教としていなかった帝国が後見として立ち上がった。


 そして、帝国との関係悪化を恐れた王国もこれに賛同。


 3大国である内の2大国が賛同したため、その他の小国は反論の余地を掻き消された。


 また、その流れのまま『亜人』という言葉を始め、それまでの差別行為や罵倒をした際は厳罰に処す条文が2大国主導で新たに追加された。


 そうしてかつて亜人を虐げていた国はここに消え、新たに獣人たちの国『アライア』は建国された。


 その初代国王、後の【獣王】の名は『ライア』。そう、この国の名前は聖戦を率いて最後まで戦った、戦士の名前が刻まれたのだった。




 これがつい数ヶ月前までに起こったこと。


 ライアは無辜の民まで傷つける気は無かったようで、たとえ以前はベルズ教の信者だったとしても歯向かわない者には手を出さなかったらしい。


 それもあって僕たちは国王には呼び戻されず、修行の旅を続けるよう言われた。


 その時に迷宮街の高難度迷宮を全てクリアすればより難易度の高い魔物などがいる魔族領へ向かっても良いと言われたのだ。


 ただ、この帝国には少し不穏な空気が流れている。


 聞くと帝国周辺の小国が反旗を翻したらしい。だが、所詮大国である帝国には敵わないとみんな大して気にしていないようだ。


「でもよ〜、別に急がなくても...わかったよ!分かったからそんなに睨むなよ〜!」


 この世界に来てからすっかりミユに弱くなってしまったサアラは、ミユの視界から逃げるように布団に潜る。


「でも、サアラじゃないけど準備は出来ているの?この間のAランクダンジョンで、手持ちの殆どのポーションは使っちゃったけど...」

「それは大丈夫。昨日ミユたちが装備品を手入れしてもらっている間にユキと買ってきたから。それにその時リナナさんから明日向かうダンジョンの地図を譲ってもらったんだ」


 リナナさんとは、僕たちのパーティ『風の疾濤』がこの約一年お世話になっているギルドの専属受付嬢なのだ。


「あんたはまた...。まぁいいわ、今更だし」


 なぜかミユが頭を抱えているけれどなんでだろう?


 でもここでユキやサアラに聞いても教えてくれないことをこの半年で学んだのでそのまま流す。


 悔しくなんかない。ないったらない...!...ぐすっ


「そういうことだから今出来る準備は万端だよ。あとは今日中にある程度今の力を使いこなせるようにしないと」


 僕たちは先日のAランクダンジョンで、全員めでたく『進化』することができた。


『進化』(超越というらしい)したことでステータスが跳ね上がり、また新たなスキルも獲得した。


 それらの使い方をここ1週間ほど練習しているのだが、みんなそろそろ使い方を把握できそうだという。なので、あとは実戦練習だということで明日あたりに挑戦しようと思った次第だ。




 今の僕たちのステータスはこんな感じ。




 名前:アサヒ・シオヤマ

 種族:人間

 Lv:265

 スキル:炎海掌支Lv.- 万転神技Lv.- 豪炎魔法Lv.7 極氷魔法Lv.6 槍聖術Lv.6 剛力Lv.10 軀力特自動回復Lv.8 咒力特自動回復Lv.6 猛進Lv.5 重突Lv.5 磊落Lv.4

 称号:異世界人 炎海の支配者 限界突破者 超越者 嵐の名を識る者 転神の担い手


 名前:ミユ・ヤマザキ

 種族:人間

 Lv:237

 スキル:武制魔否Lv.- 万眼神技Lv.- 剣聖術Lv.6 槍聖術Lv.4 闘聖術Lv.6 棒聖術Lv.5 弓聖術Lv.4 斧聖術Lv.5 槌聖術Lv.5 看破Lv.6 予知Lv.6 天眼Lv.6 軀力特自動回復Lv.5 剛力Lv.6 頑丈Lv.6 瞬動Lv.7 崩天Lv.3 崩撃Lv.4 彗落Lv.2 無身Lv.2 瞬破Lv.4 絶破Lv.4 磊落Lv.2 閃断Lv.3 刹那Lv.5 幻矢Lv.2 纏矢Lv.1

 称号:異世界人 武の支配者 限界突破者 超越者

 眼神の担い手


 名前:サアラ・ノノザキ

 種族:人間

 Lv:246

 スキル:全世全環Lv.- 万壊神技Lv.- 時魔法Lv.3 槌聖術Lv.7 軀力特自動回復Lv.6 咒力自動回復Lv.5 剛打Lv.4 烈破Lv.5 超力Lv.4 彗落Lv.3

 称号:異世界人 時戻の支配者 限界突破者 超越者 壊神の担い手


 名前:ユキ・アマノ

 種族:人間

 Lv:225

 スキル:自天剪弾Lv.- 万癒神技Lv.- 亜空魔法Lv.6 弓聖術Lv.6 雷嵐魔法Lv.1 自然魔法Lv.4 神聖魔法Lv.5 暗黒魔法Lv.3 咒力特自動回復Lv.7 博識Lv.5 全鑑定Lv.3 千里眼Lv.4 天穹Lv.4 狙撃Lv.3 纏矢Lv.4

 称号:異世界人 樹空の支配者 限界突破者 超越者 癒神の担い手




 こんな風にみんな王国を出た時よりだいぶ成長した。


 また、4人ともに共通するようなスキルがあるのだが、これが超越した時に得たスキルだった。それぞれが得意分野を補助してくれるようなスキルだ。



 僕の場合はカウンターが得意なこともあり、相手の攻撃を反射するスキルだ。


 ただ僕がまだ未熟なのもあって、最大で倍返しまでしか出来ないけれど、極めれば威力を操作したり反射だけでなく方向なども操作できるようになると思う。



 ミユのは眼が良いということで、確定した未来予知や相手の弱点、また心の中で考えていることも読み取れるようなスキルらしい。


 ただ予知スキルのように自動発動ではないし、魔力をとても使うらしいので多用は出来ないようだ。


 しかし、予知スキルは自動発動でも結果が確定でないのに対し、“万眼神技”は確定なので使い勝手はいい。



 サアラは何も考えず暴れるのが得意なだけあって壊したい物に触れさえすれば壊せるというとんでもないスキルだ。


 これは自分の武器でも体の一部と捉えられるらしくサアラはリーチの長いハンマーを使っている。


 ただ、まだあまりうまく扱えていない。このスキルを取ってすぐの時は魔物に触れて壊そうとしていたけれど出来ていなかった。


 これから極めていけばまだ分からないが、今は動くものには発動させられないらしい。



 最後にユキはずっと俺たちの支援をしてくれていたこともあって、回復に特化したスキルだ。


 主に“神聖魔法”に一番、回復効果のある魔法が含まれているのだが、ユキの回復魔法は効果がまるで違う。


 初歩の回復魔法が本来なら切り傷を治す程度なのに対して、ユキのは体の欠損が無い限り全快する。そんなレベルのものだ。



 こんな風に僕を含めみんなとんでもないスキルを獲得したのだが、いかんせん全部とてつもない魔力を取られる。


 なので、みんなそのスキルは基本的には使わず、本当に危なくなった時だけ使うという決まりを作った。


 でないといざという時に魔力がなければ死んでしまうこともあるからだ。


 実際BランクダンジョンやAランクダンジョンで、危険な場面はいくつもあった。用心してもしすぎることはない。


 そして僕の称号にみんなにはない称号があるのだが、これはAランクダンジョンに潜っていた時、たまたま見つけた隠し部屋で獲得した武器のことだ。


 その時、地図には載っていなかったはずなのに僕を呼ぶような声がした気がして壁の方に行くと、そこは実際は壁ではなく道だったのだ。


 そして、そのまま見つけた道をまっすぐ進むと一本の槍が台座に刺さっていた。


 僕はまるで惹かれるようにその槍を掴むとおもむろに抜いた。それと同時にこの槍の銘を知り、その時にこの称号を獲得したのだった。


 その銘も『ロンゴミニアド』。


 神話やゲーム好きならみんな知っているであろう嵐を纏う槍の名前だ。


 この武器は神が創った武器【神創武具】と呼ばれるらしく、持ち主を武器が判断する。当然ランクは『創星級』。そして、普段は持ち主の体に収納され、銘を呼べば手に現れる。



 奇しくも僕はこの【神創武具】に選ばれたのだった。



「なぁ〜、アサヒ〜もう疲れたから寝ようぜ〜?」

「サ、サアラ!くっつくなよ!」

「いいじゃん〜、明日に向けて英気を養うためにもさ、一緒に寝・よ・う・ぜ?」


 サアラは僕とナニがしたいのか腕を絡ませベッドに押し倒そうとする。


 それをユキは面白そうに、ミユは呆れた顔で眺めている。


 僕はそんな積極的なサアラを拒めず、随分と早い夜を過ごしてしまった。

ブクマと感想、チャンネル登録よろしくね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ