表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒隻の簒奪者  作者: ちよろ/ChiYoRo
第2章
21/367

第19話 事件の予感

間違って同じ日に予約投稿しちゃったのでこのままあげちゃいます!今回は2話あるので読んでない方は一個前からどうぞ!

 次の日、俺たちはダンジョンに向かっていた。


 ギルドでダンジョンについて少し聞いたところ、見た目は同じでも外の魔物とは違う区別となり、スキルなども変わっているため、戦う際は注意が必要とのことだ。


 確かに他の冒険者にとって、見た目が同じでも敵の戦い方が違うと言うのは戸惑う原因だろう。


 だが、スキルを集めている俺にとっては朗報だ。


 俺たちはダンジョン前で身分証を確認しているギルド職員にギルドカードを見せ、中に入っていく。


 このダンジョンは鉱山がメインなためか難易度はそこまで高くないらしい。


 肝心の難易度は冒険者ランクと同じ、アルファベットで表され(不思議なことに)、上からS,A,B,C,D,E,Fとなり、このダンジョンはEランクとなる。


 ランクが高くなるとそもそもの階層が増え、その数はFランクで5階層、Sランクではなんと100階層となると言う。


 そしてこのSランクをクリアできたものは過去の英雄しかおらず、それもおとぎ話の中なので実際は存在しないのではないかと言われている。


 だが、Sランクだと推定されるダンジョンは存在するため、確証はないとのことだった。ちなみに俺たちがいるこのEランクは10階層である。



「俺たちは今回特にクエストは受けていないから取ってくる必要はないんだけど、ちょっと興味があるから鉱物を取りに行ってみようか。ピッケルも買ってきたしね」

「わかったわ...」

「やり方はわかる?」

「この鎌みたいなのでやるんでしょ?...こうやって...」

「そうなんだけど違う違う。ピッケルの横で引っ掻くんじゃなくて、ピッケルの先で岩を削って取るんだよ。...こうやって!」

「なるほど...そうやるのね...」



 サニアもしばらくやってコツがわかり、楽しくなってきた俺たちはひたすら鉱物を掘っていた。


 そして、もともと“採掘”のスキルを持っていたこともあり、かなりの量を取ることができた。


 また、サニアも“採掘”のスキルを途中で獲得し、さらに効率が上がったことも量が多い理由の1つとなった。




 名前:サニア・バードレイ

 種族:狐獣人

 Lv:127

 スキル:変幻碧尾Lv.- 水魔法Lv.8 迅爪Lv.9 俊敏Lv.7 闘術Lv.6 New採掘Lv.2

 称号:尾格者 限界突破者


 俺たちは採掘した鉄鉱石などに加え、ダンジョンにしか存在しない、青色に光るラストブルー鉱石や一定の刺激を与えると熱を持つレッドベルン鉱石などを持ってダンジョンを出ることにした。


 道中魔物は出たが、全て持っていたスキルの上、レベルが低いので足しにもならないと考え、全てサニアに倒させた。




 帰ってきた俺たちは早速、ギルドで持ってきた鉱石を換金しようとギルドに入ったところ何やらトラブルが起こっているようだった。



「なんでこれじゃ換金してもらえねーんだよ!ちゃんと依頼の品を持ってきただろうが!」

「だーかーらー、これじゃくず鉄にしかならないんです。砕きすぎなんですよ。適当に掘って持ってきてるのがバレバレです。だから買い取れません。今度からは砕けすぎないように持ってきてくださいと言ってますよね」

「しかたねーだろうが!こんな安物のピッケルを売ってるギルドが悪いんだろ?!」


 俺たちはあまり関わらないようにしようと、少し離れた場所のカウンターに換金しに行った。


 しかし、天は俺たちを見放したようだった...。


「おいおい兄ちゃん!なんでテメーのとこの鉱石はそんな綺麗なんだよ!お前、ギルドと繋がってんじゃねぇのか?!ギルドでしかピッケル売ってないのにそんな綺麗に取れるわけないだろ!」

「ふつうにやったら出来るよ。雑にやり過ぎなんじゃない?」

「あぁ?!俺がこれをどれだけやってきたと思ってんだ!ガキが粋がってんじゃねぇぞ!?そんな簡単に出来るもんじゃねえんだよ!」


 俺はめんどくさいと思っていたが、今の話を聞いてもしかしてこいつは“採掘”スキルを持ってないんじゃないかと思ったので、“鑑定”してみた。


 名前:レルクス・ギャング

 種族:人間

 Lv:26

 スキル:斧術Lv.2 戯言Lv.4


 案の定、“採掘”は持っていなかったが“戯言”という俺の持っている“虚言”の派生前のスキルを持っていた。


 なるほど。それで今までやり過ごしてきたわけか。それにそのスキルで騙せてこれたから“採掘”の技術を上げようと思わなかったわけだな。


「そうやって今まで言い逃れしてきたのか」

「あ、あぁ?何言ってんだよいきなり」

「残念だけど俺は嘘を見破るスキルを持ってるんだ。だからお前の言っていることが嘘なのもわかるんだよ。お前は今まで適当にやって、それを嘘をついて得をしてきたみたいだけど、やりすぎてもうあまり通じないみたいだな」

「あぁ?!な、何適当なこと言ってんだよ!?証拠なんざねぇだろうが!」

「だったら“鑑定”持ちとかの人に見せても大丈夫だよな。受付嬢さん、そういう人いましたら見せてあげてください。捕まえられると思いますよ」

「は、はい!ギルドに今ちょうどいるので言ってきます!」

「お、おい!ふざけんな!待てよ!おい!...テメェ、覚えとけよ」


 逃げた。“鑑定”したから名前分かるし、匂い覚えたから確実に見つけられるんだけどな。



 しばらくすると受付嬢さんがダンディな人を連れてきた。


「あ、あれ?!レルクスさんは?!は?逃げた!?またあの人!」

「さっき出て行ったばかりなんで捕まえられると思いますよ」

「はぁ...、...いえ、損害が出たわけじゃないですし忘れましょう」

「そんなんでいいんですか?またやると思いますよ?」

「...大丈夫です。あまり追わない方がいいんですよ。....噂だと彼を含めたパーティはこの町にいるって言われてる裏組織の一員なんだそうです。しかも領主とまで繋がってるとか」


 あまり関わらないほうがいいですよ。


 と、後半を小声で言いながら俺たちに忠告をし、別の冒険者のところへ行ってしまった。


 とりあえず俺はまた別の受付嬢さんに換金をしてもらい、ギルドを後にした。




 その後、俺たちは昨日と同じく防具を見て回っていた。



 その間飽きもせず、ずっと俺たちを付けている者がいた。そういう悪知恵は回るのか、そいつらの中にさっきギルドでトラブルになったレルクスはいない。


 サニアも鬱陶しそうにしているので、ここらで始末しようと思い、裏路地に入ると、前から2人と後ろには3人に囲まれた。


「さっきは兄貴がお世話になったみたいだなぁ。お前最近来たやつだろ?ここでのルールを知らずに俺らにケチつけちまうなんてついてねぇな!ギャハハ!」


 名前:サイネ・シード

 種族:人間

 Lv:31

 スキル:剣術Lv.4


 名前:サトナ・カード

 種族:人間

 Lv:22

 スキル:斧術Lv.2


 .......。


 全員見ていこうと思ったが、レベルは低い、スキルも少ないじゃ意味がない。


 この程度じゃもう食指も動かないし、すでにカンストしているスキルは取っても別のスキルに経験値が追加されるわけじゃないから取っても意味がない。


 まぁ当たり前なんだが。


 だからここはサニアに任せよう。最近任せすぎだな、ヒモみたいだ。.....楽しいからいいか。


「サニア、出来るだけスキルの練習しながら殺していいよ」

「主さまならそう言ってくれると思ってたわ...」

「お、なんだなんだ?嬢ちゃんが相手してくれんのか?もうちょい成長してくれたらどストライクなんだが別にいいか。ちゃんと楽し...ぐちょ」


 なんか変な声を上げながら首を蹴り折られている。そのままサニアはもう1人の方に死体を蹴り飛ばし、死体ごとウォーターカッターで心臓を貫く。


 そして後ろの3人は彼らの背中の方からサニアに向けて飛んでくるように水流を出し、1人ずつ飛ばしながら1人は爪で首を裂き、次は男の玉を蹴り上げ、サマーソルトで地面に叩きつけて頭を潰す。


 最後は飛んできた男と水流を迎え撃つ形で水流を出し、男を水で閉じ込め圧縮して潰した。


 ウォーターカッターを教えたら、サニアはさまざまな形で水を圧縮する方法を自力で覚え、今色々な方法を試していた。


「終わったわ...」

「スキルは上がったか?」

「特に上がらなかったわ...」

「そうか、まぁ急ぐこともないし気長にいこうか」

「そうね...でも早く強くなりたいわ...」

「なら明日はダンジョンの最下層まで潜るか?」

「行きたいわ...行きましょう...」

「わかったよ、じゃあ明日はサニアデーだね」

「サニアデー...?そうねサニアデーよ...」


 俺たちはそんな話をしながら宿に帰った。


 ちなみに俺の“予知”で気づいたが、俺たちを監視していたものがおり、戦いが終わったあたりから匂いが離れて行ったので追わなかった。


 まぁ喧嘩を売ってくるなら買うが、面倒ごとに首を突っ込むつもりはないからな。






 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー








「始末はできなかったか、まぁあの程度に負けられるなら面白くないしな。気付かれてはいないか?」

「はい。探すそぶりもなかったのでおそらく大丈夫でしょう」

「まぁ“偽装”と“鑑定”を持っているお前が言うならそうなんだろうが、くれぐれも気取られるなよ」

「はい。心得ております、頭」


 俺は部下が出て行った後、レルクスからの報告書にまた目を通していた。


 ギルドで嘘を発見するスキルを持っている男が出て、バレそうになったこと。こいつ自体は別に捕まろうが殺されようがどうでもいいが、俺のことまで知られるのは困る。


 この報告書も“偽装”している部下経由なのでそちらはあまり心配していないが、それとは別の報告書には、その男は嘘を見破るスキルを持ってはいないと書かれてある。


 見えたスキルは

 剣聖術Lv.5

 精密Lv.5

 体力自動回復Lv.7だったようだ。


 そう、どれもレベルは高いが、誰もが持つ可能性のあるスキルだ。嘘を発見するスキルではない。


 だが、その男は推測ではなく断定していたようで、 他にも俺の傘下の武器屋で似た男に脅されたとの話もある。


 温厚そうな見た目と伝え聞く中身が違いすぎる。


 考えられる可能性としては何かしらの、発見することが出来る称号を持っているか、“鑑定”持ちだが“偽装”持ちでもあり、ステータスを偽っていたかだ。


 俺の部下は“鑑定”の他に“気配感知”しかないので、上位スキルである“偽装”は見抜けない。


 しかし、うちの部下もレベルは俺と右腕に次ぐ3番手なのだ。弱くはない。


 それに、その男もレベルは53とあの若さにしては高いが、俺が恐れるほどではない。


「厄介なことにならなければいいが...おい」

「ここに」

「あいつだけじゃ不安だ。お前も見張っておいてくれ。お前なら近づかずとも見張れるだろう」

「頭の護衛はよろしいので?」

「あぁ、今は奴がいる。近くに置くには危険だが、いざという時には盾として使える。それにお前は俺が死ぬとでも思うか?」

「いえ、出過ぎた真似を致しました」

「お前の言葉なら聞くさ。いつも助かる。では頼むぞ」

「かしこまりました」


 そういうとすぐに奴の気配は消えた。奴なら失敗することもないだろう。


「カイト・ヒュウガねぇ。サテュラの守り神だっけか?さて、どんなもんかお手並み拝見といこうじゃねぇか」


ちよろという名前でYouTubeでゲーム実況してます!ぜひ時間ある時にでもそちらご覧ください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ