第16話 新たな領域
「さぁ...生きるか死ぬか。やってみようじゃないか」
俺はもうほとんどが視界に入るほどに迫ったゴブリンたちの軍団を確認し、魔力を練る。
そして、慎重に俺の持っていない光以外の魔法を組み合わせていく。
俺はすでに目の前の軍団すら見えないほど集中していたからか、全てが遅く感じる。
これは、今まで誰も挑戦したことすらない6属性の魔法の合成。
その中でも俺の中で一番レベルの高い“大地魔法”を主軸に置き、それに付随させる形で他の魔法を組んでいく。
最初は“大地魔法”の茶色、そこに“火魔法”の赤と“水魔法”の青、“風魔法”の黄色と“樹魔法”の緑、そして最後に“暗黒魔法”の黒を足すと、次第に目が見えなくなるほどの眩い光を放ち始めた。
『経験値を獲得しました。スキル:簒奪により取得経験値が半減します。スキル 集中がレベルアップしました。』
『経験値を獲得しました。スキル:簒奪により取得経験値が半減します。スキル 集中がレベルアップしました。』
『経験値を獲得しました。スキル:簒奪により取得経験値が半減します。スキル 集中がレベルアップしました。』
..........
『経験値を獲得しました。スキル:簒奪により取得経験値が半減します。スキル 集中がレベルMAXになりました。スキル 深化へと進化します。また、特殊条件をクリアしたことを確認しました。スキル 透破之魔眼を獲得しました。』
「...!!!」
俺はあまりの眩さと暴発させないことにいっぱいいっぱいで言葉も発せない。
そしてもはやあと数分で接敵するほど近くなったゴブリン軍団に向けて、慎重に狙いを定めた。
掌を広げ片腕を突き出し、俺は《左目》を開く。
その瞬間、視界は目の前の軍団だけでなく後続までの全てのホブゴブリンとホブコボルトが見通せるようになった。
残念なことにその中にホブゴブリンキングやロードたちはいないが、仕方ない。
俺は視界に収めたその軍団全てを射程に入れ、溜めに溜めた魔法を撃ち放った。
俺が放った拳大の魔法はすさまじい速度で飛んでいき、一番前にいたホブゴブリンに着弾すると、その瞬間世界は色と音を失った。
それから、どれほどの時間が経っただろうか、数瞬?数分?経って色と音が戻ってくると、目の前にはスキル無しでは見通せないほど、扇状に広く深く抉られた地面以外何も無くなっていた。
「は?」
やった本人である俺が言うのもおかしいが、これは俺がやったことなのだろうか。
いや、今も絶えずアナウンスが鳴っているので、俺がやった事は間違いないのだろう。だが、ここまでのものとは思わなかった。
俺の後ろでは町民たちを逃がそうとしていた門番たちや、我先にと逃げていた町民たちもみんな立ち止まり、唖然とした顔で緑豊かな平地だった場所を眺めている。
同じく俺も呆けていた時、目の前のはるか先に見覚えのあるシルエットがあった。
俺は“遠視”で確認するとあちらも唖然とした顔で目の前の惨状を眺めている、ホブゴブリンキングたちだった。
そして奴も俺を見つけたようで、先ほどまでの余裕綽々だった顔がだんだん憎しみと悔しさに染まっていく。
そして何かを喚いた後、部下を引き連れ森の奥へと帰っていった。
俺はそれを最後まで眺めて、報告のためにギルドマスターのところへと帰っていった。
「何をしたのかとても知りたいが、何があったのかだけを聞こう。何があった?」
「はい。全てのホブゴブリンとホブコボルトたちを魔法でなぎ払いました。そしたら地面とか色々無くなってました」
「うむ...わかった、もういい」
しばらく尋問のようなものが続いたが、町を救った事は事実なので、解放してもらえた。
そして、その頃にはみんなさっきのことは嘘だったかのようにいつも通りの街の雰囲気になっていた。
「ただいま、女将さん」
「だからなんだい、その女将さんって。とりあえずおかえり、ごはん食べれるからね」
「はーい」
部屋に戻るとサニアがいた。
「おかえり主さま...」
「ただいま、ちゃんと帰ってたんだね。いつのまにかどっかいっちゃうから心配したよ」
「ギルドから出た時にはぐれて、でも宿に戻れば確実だと思ったから...あとなんか急にいっぱいレベル上がった。何...?」
「あぁ、あとで説明するよ。俺も自分のことまだ把握できてないから」
名前:日向 海斗
種族:人間
年齢:18
Lv:194
ステータス:体力2453
魔力2962
攻撃1983
防御1962
敏捷2142
知力2371
スキル:Up超嗅覚Lv.10 噛み砕くLv.3→New顎壊Lv.8 器用Lv.7→New精密Lv.5 Up槍聖術Lv.10 Up剣聖術Lv.10 Up火魔法Lv.5 Up水魔法Lv.7 風魔法Lv.8→New雷嵐魔法Lv.10 Up樹魔法Lv.6 弓術Lv.4→New弓聖術Lv.10 鋼化Lv.5→New頑丈Lv.7 Up瞬動Lv.10 火耐性Lv.2→New豪炎耐性Lv.6 水耐性Lv.2→New極氷耐性Lv.3 風耐性Lv.1→New雷嵐耐性Lv.10 土耐性Lv.3→New大地耐性Lv.6 樹耐性Lv.3→New自然耐性Lv.4 光耐性Lv.2→New神聖耐性Lv.2 闇耐性Lv.2→New暗黒耐性Lv.4 Up毒耐性Lv.7 Up麻痺耐性Lv.8 斧術Lv.2→New斧聖術Lv.7 Up闘聖術Lv.10 Up繁栄Lv.10 集中Lv.1→New深化Lv.3 Up棒聖術Lv.8 睡眠耐性Lv.7→New昏睡耐性Lv.2 Up剛力Lv.10 直感Lv.7→New予知Lv.3 New闇討ちLv.1 New透破之魔眼Lv.-New異種伝心Lv.10 New石化耐性Lv.3 New阻害耐性Lv.4 New精神耐性Lv.4 New破掌Lv.6 New空歩Lv.4 New光魔法Lv.6 New槌聖術Lv.4 New震空Lv.4 New採取Lv.8 New伐採Lv.7 New農業Lv.9 New採掘Lv.6 New解体Lv.8
称号: 限界突破者 透破者 武を知るもの 魔を知るもの 嗅知者 槍の寵愛 剣の寵愛 嵐の寵愛 弓の寵愛 速の寵愛 嵐の加護 闘の寵愛 栄える者 力の寵愛 通ずる者
「どえらいことになった...」
まずレベルがおかしい。100を超えたレベルを持つ人なんて見たことがない。あのホブゴブリンキングも100に近かったが、はるかに超えてしまった。
あとスキルレベルがいくつかカンストし、色々な称号を手に入れた。そして武術、魔術を全て揃えた。
あとは、色々スキルに変化があったことだ。その中で一番わからないものは”透破之魔眼”だ。俺のスキルの中で2つ目のスキルレベルがないスキルだ。
だが、その前に色々見ていこう。
スキル 顎壊 歯を使った攻撃をしたときの攻撃力にさらに補正がかかる。また、かみつく攻撃で稀に即死が入る。
スキル 精密 手を使った行動にさらに補正がかかる。また、思考能力も向上する。
スキル 雷嵐魔法 嵐と雷を従えることができる。また、晴天でも嵐と雷を作り出すことが出来る。
スキル 弓聖術 弓の扱いがさらに向上する。また、遠距離での攻撃に補正がかかる。
スキル 頑丈 防御力にさらに補正がかかる。また、痛みに強くなる。
スキル 豪炎耐性 火属性にさらに耐性がつく。
スキル 極氷耐性 水属性にさらに耐性がつく。
スキル 雷嵐耐性 風属性にさらに耐性がつく。
スキル 大地耐性 土属性にさらに耐性がつく。
スキル 自然耐性 樹属性にさらに耐性がつく。
スキル 暗黒耐性 闇属性にさらに耐性がつく。
スキル 神聖耐性 光属性にさらに耐性がつく。
スキル 斧聖術 斧の扱いがさらに向上する。また、筋力に補正がかかる。
スキル 深化 集中力がさらに向上する。また、その状態での行動全てにわずかに補正がかかる。
スキル 昏睡耐性 さらに眠らされにくくなる。
スキル 予知 敵意や害意への反応がさらに鋭くなる。また、数秒先を感知できるようになる。
スキル 透破之魔眼 特別な条件下でのみ獲得できるスキル。極度の集中が必要だが、見たい場所までの全ての障害物を無視して俯瞰し、攻撃でき、さらにその攻撃に特大の攻撃力補正がかかる。
スキル 異種伝心 自分と違う種族と意思疎通ができる。相手がこのスキルを持っている必要はない。
スキル 石化耐性 石化に対しての耐性を得る。
スキル 阻害耐性 精神攻撃を阻害する攻撃に対して耐性を得る。
スキル 精神耐性 精神攻撃に対して耐性を得る。
スキル 破掌 闘術の武技。掌底の威力を増大させる。
スキル 空歩 スキルレベルの数だけ空中を歩くことができる。
スキル 光魔法 光を使った魔法を扱うことができる。また回復魔法も使えるようになる。
スキル 槌聖術 槌の扱いがさらに向上する。また、打撃に補正がかかる。
スキル 震空 闘術の武技。空間を振動させて攻撃する。
スキル 採取 採取行動をしやすくなり、取っていいものやいけないものが分かるようになる。
スキル 伐採 木を切ることに補正がかかる。
スキル 農業 農作行動にさらに補正がかかる。
スキル 採掘 採掘行動をしやすくなり、どの辺りを掘れば取れるか分かるようになる。
スキル 解体 解体行動に補正がかかる。
ここからは〈称号〉だ。
称号 限界突破者 レベル100を超えたものに与えられる称号。ステータスに補正がかかる。
称号 透破者 透破之魔眼を得たものに与えられる称号。
称号 武を知るもの 全ての武術を会得したものに与えられる称号。レベルを最大まで上げると他の武技を扱うことが可能になる。
称号 魔を知るもの 全ての魔法を会得したものに与えられる称号。レベルを最大まで上げると他の魔法と細かく組み合わせられる。
称号 嗅知者 匂いの感知を極めた証。ほぼ全ての匂いを判断できる。
称号 槍の寵愛 槍を極めたものは槍神に愛されるだろう。
称号 剣の寵愛 剣を極めたものは剣神に愛されるだろう。
称号 嵐の寵愛 嵐を極めたものは嵐神に愛されるだろう。
称号 弓の寵愛 弓を極めたものは弓神に愛されるだろう。
称号 速の寵愛 速を極めたものは速神に愛されるだろう。
称号 嵐の加護 嵐の守りを極めたものは嵐神に護られるだろう。
称号 闘の寵愛 闘を極めたものは闘神に愛されるだろう。
称号 栄える者 種族を最も栄させられるものに与えられる称号。
称号 力の寵愛 力を極めたものは力神に愛されるだろう。
称号 通ずる者 自分と違う種族の者との疎通をしやすくなる。
「これで、全てか...増えたなぁ。戦略を練るのが大変そうだ」
“透破之魔眼”
これは通常では手に入れられないスキルだからかハイリスクハイリターンな効果だ。
まぁ、リスクというよりかは過程だろうか。極度の集中というのはあの魔法を合成させたときのことだろう。
だが、正直あれをもう一度やれと言われてもできる気がしない。もう少し試しながら調べていくしかないな。
「終わった?主さま...」
「あ、あぁ、終わったよ。説明しようか。俺はもともとあのゴブリンたちの町から帰るときに一応策を考えてはいたんだ」
「あの真っ白の魔法...?」
「そう。でも、できる自信がなかった。失敗して死にたくはなかったしね。でも考える時間をゴブリンたちに奪われてしまったから、やるしかなかった」
そうして俺があの場で何をしたか、その結果どうなったかをサニアに説明した。
名前:サニア・バードレイ
Lv:127
ステータス:体力1938
魔力1635
攻撃1235
防御1064
敏捷1421
知力1128
スキル:変幻碧尾Lv.- 水魔法Lv.7 迅爪Lv.9 俊敏Lv.5
称号:尾格者 限界突破者
当然、パーティを組んでいるサニアにも経験値が入り、とんでもないステータスとレベルになっていた。
うすうす感じてはいたがサニアの持っている〈尾格者〉は経験値増加の効果があるようだ。成長補正とはそういうことなのだろう。
...それに今気づいたが、最初に会った頃より尻尾の数が増えているな...。
会った頃は一本だったのが今は3本になっている。ということはおそらく50レベルごとに増えているのだろうか?
「尻尾が増えたな」
「増えたわ...それに増えたら力が増した気がするの...」
「おそらく称号の尾格者の効果だろうな」
「もっと強くなったら役に立てる...?」
「あぁ立てるぞ、それに今でも役に立ってる」
「そう、よかったわ...。お肉食べたい...」
「そうだな、食堂に行くか」
ひと段落した俺たちは食堂に向かい、いつものようにご飯を頂いた。
あれから1週間経ったが、未だにホブゴブリンキングたちが攻めてくることはなかった。
そして、次第に町の人たちもえぐれた地面に慣れていき、少し不便なものの新たに道も舗装され始め、町は通常運転になっていた。
そして、あの町が崩壊する恐怖も次第に薄れてきているようで、それに比例して町を救った俺は英雄のような扱いを受けていた。
だが、1つ気になるのはキュレイの様子がおかしいことだ。
もともとキュレイは、俺と盗賊団の討伐任務から帰ってくる時から少し距離を感じ始めていたのだが、そこまであからさまではなかった。
しかし、あのゴブリン殲滅から目に見えて俺を避けるようになってしまった。
さらに、自分のパーティメンバーやティサネさん、他の冒険者たちに俺の陰口のようなものを言っていた。
結構悲しかったが、他の冒険者はまだしもティサネさんはそれを信用しておらず、もともとキュレイを避けていたティサネさんは余計にキュレイを避けるようになった。
「何か嫌われるようなことをしたのかもしれないな...。あまりもう関わらないようにした方がいいか。それならそろそろ町を出るかな」
いずれは出るつもりだったが、こんな理由で決断するとは思っていなかった。
痛む胸を押さえつつ、再度ギルドマスターから呼び出しを受けていた俺はギルドへと向かった。
名前:日向 海斗
種族:人間
年齢:18
Lv:194
ステータス:体力2453
魔力2962
攻撃1983
防御1962
敏捷2142
知力2371
スキル:簒奪Lv.- 鑑定Lv.5 超嗅覚Lv.10 偽装Lv.2 暗黒魔法Lv.1 顎壊Lv.8 看破Lv.1 身代わりLv.3 統率Lv.4 精密Lv.5 集団行動Lv.5 槍聖術Lv.10 剣聖術Lv.10 体臭遮断Lv.9 火魔法Lv.5 水魔法Lv.7 雷嵐魔法Lv.10 大地魔法Lv.4 樹魔法Lv.6 弓聖術Lv.10 幻惑Lv.4 融体Lv.3 遠視Lv.4 頑丈Lv.7 瞬動Lv.10 豪炎耐性Lv.6 極氷耐性Lv.3 雷嵐耐性Lv.10 大地耐性Lv.6 自然耐性Lv.4 神聖耐性Lv.2 暗黒耐性Lv.4 毒耐性Lv.7 麻痺耐性Lv.8 夜目Lv.3 体力自動回復Lv.7 自己再生Lv.6 斧聖術Lv.7 魔力自動回復Lv.5 物理透過Lv.6 死霊作製Lv.8 闘聖術Lv.10 繁栄Lv.10 深化Lv.3 棒聖術Lv.8 昏睡耐性Lv.2 錬成術Lv.8 威圧Lv.6 良識Lv.8 念話Lv.6 心眼Lv.8 奴隷術Lv.7 虚言Lv.4 交渉Lv.5 限倉庫Lv.9 罠作成Lv.9 剛力Lv.10 予知Lv.3 闇討ちLv.1 透破之魔眼Lv.- 異種伝心Lv.10 石化耐性Lv.3 阻害耐性Lv.4 精神耐性Lv.4 破掌Lv.6 空歩Lv.4 光魔法Lv.6 槌聖術Lv.4 震空Lv.4 採取Lv.8 伐採Lv.7 農業Lv.9 採掘Lv.6 解体Lv.8
称号:簒奪者 強者食い 限界突破者 透破者 武を知るもの 魔を知るもの 嗅知者 槍の寵愛 剣の寵愛 嵐の寵愛 弓の寵愛 速の寵愛 嵐の加護 闘の寵愛 栄える者 力の寵愛 通ずる者




