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いざ、ゲームの世界へ!

 わたしはすぐにでもWEFの世界へと旅立ちたかったのだが、朔夜によると色々と準備が必要らしい。

 ゲーム機に手をかざしながら、情報を色々と読み取っている。……電子機器の情報も読み取れるんだね。万能感半端ない。わたしは小腹が空いたので、激辛ラーメンをすすりながらぽちぽちと朔夜の新画像をアップしていく。炎上上等ということだったので、もう遠慮はしない。


「……なるほど。この物語の内容は理解した。そうだな、其方には私が夢を渡った時の様に、意識体となってもらおう。肉体を持ったまま異なる世界を移動するのは難しい。それから、いくら意識体とは言っても攻撃を受ければ消滅する事もある。それを防ぐために”ちーと能力”というやつも授けてやろう。私はここで其方の肉体の番をしておく。なに、私の事は心配するな。日の光と水さえあれば生きてゆける。力も順調に集まっているしな。あとはそうだな、時間の進み方も調節しておこう。目的を果たすまでに何年かかるかわからぬが、人の寿命は短いからな……戻った時に周りが見知らぬ者ばかりでは嫌であろう?」


 そうですね、浦島太郎は勘弁です。真面目な話、仕事もあるし、あんまり長い時間不在にはできないかな。わたしは上司に「たちの悪い風邪に罹ったみたいなので、治るまでしばらく休みます」とメールしておいた。体調管理が! 社会人としての心構えが! と、またしても怒られたが、一応の了解をもらえた。


 家族にも連絡をしようかと思ったが、余計な心配をかけたくないので、悩んだ末に黙っていることにした。


 寝室のハンガーにかけられた洋服に袖を通し、準備は万端だ!


「ん? わざわざ着替えたのか?」

「はい! 形から入るのも大事かと思いまして!」


 わたしはWEFの村娘の衣装に着替えていた。来月行われる予定のオフ会はドレスコードが「WEFの登場人物」という設定だった。やはりメインキャラクターの恰好が定番だが、見た目が地味なわたしは気が引けてしまい、それでもオフ会に参加したい! と悩んだ結果制作したのがこの村娘の衣装だ。五万という製作費を掛けただけあって出来栄えも良い。愛着もひとしおだ。まぁ内四万はミシン代なのだけれど。


「準備ができたのなら寝床に入りなさい。其方の夢とあちらの世界をつなごう。今回は深い眠りに落ちたとしてもつながりが切れることはない。目的を果たすか、私の力がなくなるまで戻ってはこれぬと心に刻みなさい」

「はい!」


 素早い動きでベッドへと移動し、布団に入る。入眠の速さに定評があるわたしは、興奮した気持ちとは裏腹に早くも瞼が落ちてくるのを感じた。外はすっかり夜になっていた。


「私の眷属となった其方には、語り掛ければどこにいても私の声が届く。逆もまた然りだ。困ったことがあれば連絡しなさい」


 うとうとし始めたわたしに、なおも朔夜は話を続けていた。──って、ん? 眷属って何?


「……あの……眷属って……」


 だめだ。気にはなるが、睡魔の方が強い。瞼は重くて開かないし、言葉もはっきりとしゃべれない。


「む、伝えていなかったか? 私の力を満たした時点で其方は……」


 ──朔夜はまだなにか言っていたが、次第に声は遠のいて行き、わたしは意識を手放した。



ちょっと短いですが、今回はここまでで。いよいよゲームの世界に突入です!

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