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旭日の西漸 第3部 異界の十字軍篇  作者: 僕突全卯
第5章 甘美なる恩寵
47/51

Amazing Grace Ⅱ

3月3日 ギフト山林地帯 山岳砦第2層(地上2階)・司令室


「何だ今の音は!?」


 突如、同時多発的に聞こえてきた爆発音に、アルフォンは大きく目を見開いた。彼の側に立っていたスリガンも、突然の事態に驚きを隠せない。


「南見張り所からの音信が途絶えました!」

「西見張り所の音信も断絶!」

「敵のものと思しき飛行物体を複数確認、砦の周囲を旋回しています!」


 信念貝による通信を司る“音信兵”たちが、今の状況について報告する。砦の周囲の監視を行っていた隊との連絡が次々と絶たれ、外部の情報が一切入らなくなってしまったのだ。更には敵の航空兵器によって空から取り囲まれてしまっていた。


「敵の襲撃には間違い有りません! さらに、連絡の途絶は全方位にて同時多発的に発生しております。となれば、既に包囲されている可能性が高い!」


 音信兵は現在の状況を推察する。突然の敵襲、その事実を前にスリガンの顔色はどんどん悪くなる。


「とりあえず情報を集めろ!」


 彼の指示を受け、音信兵は更なる情報収集と現状の把握に努める。数多の信念貝が鳴り響き、人の言葉が行き交う司令室は、明らかに混乱の様相を呈していた。


「・・・」


 敵襲を受け、騒々しく慌てふためいている彼らの様相を、アルフォンは椅子に座ったまま、ただ呆然と眺めていた。




砦内部・第3層(地上1階)


 砦の出入り口を閉ざす大扉の前に、銃を抱えて立つ1人の兵士が居た。彼が背を向けている大扉を隔てた砦の外では、仲間の近衛兵たちが外敵の見張りを行っている筈だ。


「こちら正門前、・・・異常はありません」


 彼は短距離用信念貝を用いて、侵入者の類が居ないことを報告する。その時、右の方で発した微かな物音が彼の鼓膜を刺激した。


「・・・?」


 その兵士は音のした方へ視線を向ける。その瞬間、突然背後に現れた何者かによって、彼は口を塞がれてしまった。


「ウッ・・・!」


 兵士は必死に抵抗しようとしたが、その直後に背中の奥深くに激痛が走り、意識が遠のく。


「・・・!!」


 ナイフで背中を一突きにされたその近衛兵は、程なくして息絶えた。背中から流れ出る赤い血が、ナイフの刃を伝ってポタポタと床に落ちる。彼を殺害した緑斑模様の兵士は、ナイフを抜き去ると死体となった兵士を床の上に横たえ、その懐を探って大扉の鍵を奪う。


ガガガ・・・


 砦の大扉が開けられる。その向こうから姿を現したのは、鍵を奪った兵士と同じく斑模様の服を着た、数多の自衛隊員と海兵隊員であった。

 彼らの足下には血を流して倒れた近衛兵たちの死体が転がっている。扉の向こう側で外敵の襲撃に備えていた近衛兵たちは、先程の兵士が背中から一突きにされる数分前に、既に無力化されていたのだ。

 小銃を携えた彼らは、身を屈めながら素早く、そして次々と砦の内部に流れ込む。


『順次全階層を制圧し、目標を発見し次第直ちに拘束。絶対に殺すな、身柄を確保しろ』


 各員が持つ携帯型無線機に、82式指揮通信車に乗る総指揮官からの命令が伝達される。彼ら司令部は砦から4km程離れた場所に陣地を形成していた。

 砦の内部に突入した第二普通科隊に属する自衛隊員、そしてアメリカ海兵隊員たちは10人前後の分隊・班単位に分かれ、蟻の巣の様に多くの分かれ道と部屋がある砦の内部で、効率よく分散していった。




第3層(地上1階)・南側の一画


 マスケット銃の様な銃器で武装している2人の近衛兵が居る。彼らが立っていたのは自衛隊が突入した大門から2つ曲がった先にある食料庫の前だった。

 岩山の中をくり抜いて作られた砦の内部は昼間でも薄暗く、等間隔に設置されたランプの明かりが通路を朧気に照らしている。


「おい・・・応答しろ!?」


 大門の警備をしていた兵士と、短距離用信念貝で連絡を取り合っていた一方の兵士は、その音信が途絶したことに気づき、大いに焦る。

 彼らが異常事態を察知したその時、通路の向こう側から何かが転がってきた。


「何だ、これ・・・?」


 我々の世界の人間であれば、目の前に転がってきた手榴弾を見れば一目散に逃げるだろう。しかし、手榴弾を見たことが無い彼ら2人は、それが何なのか分からず、ただ呆然と立っているだけだった。

 故に2人がその正体を理解したのは、足下に転がっていたそれが閃光を爆音を放った瞬間だった。


ドカアァ・・・ン!


「ギャアァア!」


 手榴弾が爆発し、それから放たれた爆炎と飛散する破片が食糧庫の前に立っていた2人の近衛兵を襲う。彼らの意識はそこで途切れた。


「・・・行け!」


 爆煙が晴れ、2人の兵士を無力化したことを確認した隊員のハンドサインに続いて、十数人の自衛隊員が通路の角から飛び出し、2つの死体を飛び越えてその先へと進む。


「ニホン軍の襲撃だ! 総員直ちに迎え討て!」


 敵の襲撃を知り、アルフォン側も反撃する為の行動を取る。十数人の近衛兵たちが、進撃を続ける自衛隊員の道中に待ち伏せしていたのだ。


(ニホン兵です・・・こちらへ接近中、数は10以上!)

(了解!)


 敵の姿を確認した兵たちは、通路を走る自衛隊員の目からは死角となる場所に隠れながら、手にしている銃に弾丸と火薬を込め、接近する自衛隊員に向かってその銃口を構える。


「銃構え、ってえ!」


ダダダッ!


「うわっ!」


 死角から突如現れた近衛兵たちによって放たれた弾丸を前に、自衛隊員たちは堪らず足を止める。数名の隊員は身に纏っている防弾チョッキではカバーしきれない腕や脚に被弾してしまう。


「発砲してきたぞ、身を隠せ!」


 不意打ちを掛けてきた敵の視界から逃れる為、隊員たちは被弾した仲間の身体を引っ張りながら通路の影に隠れる。

 その隙を突いて、近衛兵側は再び身を隠し、弾丸の再装填を行う。


「再装填の隙を与えるな、手榴弾!」


 この班を率いる岡島純三等陸尉/少尉はジェスチャーを交えながら、発砲して来た敵兵へ向かって手榴弾を投げろという指示を出す。名指しされた隊員は持っていた手榴弾のピンを抜くと、弾込めの最中である敵兵の方へ放り投げた。


ドカアァ・・・ン!


「ギャアあァアぁぁ!」


 強烈な爆発音と共に断末魔が響き渡り、天井からパラパラと土が降ってくる。直後、隊員たちは身を隠していた物陰から一斉に飛び出し、敵兵が居た場所へと向かった。そこにあったのは、手榴弾が放った衝撃波によって殺傷された近衛兵達の遺体だった。

 彼らの骸をまたいで更に先へ進むと、地下へ進む階段が現れた。岡島三尉は無線機を用いて各班に報告を入れる。


「こちら2班、敵兵と交戦後、地下1階へ続くと思しき階段を発見」

『こちら紫藤、了解。2班はただちに地下の捜索へ向かってくれ』

「了解、我々は直ちにB1Fへと向かう」


 砦制圧部隊の指揮官である紫藤一尉の指示を受けた岡島三尉は、隊員を引き連れて地下へと続く階段へ足を進める。

 階段の続く先は通路以上に薄暗く、この先に化け物でも待ち構えているのではないかという予感さえ頭を過ぎってしまうほど薄気味悪かった。


『崩落の恐れがある。手榴弾は成るべく使うな』


 階段を下りていく2班の耳に、紫藤一尉から全隊員へ送られた命令が聞こえて来た。程なくして第4層(地下1階)に到達した岡島率いる2班は、敵に隙を見せない様に互いの背中を守りながら、新たな階層の中を進む。




第2層(地上2階)・司令室


「ニホン軍の急襲です! 既に第3層(地上1階)はほぼ制圧された模様!」

「第4層(地下1階)にも敵兵を確認、現在応戦中です!」

「現在、第2層へ続く階段付近で敵兵と交戦中、間も無く突破されます!」


 机の上に並べられた信念貝を通して、砦内部の各地点から届けられる現状報告を、音信兵たちは次々と口に出していた。

 全隊の指揮を執るスリガンは、それらを余すことなく両耳に入れる。


「第3層は破棄! 第2層へ上がる階段にバリケードを構築せよ!」


 彼の指示によって、自衛隊によってほぼ制圧されていた地上1階の破棄が決定された。これによって2階へ続く階段は封鎖される。


「占拠は時間の問題か・・・! 退避路の捜索はまだか!?」


 作戦進行能力、進撃速度、そして練度、あらゆる面において自軍を凌駕する敵の能力を前にして焦燥感に駆られるスリガンは、近くに居た文官に声を荒げて尋ねた。


「はい・・・その様な類のものは結局の所、確認されておりません・・・」


 その文官は震えた声で答える。彼らが話しているのは、砦の中のどこかに有る筈である“抜け道”のことだった。

 通常、いざと言う時に備えて、君主や領主の住む城や砦には秘密の退避路が存在するものだ。しかしこの山岳砦は元が500年前の遺跡であるため、アルフォンやスリガンたちにとっても内部構造については未知の部分が多く、その様な抜け道の存在は確認出来なかった。

 そもそもこの砦には物資の補給を行う数日間しか滞在せず、明日には次なる拠点に出発する予定であった為、わざわざ内部の全容を把握する必要性も無かったのだ。


「窓からロープを垂らして逃げようにも、それではかなり無防備な状態で、敵の空飛ぶ羽虫に発見されてしまう・・・」


 現状で思い浮かぶ唯一の脱出方法である、“2階の窓からの脱出”が不可能であることに、スリガンは苛立ちを募らせる。砦の周辺では対地攻撃を行ったコブラ(AH-1S)や偵察ヘリであるオメガ(OH-1)が飛び回っており、砦の様子を外から監視していたからだ。


「くっ・・・どうすれば!」


 何をどうすれば良いのか分からないこの現実に、スリガンは右拳を握り締め、怒りと焦りの感情のまま、それを机の上に叩き付けた。その時・・・


「・・・?」


 スリガンは目を丸くする。今まで沈黙を保っていたアルフォンが突如椅子から立ち上がり、扉の方へ向かって歩き出したのだ。司令室から出て行こうとする彼を、スリガンは咄嗟に呼び止める。


「父上、どちらへ!?」


 息子の問いかけにアルフォンは足を止めるも、振り返えることなく、彼に一言だけ伝えた。


「スリガン、後を頼む・・・」


「!」


 アルフォンが発した言葉、そして彼自身の様子から、アルフォンが何をするつもりなのかを察したスリガンは、焦りを湛えていた表情を整え直す。


「分かりました・・・。神に宜しくお伝え下さい」


 息子が発した予想外の言葉に微かな微笑みを浮かべながら、アルフォンは司令室と通路を隔てる扉の向こうへ消えて行った。




第3層(地上1階)・階段前


 スリガンとアルフォンの身柄がある第2層(地上2階)へ続く階段は、急ごしらえのバリケードによって塞がれている。その向こう側に隠れる近衛兵たちは、バリケードの隙間から銃弾やウロスボウの矢を自衛隊員に向かって浴びせていた。

 階段への入口の両脇に身を隠す自衛隊側も、負けじと小銃で応戦するが、盾の向こう側に隠れる近衛兵たちにダメージは中々通らず、階段攻防戦は激しい銃撃戦の様相を呈していた。


「予想以上に反撃が厳しいな・・・!」


 この場の指揮を執っていたのは、アメリカ海兵隊のリチャード=ディアス少尉だ。彼は敵の飛び道具を避ける為、バリケードの向こう側に居る近衛兵たちの死角に身を隠しながら、敵が繰り出す攻撃の激しさに辟易としていた。

 その時、彼ら海兵隊とは入口を挟んで反対側の壁に身を隠していた自衛隊員が、階段の上から何かが転がって来たことに気付いた。丸くて黒く、かすかな煙の匂いを発していたそれの正体を、その隊員は瞬時に理解する。


「・・・焙烙火矢(手榴弾)だ!」

「!!」


 彼の叫び声を聞いた隊員たちは、すぐにその場から退避する。第3層に着地したそれは、直後、赤い閃光を放った。


ドンッ!


 鈍い爆発音と爆煙と共に、火薬を覆っていた陶器の破片や練り込まれていた金属片が辺りに飛び散った。何人かの隊員は破片を食らって負傷してしまう。


「大丈夫か!?」


「は、はい。大したことはありません・・・」


 ディアス少尉は脚を負傷した部下の様子を見る。致命的な傷では無いだろうことに胸を撫で下ろすが、戦闘の継続は明らかに不可能だった。

 怪我を免れた者たちは負傷した仲間の身体を後方まで移動させ、現場に駆けつけていた衛生科隊員たちがその応急処置を行う。


「くそ・・・やりやがったなぁ! 22mmライフルグレネード用意、バリケードに向かってぶっ放せ!」


「了解!」


 応急処置の傍らで、ディアス少尉の攻撃命令を受けた海兵隊員2名が22mmライフルグレネードを抱え、敵が構築したバリケードの前に飛び出し、間髪入れずに発射した。

 擲弾の爆発による危害を避ける為、2名の海兵隊員は擲弾が銃口から飛び出すと同時にその場から離れ、爆風や破片が及ばない場所に身を隠す。


ド、ドカアァ・・・ン!


 バリケードに激突した2発の擲弾が爆発し、爆風に乗った土煙とバリケードの破片が身を隠していた隊員たちの横を掠めていく。

 断末魔が響き渡った後、銃とクロスボウによる攻撃が止んだことを確認したディアス少尉は、階段入口の両脇に潜んでいた日米の隊員たちに向かって、ハンドサインと共に指示を出す。


「突撃!」


 上官の命令を受け、物陰から一斉に姿を現した隊員たちは、煙が舞い、バリケードと人の残骸が飛び散る階段を駆け上る。途中、深手を負いながらも息があった2人の近衛兵を手際よく射殺しつつ、ディアス少尉率いる13班に属する日米の隊員たちは、ついに敵の司令室がある第2層(地上2階)へと辿り着いたのだ。

 ディアス少尉は身につけていた無線機を通じて、指揮官に報告を入れる。


「こちら13班、地上2階へ到達した!」

『こちら紫藤、了解! 直ちに地上2階の制圧を行え』


 第3層(地上1階)にて砦制圧部隊の指揮を執る紫藤一尉は、第2層(地上2階)へ到達した13班にさらなる指示を与える。その直後、彼は全隊員に向かって追加の通告を発信した。


『非戦闘員による攻撃行為が確認された為、これより先は非戦闘員に対する無条件発砲を許可する』

「ザッ・・・了解」


 指揮官からの通信が途切れる。制圧部隊の中で一早く第2層(地上2階)に到達した13班は、ディアス少尉に率いられながら第2層の中を進む。




第4層(地下1F)・東の区画


 第4層(地下1F)の一角に、涙を流す1人の侍女の姿がある。彼女はとある近衛兵の遺体を両手で掴み、それを地面に引き摺りながら歩いていた。


「嘘よ・・・リベール! うぅ・・・お願い、目を覚まして!」


 彼女の両目からこぼれ落ちる涙が、冷たくなった近衛兵の上にこぼれ落ちる。彼女が引き摺っていた遺体には、4つの銃創が深く刻み込まれていた。

 涙声を発しながら通路を進むその侍女を、1つの銃口が標的として捉えている。彼女に89式小銃を向けていた自衛隊員は警告を述べた。


「武器を捨て、両手を上げろ!」


「!!」


 突然の警告に驚いたその侍女は、声が聞こえた方へ視線を向ける。彼女はそこで初めて、斑模様の兵士が自分へ銃口を向けていることに気付いた。


「ニホン軍・・・!」


 憎き敵の姿を目の当たりにしたその侍女は、両手を上げるどころか隠し持っていた短剣を何処からか取り出し、自身に銃口を向けるその隊員に向かって突撃した。


「え・・・」


 予想外の事態に隊員は思わず怯む。彼が動揺している隙を突き、侍女はその懐に向かって一気に迫った。


「何やってる!」


 小銃の引き金を引くことも出来ず、自身に迫る脅威に対して何もせずにいた隊員の背後から、もう1人の自衛隊員が姿を現した。彼は固まっていた後輩の肩を掴んでその身体を脇へ押しのけると、短剣を振りかざす侍女に拳銃を向け、容赦無く引き金を引いた。


ドンッ!


 9mm拳銃から放たれた弾丸は、正確に侍女の胸を貫いた。彼女は短剣を掴んだまま地面の上に倒れ込む。


「・・・」


 押しのけられた隊員は一連の様相を見て呆然としていた。腰を抜かしていた彼の目の前には、若い女性の射殺死体が転がっている。


「・・・殺られる前に撃てよ! お前、死ぬところだったんだぞ!」


「・・・! は、はい。申し訳ありませんでした!」


 先輩の叱責を受けた隊員は、我を取り戻して立ち上がると、自分自身の不甲斐なさに悔しさを滲ませる表情を浮かべながら、助けてくれた先輩隊員に向かって深く頭を下げるのだった。

 その後、2人は第4層(地下1F)のさらに先へと足を進める。




第5層(地下2階)・西側の一画


「ギャあアアァ・・・! キャアあアアぁぁ・・・!」


 二度に渡る火炎放射が、砦の一画を燃やしている。炎に焼かれた甲高い悲鳴が廊下に響き渡っていた。しかし、攻撃を繰り出している隊員は眉1つ動かす事なく、容赦無く炎を浴びせていた。


「・・・止め」


 上官の命令を受けて、火炎放射器を操作していた隊員はその発射を止める。敵兵の抵抗が無くなったことを確認した彼らは、焼けた壁や床から漂う熱気を感じながら火炎放射を行っていた先へ近づく。そこには、消し炭の様に黒焦げた死体が6つ程転がっていた。顔は崩れ、最早性別すら判別出来ない。


「こちら7班、敵兵の制圧完了。これにて地下2階全域の制圧を完了したが、ここには目標の姿は無かった。また更なる地下へ延びる階段も確認されず。よって我々は上部階層へ向かう!」

『こちら紫藤、了解! 直ちに地上2階制圧の増援に向かってくれ!』

「了解!」


 指揮官の指示を受けた7班は、すぐさま来た道を戻って、激戦が起こっている第2層(地上2階)へと向かう。


 作戦開始から1時間、陸上自衛隊員とアメリカ海兵隊員から成る“砦制圧部隊”は、第3層(地上1階)から第5層(地下2階)までの制圧を完了するに至っている。残虐な悲劇の様相を呈しつつあった砦制圧戦は、この戦争の首魁であるアルフォンの喉元に向かって着実に近づきつつあった。




第2層(地上2階)・司令室(玉座の間)


 人の言葉が絶え間なく行き交う司令室は、戦況の急激な悪化に伴い、更なる混乱の様相を呈していた。


「ここ第2層への敵兵侵入を許してしまいました!」

「第3層から第5層まで制圧された模様!」

「敵兵は既に、この司令室の側まで迫っています!」


 止めることが出来ない敵の進撃、そして各地から送られてくる被害報告に、スリガンは自身と自軍の無力さを思い知り、下唇を噛む。


「くそ・・・!」


 “絶望そのもの”とでも称すべき現状を前にして、彼はただ頭を抱えるしかなかった。“伝道師の旅”という名の“逃避行”は、皇帝領を出ることも叶わず、唐突に終わりを迎えてしまうのだろうか、スリガンがそんな事を考えていた時、強烈な爆発音と共に司令室の扉が吹き飛び、爆風に乗った砂煙が司令室の中へ入って来た。


「なっ・・・!?」


 スリガン、そして同部屋に居た音信兵と文官たちは、爆風から顔を庇いながら、吹き飛んだ扉の方へ一斉に視線を向けた。

 枠だけが残った扉の向こうに現れたのは、緑色の斑模様に身を包んだ異形の兵士、すなわち自衛隊員の姿だった。


『居たぞ、第二目標スリガン=ヴィー=アングレムだ!』


 隊員の1人が叫ぶ。ついに彼らは確保目標の1人であるスリガンの下まで到達したのだ。

 尚、アルフォンとスリガンの顔貌については、皇宮に残っていた文官や侍女の証言をもとに、警視庁から派遣されていた似顔絵捜査官によって人相書きが作成されており、此度の制圧戦に参加していた全隊員へと配布されていた。


「とうとう、ここまで来ましたか・・・」


 遂に現れた敵兵を前に、スリガンは諦めの混じった苦笑を浮かべる。緑色の敵兵は後から次々と現れ、自分たちに向けられる銃口が1つ、2つと増えていく。

 その直後、彼は懐から「フリントロック式リボルバー拳銃」を取り出し、扉の向こうに居る自衛隊員へその銃口を向けた。


「!」


 応戦の姿勢を見せた彼に続いて、今まで戦闘には参加していなかった音信兵たちも、側に置いてあったマスケット銃を次々と手に取り、それらを扉の向こうにいる隊員へと向ける。


「撃て!」


 スリガンの号令を合図に、各兵士が一斉に引き金を引いた。マスケット銃の銃口から数多の弾丸が放たれる。明確な反撃姿勢を示した彼らは、発砲と同時にすぐさま物陰や机の後ろに身を隠した。


『退避!』


 発砲命令とほぼ同じ刹那、彼らと対峙していた自衛隊員も、司令室と通路を隔てる壁の向こう側へ咄嗟の横っ飛びで身を隠した。しかし、何人かの隊員は被弾してしまう。


『こちら13班、第二目標(スリガン)を発見。応戦してきました!』


 13班の指揮を執るディアス少尉は、無線機を用いて全部隊に報告を入れる。無線を切った後、彼は閃光発音筒を取り出し、司令室に向かって投げ入れるぞというジェスチャーを周りにいた部下たちに示した。彼が言わんとしたことを理解した隊員たちは、耳栓と遮光ゴーグルを装着する。それらを確認したディアス少尉は、閃光発音筒を司令室内に投げ入れた。

 しかし、それとほぼ同時のタイミングで、スリガンらが立て籠もる司令室の中から、かすかな白煙を発する数個の黒い玉が飛んで来た。閃光発音筒の炸裂に続いて突入せんと構えていた自衛隊員の1人が、その正体を察知する。


「・・・焙烙火矢(手榴弾)だ!」


 誰かが叫ぶ。その声に反応した隊員たちは、まるで人間から逃げるバッタの様に、焙烙火矢(手榴弾)の着地点から一目散に離れた。しかし、耳栓をしていたが為に数人の隊員たちは反応が遅れ、爆発による危害に巻き込まれてしまった。


パアンッ!


 閃光発音筒が音と光を発したのはその直後であった。目映いばかりの光と耳を貫く音が、スリガンたちの“聴覚”を一時的に奪う。尚、彼らは自衛隊側の攻撃を避ける為にその多くが物陰に隠れていたので、光による視力喪失の効果は薄かった。


「うわああァ!」

「ギャアアァ!」


 焙烙火矢と閃光発音筒による被害を受けた双方の兵士たちの悲鳴が、通路に響き渡った。負傷を免れた隊員たちは、焙烙火矢によって傷を負ってしまった仲間たちの下に駆け寄る。


(くそ・・・ミラクル過ぎるタイミングで手榴弾投げて来やがって! おかげで手の内を晒した上に、最後の1個を無駄にしちまった!)


 閃光発音筒を投げたディアス少尉は、自らの運の無さを呪う。




第1層(最上階)・礼拝堂


 砦の内部が地獄絵図と化す中、一カ所だけ未だに静けさを保っている場所があった。それがここ、最上階の第1層である。

 この砦の第1層には、500年前のクロスネル王国軍が使用していたと思しき“礼拝堂”が存在する。部屋の内部には、500年という長い歳月を経て朽ち果てた長椅子が並んでおり、それらに座っていた信徒たちが視線を向けていたであろう部屋の奥には、岩壁を彫って作られた神像があった。

 その神像の前に、両の手を組んで跪き、祈りを捧げている男の姿がある。


「天に居まします我らが神よ。どうか我らをこの絶望からお救い下さい・・・」


 自衛隊の急襲という現在の状況、そしてスリガンが最期の抵抗を繰り広げている最中、アルフォンは神の手による救済を求めていた。

 彼を除いて誰も居ない第1層(最上階)でも、双方の兵士が放った手榴弾による爆発音が響き、時々天井から砂がパラパラと落ちてくる。彼に追従して帝都を脱出した1,400人の近衛兵と文官たちは、すでにその4分の3を超える1,200人以上が命を落としていた。


(所詮、浅はかな夢だったか・・・。一時の感情に絆され、またしても私に付いて来てくれた兵たちの命を奪ってしまった・・・)


 爆発音に混じって、臣下たちの断末魔が彼の鼓膜を微かに刺激する。彼の心の底にあったのは、底知れない後悔と恐怖、そして自責の念だった。


『・・・』


 自責の感情に駆られながら、礼拝堂で祈りを捧げ続ける彼の後ろ姿を、存在しない筈の視線が見つめている。“それ”はゆっくりと口を開いて、神像の前に跪くアルフォンに語りかけた。


『臣下の命を無駄にしただけでは飽きたらず、守るべき民の食糧を略奪か・・・。つくづく救えない皇帝だよ、お前は』


 アルフォンの耳に聞こえて来た声、曲がりなりにも“皇帝”である彼に対して随分砕けた物言いをするその声は、もうこの世に居ない筈の人物、「前皇帝ファスタ=エド=アングレム3世」のものだった。


「・・・黙れファスタ、お前は死んだ。お前は俺の中に巣食う妄想に過ぎない」


 死人の声が聞こえて来るという現実を前にしながら、アルフォンは至って冷静だった。彼の背後にファスタの姿形を映し出した“それ”は、彼の心に居着いていた“幻”そのものであると分かっていたからだ。


『やはり教皇の入れ知恵か・・・。まあ、お前は国の頂点に立つ器では無いな。伝道師の旅もスリガンが言い出したことだろう?』


 ファスタは呆れ顔を浮かべていた。自分を小馬鹿にするような兄の言葉に、アルフォンは立ち上がって振り返ると、声を荒げて言い返す。


「・・・うるさい! 元はお前の責任じゃないか! お前がニホン人の医術士なんか帝都に招かなければ、こんな事には・・・この“愚か者”が!」


『・・・!』


 殆ど言いがかりに近い弟の言葉に、ファスタは思わずため息をついた。するとファスタの幻は姿を変え、別の人物となってアルフォンの前に立つ。


『叔父上はやはり悔いているのではないですか? ニホンの医術士に掛かれば、半年前に亡くなられた貴方の奥方の命は救えたかも知れないことを・・・』


「・・・! そ、それは・・・」


 ファスタの第二皇子であるアーネストが述べた指摘に、アルフォンは言葉を詰まらせる。その後、幻は更に形を変える。


『貴方は、今まで絶対だと教えられて来たものを否定されるのが、ただ怖かったのですね。本当はそれが正しい事だと分かっていながら・・・』


「・・・やめてくれ!」


 ファスタの正室であるミシェールの言葉が、アルフォンの心を抉る。正気を失いつつあった彼は堪らず両耳を塞ぐが、自身の頭が作り上げた幻の声を遮ることなど出来ない。


『叔父上も本当は、身内を手に掛けるのは悩んだ筈でしょう?』


「・・・お願いだ!」


 第三皇子トゥオミーの幼さが残る声が、無邪気な残酷さを以てアルフォンの心に突き刺さった。幻はさらにその姿を変える。


『教皇に裏切られた気分はいかがですか、叔父上。元々、ジェティス兄様とレヴィッカ姉様、そしてテオファを取り逃がしていた時点で、神からは見放されていたんでしょうね・・・』


「・・・!!」


 テオファの姉である第三皇女ドナージョの言葉が、アルフォンの心にとどめを指した。頭の中で何かが砕ける音が響き、彼は膝から崩れ落ちる様にして、地面の上に腰を付けてしまう。


「ハァ・・・ハァ・・・」


 動揺と錯乱の余り、息を乱しながら顔を地に伏せる彼の姿を、ファスタは頭上から見下ろしていた。


『経典や宗教に縛られて・・・挙げ句に大切なものを失う。そんな人生の何が楽しい? お前自身の意志は一体何処に有るのだろうね・・・?』


「・・・!?」


 アルフォンは虚ろになりかけていた目を見開き、ファスタの幻を見上げる。兄の幻影が発したその言葉は、彼の宗教観を根本から否定するものだった。

 しかし、幻はすでに目の前から消え去っており、礼拝堂には彼の姿しか無い。


「“愚か”なのは・・・、私か・・・」


 この礼拝堂には、彼の他に人影は無い。先程の彼が見たもの聞いたものは全て、彼の心が生み出した幻に過ぎない。ファスタたちが述べた言葉も全て・・・。


(・・・だが私は、異教の軍門に降る気は無い。ここまで私を突き動かした、いや、動かしてしまったこの気持ちに、嘘は付けない・・・!)


 幻から解放されたアルフォンは、腰に差していた短刀を鞘から抜くと、その切っ先を彼自身の心臓に向ける。




第2層(地上2階)・司令室(玉座の間)


 スリガンと残兵たちは、自衛隊に対する最期の抵抗を続けていた。しかし、自衛隊側が繰り出す小銃や機関銃による狙撃によって、1人また1人と味方が倒されていた。更には焙烙火矢が殆ど底を突き、火薬や弾丸も無くなりかけている。とうとう抗う術が無くなってしまったのだ。


「・・・ここまでか!」


 自衛隊員の攻撃を避ける為、物陰に隠れながら身体を屈めるスリガンは、今日この日が自分たちの最期であることを悟る。


「なあ、お前たちは私について来てくれるか?」


 スリガンは、自身の左隣で弾込めを行っていた音信兵に尋ねる。その兵士は迷わず、首を縦に振った。


「・・・ええ、何処までも」


「・・・!」


 自らを慕ってくれている臣下の答えに、スリガンは微笑みを浮かべる。

 その後、彼はおもむろに立ち上がり、身を隠していた物陰から飛び出した。壁の向こう側に隠れながら小銃を発射していた隊員たちは、確保すべき目標が取った突然の行動に困惑する。


『射撃、止め!』


 上官の命令を受けた日米の隊員たちは、それぞれが持つ銃口を地面へ下ろした。銃撃戦が止み、司令室はわずかな沈黙に包まれる。


『・・・確保!』


 第二確保目標であるスリガンを捕らえる為、ディアス少尉が発した命令を合図に隊員たちが司令室の中に突入し、部屋の中央に直立しているスリガンの下へ一気に迫る。その周りには、戦闘によって生じた音信兵や文官たちの死体が転がっていた。


「・・・ニホン軍よ、これを見ろ!」

『!?』


 スリガンは自らに駆け寄る隊員たちに対してそう叫ぶと、羽織っていた上着を脱ぎ捨てた。彼が上着の下に隠し持っていたものを目の当たりにした隊員たちは、堪らず脚を止める。 

 彼の胴体には、火の付いた焙烙火矢が多数巻き付けてあり、それらは今にも爆発しそうだった。


『・・・自爆!?』


 ディアス少尉は思わず叫んだ。

 自害しようとしていたのはスリガンだけでなく、周りを見れば、生き残っていた兵士たちが口の中にマスケット銃の銃口を突っ込んでいる。

 スリガンに迫っていた隊員たちは、すぐさまその身体を反転させて逃げ出した。


「我は“ティアム神”と共に有り!」


 それがスリガンの最期の言葉となる。直後、司令室の中で数多の爆発音と銃声が炸裂した。爆発の衝撃によって壁や天井が揺れ、更には大量に巻き上げられた砂煙によって司令室が飲み込まれる。それは爆発から逃げようと必死に退避していた数名の隊員たちをも襲った。


「だ、大丈夫か!?」


 ディアス少尉は砂煙の中に消えた隊員の安否を案じていた。数分後、爆煙と砂煙は晴れていき、司令室の様子が明らかになる。司令室と通路を隔てる壁の向こう側に身を隠していた隊員たちは、攻撃の類がぱったり止んだことを確認し、その中へと足を踏み入れた。

 ディアス少尉は、床の上に倒れ込んでいた4名の隊員たちの下へ駆け寄る。全員まだ息はある様だが、焙烙火矢の破片を身体に食らっており、出血が激しかった。


「かなり傷が深い・・・すぐに衛生兵の下へ運べ!」

「了解!」


 指示を受けた隊員たちは、負傷者4名の身体を担ぎ上げ、衛生科隊員が待機している第3層(地上1階)へと向かう。彼らが部屋から出て行くのを見送ったディアス少尉は、改めて司令室の中を見渡した。

 銃撃戦、または自害によって命を絶たれた兵士や文官の遺体があちこちに散乱している。自爆したスリガンに至っては、ほとんど人の身体の原型を止めておらず、文字通り“跡形も無い”状態だった。


『・・・こちら13班、第二目標(スリガン)は自爆した』


 得も言われぬ虚無感に囚われながら、ディアス少尉は無線機を用いて“任務失敗”の報告を指揮官へと伝える。

 部屋に残っていた他の隊員たちも、勝利の余韻など微塵も感じられない、やるせない思いをはらんだ表情を浮かべていた。




第1層(最上階)・礼拝堂


 スリガンの自爆とほぼ同時刻、司令室前で銃撃戦を行っていた他の班より一足先に第2層(地上2階)から抜け出し、第1層(最上階)へと到達していた1つの班が、砦の最上部に位置するこの場所に到達していた。


「礼拝堂だ!」


 16班を率いる木瀬川上級陸曹長は、岩肌がむき出しになった無機質な内装ではありながら、まるでチャペルの様な間取りになっているこの空間を見渡して、ここが何らかの宗教的空間であることを瞬時に悟る。

 天井のあらゆる箇所に開けられた穴から、細長い日の光が差し込んであちらこちらを照らしている。その様は、幻想的とも言える様相を呈していた。明朝の作戦開始からすでに数時間は経っており、太陽はすでに天高く昇っていることだろう。


「・・・班長、あそこ!」

「!?」


 隊員の1人が指差した方へ目をやると、神像の前に倒れている1人の男の姿があった。16班の面々は2列に並べられた長椅子の間を走り抜け、男が倒れている場所へ駆け寄る。


「・・・!」


 彼らはその人物が何者であるのかすぐに悟った。顔色はやや青白くなっているが、顔貌が似顔絵に示された人相そのものだったからだ。

 木瀬川は男の頸動脈に触れると、一際大きなため息をつき、無線機を用いて指揮官へ報告を入れる。


『第一目標アルフォン=シク=アングレムを発見、そして死亡を確認・・・、状況から自殺と思われる』


 報告を終えた木瀬川は無線を切る。その後しばらくの間は誰も口を開くことはなかった。

 彼ら16班の隊員たちが視線を向ける先には、短刀を胸の奥深くまで突き刺しながら、血溜まりの中に身体を浸すアルフォンの姿があった。自衛隊の軍門に降らなかったことを誇っているのか、その顔は何処か微笑みを浮かべている様に見える。


『司令部より通信・・・第二目標(スリガン)も自害したそうだ。これにて状況は終了、我々は直ちに撤退する』


 木瀬川は、無線を通じて伝えられた総指揮官からの命令を部下たちにも伝える。彼らはアルフォンの亡骸を遺体収納袋に仕舞い、任務失敗に伴う喪失感ややりきれない思いを抱えたまま、礼拝堂を後にした。




 斯くして、アルフォン=シク=アングレムとスリガン=ヴィー=アングレムを首班とした1,400名の原理主義者たちは、陸上自衛隊とアメリカ海兵隊からなる制圧部隊の急襲によって、ほぼ全滅に近い被害を被ることとなった。

 日本側にとって予想外だったのは、文官や侍女といった非戦闘員まで隊員に向かって刃を向けてきたことである。このことは、前皇帝に反発心を持ち、アルフォンの思想に同調していた者たちが、近衛兵以外にも数多く皇宮内に存在していたことを示していた。


 その後、砦内部での激戦を終えた彼らは、死んていった仲間、そしてアルフォンの亡骸と共に各車輌に乗り込み、帝都リチアンドブルクへと進路を向ける。

 “皇帝一家暗殺”という悲劇と虚構によって幕を上げた日本国とクロスネルヤード帝国の戦いは、“表向きの首魁”であるアルフォン=シク=アングレムの死という形で、一先ず幕を下ろすこととなるのだった。

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