皇太弟の反乱
皇宮・月の間2F 第二皇子の寝室
皇位継承権第二位のアーネスト=ジュン=アングレムが暮らす月の間、その2階に彼の寝室がある。彼は所帯を持っていない為、侍女や使用人を除けば、事実上彼は1人でここに住んでいる。そんな屋敷の一角に、沢の間から渡り廊下を通って来た不穏な人の群れが、闇に乗じて姿を現した。
彼らは目的の部屋の前に立つと、扉の取っ手を握り、静かに扉を開ける。部屋の中のベッドの上には、第二皇子のアーネストが眠っていた。彼は侵入者に気付くこともない。侵入者の群れは、無防備な第二皇子に静寂のままに近づく。そして・・・
「んぐ・・・!?」
突然、自分の体を襲った圧迫感に、アーネストは堪らず目を覚ました。体の周りを見れば、皇族を守護するはずの近衛兵たちが、明らかな敵意を以て自分の手足を抑え付けている。助けを呼ぼうとするも、口まで塞がれており声すら出せない。
(くそ! 何の真似だ!)
体の不自由を解こうとアーネストは必死に抵抗するも、屈強な兵たちの腕力を前にビクともしない。そうこうしている内に、近衛兵の1人が懐ろから1本の小瓶を取り出した。するとアーネストの口を抑えていた兵が、今度は両手で彼の口をこじ開ける。小瓶を持っている近衛兵はその様子を確認すると、瓶の蓋を開け、その中の液体をアーネストの口の中に流し込む。
「!?」
口の中に入って来た異物を、彼は堪らず吐き出そうとするが、すぐさま口を閉じられ、そのほとんどを飲み込んでしまう。
「ゲホッ・・・! 何を飲ませた!?」
皇子の必死の問いかけにも、近衛兵たちは冷酷な視線を崩すことなく、何も答えない。そして液体を飲まされて数十秒後、アーネストの体に変化が起こる。
「う・・・! ぐアあァ!!」
呼吸が出来なくなり、鳩尾から肩、首に至るまで胸部の広範に痛みを感じる。胃液を吐き出し、体は強い痙攣に襲われた。
「罪人は裁かれた。アルフォン殿下に連絡を」
その様子を見ていた近衛兵の1人は淡々とした表情で、”任務完了”の知らせを送るように、仲間の近衛兵に指示を出す。その後、連絡を終えた彼らは苦しむ第二皇子をそのままベッドの上に残し、部屋から立ち去ろうと扉へ向かう。
(ま、待て・・・! お前たち、何処へ行く気だ!)
遠ざかっていく数名の兵の後ろ姿に向かって右手を伸ばし、アーネストは彼らの行方を問おうとするも、呼吸が出来ない口からは声にならない音しか出ない。
(父上、兄上、母上、どうか・・・お逃げ・・・!)
扉が閉まる音がする。同時にアーネストの意識も途切れ、扉へ伸ばしていた右手は力無くベッドの上に沈んだ。
皇宮・御所2F 皇帝と皇后の寝室
無防備な寝込みを襲われた挙げ句、後ろ手に両の腕を掴まれ、皇帝ファスタ3世は手も足も出ない。彼の視線の先には、この事件の首謀者の姿があった。
「アルフォン・・・血迷ったか・・・!」
「黙れ。神に背く大罪人が」
アルフォンは実の兄弟に向けるものとは思えないほどの、あまりにも冷たい視線を皇帝に浴びせていた。彼の後ろでは、既に毒を含まされて意識を失った”皇后”ミシェールが床の上に倒れていた。
「誰か近くにおら・・・!」
助けを求めようと大声を上げるファスタの口を、アルフォンはすかさず右手で塞ぐ。彼は空いている左手で懐ろから1本の小瓶を取り出した。
「貴方だけは、私がやる・・・!」
アルフォンはそう呟くと、ファスタの口から右手を離す。直後、皇帝の身柄を抑えていた兵の1人が、皇帝の口へと手を伸ばし無理矢理こじ開ける。露わになったファスタの喉に向かって、アルフォンは瓶の中の液体を流し込んだ。致死量を遥かに超える毒は、瞬く間に吸収され、摂取した者の体を侵す。
「ぐ・・・、 あアあぁ・・・!」
数十秒後、断末魔を上げながらファスタは床の上へと倒れ込んだ。足元に伏す皇帝の姿をアルフォン、そして兵たちは冷たい視線で見つめていた。その時・・・
「きゃあああ!」
「!?」
突如聞こえた悲鳴に、部屋に居た全員が扉の方へ振り返る。そこには、まだ15歳になったばかりの第三皇子の姿があった。
「ああ、叔父上! 何てことを!」
床の上に倒れている父、それを眺めていた叔父、彼はここで何があったのかすぐに悟った。
(馬鹿! 何故お前がこっちへ来た!)
予想外の人物の出現に、床に伏していたファスタは絶望する。そんな彼を嘲笑うかのように、オリスは笑みを浮かべながら、呆気に取られている第三皇子に近づく。
「ちょうど良い所に来ましたねぇ、トゥオミー殿下。貴方の部屋を訪ねる手間が省けましたよ」
(・・・逃げろ!)
薄れ行く意識の中、声の出ないファスタは念じる。しかし、体が竦んで動けないのか、第三皇子は逃避の体勢を取らないでいた。
「お前もだ。父親の妄言に従い、血で汚れた異教徒の医術に応じたお前たちも兄と同じ”罪人”だ・・・」
暗くなって行くファスタの視界の中で、アルフォンの残酷な言葉が響く。第三皇子の悲鳴が再び御所をこだましたのは、その直後のことだった。
「・・・第三皇子の身を寝台ヘ戻しておきました。また先程、月の間、及び虹の間へ向かった班から、任務完了の知らせが届いております」
それから数十分後、何事もなかったかの様にベッドの上に眠る兄と義姉の姿を見つめるアルフォンに、兵の1人が報告を伝える。
「・・・となると、残す標的はあと1人でございますね」
報告を聞くアルフォンに、オリスは囁くようにして告げる。
御所・東側2F 東階段へと続く廊下
(・・・悲鳴!?)
突如廊下に響いた叫び声と、ドタバタとした自分たちのものではない足音に、東の階段へと向かっていた柴田と小波、そしてテオファとラヴェンナの4人は戦慄した。明らかにただ事ではない気配を感じる。
「まさか・・・お父上様や兄上様、姉上様の身に何かが・・・!」
皇女の言葉に、他の3人は顔を青ざめる。皇帝の住まいで深夜に響いた悲鳴、クーデタや暗殺の類いではないだろうか。そうであれば自分たち、何より皇女の身が危ない。
「・・・俺、様子を見て来ます!」
「ちょ・・・!」
小波は事の正体を確かめる為、柴田の制止も聞かずに悲鳴が聞こえた方向、すなわち来た道へと戻って行った。
『皇女の姿が無い!』
『馬鹿な、第四皇女は病人だ。こんな夜中に出歩いたりしないはずだぞ』
「!」
蝋燭もない、月明かりだけの暗い廊下を進む小波の耳に、突然話し声が聞こえて来た。それらは行く先に見える廊下の角から聞こえて来ている。彼の記憶が正しければ、そこは第四皇女の部屋があった場所のはずだ。小波は足を止めて、聞こえてくる会話に耳を傾ける。
『病弱な娘の口に、毒を放り込むだけのことだろう!』
『最後の1人で手こずってなるものか、探し出せ!』
「・・・!?」
再び聞こえて来た会話、その内容に小波は自分の耳を疑った。
(第四皇女、毒、口に放り込む、最後の1人・・・!)
状況を察した小波の体に衝撃が走る。その刹那、彼は足を反転させ、3人が待つ東の階段へと急ぎ戻るのだった。
「何だって・・・!」
小波の言葉に、柴田は驚愕する。テオファとラヴェンナの2人も顔を青ざめていた。
「お、お父上様は・・・?」
テオファは声を震わせながら、父たる皇帝の安否を尋ねる。皇女の問いかけに小波は思わず顔をそらす。
「・・・分かりません、ですが声の1人が殿下を“最後の1人”と言っているのを耳にしましたので・・・」
「で、では・・・!!」
小波の答え、それは皇帝を含む皇族たちが、既に賊の手にかけられているという可能性を示唆しているに他ならなかった。衝撃のあまり、テオファは口を両の手で覆い、左目から2粒の涙を流す。
「・・・殿下、緊急事態です。直ちに皇宮から脱出しましょう」
愕然としていたテオファに対して、柴田は車椅子に座る彼女に視線を合わせると、彼女の意識を呼び戻す様に、皇女に訴える。
「陛下の安否はいまはまだ分かりません。しかし、貴方は生きている! そして今、貴方の身が危険に晒されている。だから、私たちは貴方を救います、命を賭して!」
「・・・!」
柴田の言葉にテオファは我を取り戻す。直後、柴田は車椅子に座る皇女の身に手を伸ばす。
「少しだけ、失礼しますよ」
そう言うと、柴田はおもむろに皇女の体を抱きかかえた。
「・・・!」
柴田の行動にテオファは少し驚くも、抵抗することなく、彼の両腕に体を預ける。
(この人だけは・・・! 絶対に助ける・・・!)
かつての恋人に似た面影を抱えながら、柴田は決意を固める。耳をたてれば、騒がしい足音が先程よりも近くなっており、恐らくは小波が角越しにでくわしたという“賊”の話し声までもが聞こえていた。時間はもうない。
「急いでここから脱出します! 小波は車椅子を持ってくれ! エルージュ殿と合流し、東門に向かって走るぞ!」
「!」
柴田の言葉を合図に、3人は一斉に階段を駆け下りる。直後、踊り場まで降りた彼ら4人の前に、1つの人影が立ち塞がった。
「待て! 外は危険だ」
いきなり現れた人影に4人は驚くも、すぐにその正体を知り安堵する。彼、近衛副隊長のエルージュ=メニンギールは、テオファの極秘入院を前もって皇帝から知らされていた、今回の一件の数少ない協力者の1人である。
本来であれば、テオファの身を確保した柴田と小波を、東門の方向に案内する役を仰せつかっており、階段の下で待機することになっていたのだが、彼も異変を察知し、柴田らの安否を心配して階段を上がって来たのだ。
「エルージュ殿、これは一体?」
ラヴェンナは彼に、今のただならない状況について尋ねる。
「その詮索は後です。とにかく敵が屋敷の中にいる。今は逃げることが先決です」
「だから、私たちは早く雑木林に向かわねば!」
「今、外に出ては窓から敵に見つかってしまいます」
「では、どうすれば・・・」
悲観に暮れるラヴェンナに、エルージュは自身を含む一部の人間しか知らないとある秘密を打ち明ける。
「雑木林への“抜け道”へ案内します。私について来てください」
そう言うと、若き近衛副隊長は階段を降りて行く。程なくして、ラヴェンナと小波、そしてテオファを抱えた柴田ら4人が案内されたのは、彼らがよく知る部屋だった。
皇宮・御所1F 皇帝の執務室
「 本当にこの部屋の中に、抜け道への入り口があるのですか?」
非常勤の宮中医として何度も訪れたことのある“皇帝の執務室”を見渡しながら、柴田はエルージュに尋ねる。
「ええ、そうですよ」
彼はそう言うと皇帝の机に近づき、机の下にもぐり込んだ。直後、机の方からガコッという何かが外れる音がする。その後、エルージュの手招きに従って、テオファを抱えた柴田、車椅子を抱えた小波、ラヴェンナの4人は音がした方ヘと近づく。
「・・・!」
4人は驚く。普段から皇帝が使っていた机の下に、隠し階段が広がっていたのだ。明かりは無く、地の底の暗闇の中へ続いているように見える。
「緊急脱出用(兼お忍び外出用)の抜け道です。先程も申し上げたとおり、皇宮の敷地内の東側にある雑木林の中の物置に繋がっているのです。本来なら異国人の貴方方に見せて良いものではないのですが、緊急事態故、特別です」
エルージュは、皇帝とそれに近しい家臣しか知らない秘密を4人に説明する。
「東門の外に居る貴方方の仲間に、連絡はしていますか?」
エルージュは少し呆気に取られていた様子の小波に尋ねる。彼の言葉に、小波は、はっとした顔をする。
「いえ・・・、すっかり忘れていました」
そう言うと、小波は腰のベルトからトランシーバーを取り出した。
当初の予定では、皇女の身を車椅子に乗せて一階に降ろし、東門の外で待機している荒川と長岡の2人に連絡を入れた後に雑木林ヘ向かい、連絡を合図に東門から車で皇宮内に入った2人と、人目に付きにくい雑木林の中の道の上で落ち合うという計画だった。重度の免疫力低下を起こしている皇女の身を、出来るだけ外気に晒さないように、且つ皇女の移動が外部に気付かれないようにする為の計らいである。
通信機器を取り出した小波の様子を見ていたエルージュは、荒川と連絡を取ろうとしている彼に、1つの指示を出す。
「では、こう伝えてください。貴方たちから見て、左手に古ぼけた物置がある地点で待ち合わせると」
「分かりました」
小波は頷くと、言われた通りの内容をトランシーバーで伝える。
『・・・いたか?』
『いや、手洗いには居なかった』
「!」
扉越しに皇女を探す敵の声と足音が聞こえて来る。もうここも危ない。
「時間がありません。急ぎましょう」
エルージュの言葉を合図に、4人は次々と、机の下に広がる闇の奥へ身を投じる。最後の1人であったエルージュは、隠し階段に入ると同時に、逃走が賊にばれない為に床を元通りに閉じた。
・・・
皇宮東側 雑木林の中の道の上
御所から東門ヘ続く道の途中に、1台のバンが停まっている。御所の中にいる仲間からのメッセージを受けた彼らは、協力者である東門の守備兵2人に門を開けてもらい、ここまで来ていたのだ。
「本当にここで良いのか? もう少し近づかなくても」
助手席に座る長岡は、林の中に止まったままジッとしているという、自分たちの今の状況に不安を漏らした。
「ここで待つように言われたのだから、仕方ありません」
運転席に座る荒川が答えた。彼らはトランシーバーから伝えられた小波の指示通りに、左側に古ぼけた物置が見える場所に停まっていた。
「・・・たく、あの物置が何だっていうんだよ?」
長岡は窓の冊子に肘を置きながら、助手席側の窓の向こうに見える古ぼけた物置を眺めていた。
ガタガタ! パキ・・・
「・・・え?」
その時、物置の中から明らかに何者かが居る音がする。先程まで、生き物がいる気配がなかったはずの場所から聞こえる物音に、長岡と荒川は大きな不安感に捕らわれ、音がする物置の方をジッと見つめていた。
ガチャ・・・
ついに物置の扉が開き、中から人影が出てきた。ちょうど月明かりは雲に覆われており、その顔を伺うことが出来ない。
「・・・ひイィ!」
長岡は思わず静かな悲鳴を漏らす。荒川も目の前の出来事に息を飲んだ。しかし、月明かりが戻り、それが物置の中から出てきた人影の顔を照らすと、2人の心から恐怖は消え、代わりに安堵と困惑の感情が込み上げて来た。
「何で御所へ行ったあんたたちが、物置から出て来るんだ?」
草むらの中の物置から姿を現したのは、柴田と小波、屋敷の侍女と近衛兵、そして柴田に抱えられている皇女の5人であった。当初の予定とは全く異なる彼らの登場の仕方に、荒川は思わずその理由を柴田と小波に問いかける。
「話は後だ。とにかく今はここは危険なんだ。早く離れよう」
深刻な表情で答える柴田、そして他の4人の様相から、長岡と荒川の2人は緊急事態を悟る。
「わ、分かった!」
荒川は車のエンジンキーを回す。柴田と小波はバックドアを開くと、そこからバンの中へ乗り込み、車内に取り付けられている担架の上にテオファの身を横たえた。
(・・・)
ようやく異国人の男の両腕の中から解放され、テオファは少しほっとした感情を抱くと共に、家族を失ったかもしれないという悲しみが再び込み上げていた。
「ここまで来れば、もう大丈夫ですよ!」
「 ・・・ええ、ありがとうございます」
「・・・」
小波の言葉に、テオファは歪な微笑みで返事を返した。その悲しみを湛えた笑顔を、柴田は見逃さなかった。程なくして出発準備が整う。荒川は後ろを向いて、乗るべき者たちが全員乗ったかどうかを確認する。
「エルージュさんは?」
長岡がつぶやく。バンの中にはエルージュの姿はなかった。
「皆さん、俺は戻ります。テオファ殿下の御身を、お頼みしますよ!」
「・・・え」
柴田、小波、荒川、長岡の4人が声のした方を向くと、エルージュが彼らを見送るように車の外に立っていた。
「何言ってるんですか! 早く乗ってください!」
長岡が叫ぶ。確かにエルージュは、当初の予定では病院まで行く予定ではなかったが、賊が入り込み、危険地帯となっている皇宮に彼を残しては行けない。
「私は皇族を護る盾です。賊がこの中にいる以上、皇宮から逃げる訳にはいきません。それに私には殿下の無事を、陛下にお伝えするという義務がございます」
「そんな ・・・!」
「ここへ追手が来るかもしれない。早く行って!」
「!」
若い近衛兵の剣幕が、深夜の林に響き渡る。直後、荒川はギアとハンドルを回して車を反転させると、東門へ向かって一直線に車を走らせた。
「・・・」
異国の乗り物を見送る1人の青年の立ち姿が、月明かりに照らされる。彼は視界から見えなくなるまで車を見送ると、足を反転させ、屋敷へ向かって歩き出す。
「さて、落とし前を付けて貰おうか・・・」
皇女の毒殺を企んだ賊、すでに皇帝を手に掛けているであろう敵、直接でくわした訳ではないが、彼はその正体を状況証拠から見抜いていた。剣を握る手に力が入る。近衛副隊長エルージュ=メニンギールは、自分の部下、そして仲間たちに刃を向ける覚悟を決めていた。
・・・
バン車内
幸運にも皇宮を無事に脱出した皇女と侍女、そして医療人の一行は、一直線に目的地である赤十字病院へと向かっていた。車内の担架の上では、皇女が目を閉じて横になっている。彼女の両目からは、わずかながら涙のすじが流れていた。
「御所の中に賊の侵入を許すとは・・・、その上陛下の身まで! 他の近衛は、一体何をやっていたのでしょうか!」
侍女ラヴェンナは主であるテオファを見つめながら、悲しみと怒りを交えた声でつぶやいた。
(もしかしたら、賊の正体とは・・・)
柴田は1つの可能性を思い浮かべる。奇しくもそれは、エルージュが予想していたものと同じものだった。日本人医師及び看護師・計4名が立合ったこの「クロスネルヤード皇族一斉変死事件」は、後に起こる“大きな戦争”の引鉄として語られることとなる。




