最後のプレゼント
りんりん。
鈴の音が響き渡る。
すると、上から何かが降ってくる。
「…雪?」
大粒の雪かと思ったが、一つ一つが光っていて、動いているようにも見える。
「あれは、、なんだ?」
目を凝らして見つめていると、隣にいたマイがつぶやく。
「もしかして、小さな、、、ユキちゃん?」
そのつぶやきで気づく。
よく目を凝らさないとわからないくらいの小さな雪だるまが、体中に光をまとって、ふわふわと降りてきていた。
サンタはそれに気づいた俺たちを見渡せる正面のところまで歩いてくると、一つ咳ばらいをする。
「冬の夜に舞い降りた小さな音楽隊。彼らとともに、一曲、ご用意してまいりました」
そして俺らの方にお辞儀をして、両手を上げる。
「クリスマスソングメドレー、立体音響バージョン」
「♪~」
サンタの指揮が始まると、ところどころから、小さな歌声が聞こえてくる。
小さい音だったが、それぞれが集まると、中庭全体に届くくらいの大合唱になる。
楽器はサンタの隣にいるルドルフがたまに鳴らす鈴の音だけのはずなのに、何故かどこからか楽器の音も聞こえてくる。
上からも下からも、まるで頭の中に直接流れ込んでくるように、至るところから演奏と歌声が耳へ流れ込んでくる。
数分間、曲が終わるまで誰も音を発することなく、まばらに落ちた小さな音楽隊のすべてが着地するとともに、それは終わりを告げた。
「ご清聴、ありがとう。それじゃあ最後まで、楽しんでください!」
「のう!」
小さな雪だるまたちは俺たちの足元を駆け巡って、真ん中にそびえる大きな木を登り始めた。
それから木の枝を踊るように動き回りながら、明るい雰囲気の演奏を始めた。
「どうだった?イルミネーションが作れなかったから、雪だるまに光ってもらうことにしたんだ」
拍手を浴びながら俺たちのいる方へ歩いてきたそいつは、帽子の中をかきながらこちらに歩いてくる。
「サンタさん!素晴らしい指揮でした!そんなこともできたんですねっ!」
「楽器もないのに、なんかオーケストラみたいだったよ!」
「ん?楽器はあいつら持ってるよ?」
「え?あ、ほんとだ!」
帽子の中に紛れていたらしい雪だるまをつまんで手に乗せてこちらに向けてくる。
それは自分で作ったのだろう、雪でできた小さな楽器を持っていた。
「さあ、後はケーキを食っていっぱい遊ぼうぜ!マイ、ケーキ切ってやってくれ」
「任せてくださいっ!」
「私も!」
マイとリィナがケーキを切りに向かう。
残された俺とサンタ。
ケーキに集まるちび共を横目に、サンタが口を開く。
「いやー、ラスト。さっきのは必死に呼びすぎだって」
「はあ?お前が何回呼んでも降りてこないから、こっちは結構焦ったんだぞ?」
「え?そんな呼んでたの?ごめん、一回しか聞こえなかった」
「お前なあ、、っぷ!はっはっは!」
「ごめんごめん、ふっ、ははは!」
何がおかしいのか、どちらともなく、互いに笑い出す。
それが収まってから、手を前に出す。
「サンタ、ありがとな。あいつらも、喜んでると思う」
「おう」
前に出した俺の手を叩いて、ぱん、と音を立てる。
「ケーキ、もらいに行こうか」
「そうだな。俺の最高傑作、とくと味わってくれよな」
輝く雪と木の上で始まった光のパレードは、まだまだパーティが終わるのを許さないかのように俺たちを賑わせ続けた。
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