第二の会場
「うわあ、きれー!」
「おっきな木!」
「すっげー!うまそうなケーキ!」
中庭へやってきたちび共は先ほどまでの遊びが楽しかったのか、普段はもう寝る時間なのにずいぶんと興奮しているようだ。
サンタの姿はない。
まあ、どっかでスタンバってるんだろうな。
さて、頃合いを見計らって、始めるとするか。
「ラスト、サンタさんはどこいったんですか?」
「ん?よくわかんねえけど、どっかに隠れてるんじゃね?」
「サンタなら、あそこにいるよ」
リィナが夜空の方をさしながらこっちに来る。
「ん?屋上にいるのか?」
「うん、出番になったら呼ぶようにって」
「なるほどな!あいつもわかってるじゃねえか!」
屋上からの登場か。
あいつ、何か準備でもしてるのか?
となると、少し時間を稼いだ方が良いだろうか?
もうちょっと待って、、げ、姉ちゃん!
「あらあら。ずいぶんとまあ、好き勝手にやってくれたみたいね」
「ね、姉ちゃん!ごめん!終わったらちゃんと片付けるから!」
「ごめんなさい!今日だけですからっ!」
中庭にはなかったでっかい木に、積もった雪。
流石に中庭をここまでいじるのはまずかったか、、?
思いっきり怒られるかと思ったが、姉ちゃんは俺たちを怒ることはなかった。
「…ふふ、そんなに謝らなくてもいいわ。まあ、晩御飯代は浮いたから、それでよしとしようかしらね」
何もいうことなく木の下のちび共のもとへと向かっていった姉ちゃんの姿に、俺とマイはほっと息を吐く。
「死ぬかと思ったぜ」
「大げさでしょ」
「そんなことないですよ、、!」
リィナ、怒った姉ちゃんは本当に怖いんだ。
前に店に来た時、お前はサンタと逃げたから知らねえだろうが、まじでこえーんだぞ。
「ラスト、姉さんの気が変わらないうちに、早く始めましょう」
「お、おお、そうだな!」
サンタ、もう始めるからな。
期待してるぜ?
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