ゲームセット
「なんでぴんぴんしてんだよ、、?サンタ!」
「サンタさん、、!いつの間に、、!」
後ろでも前からも驚きの声が上がる。
「そんな幽霊を見たみたいな言い方するなよ、、これだよ」
袋を渡す前に取り出していた空の小瓶を3本ほど取り出して見せる。
「おかげで全快だけど、3本も飲んだおかげで腹の中は最悪だぜ、、うええ」
「まじかよ、、、あれを3本も、、?」
「後ね、復活してるのは僕だけじゃないぜ?」
「え」
「ノーウ!」
「ヌ――!」
左右の壁から4体の赤い雪だるまたちがよじ登ってきてマイを守るように僕の後ろにやってくる。
「こいつら、、なんで!?」
目を見開いて驚くラストには先ほどまでのドヤ顔はない。
「さっきラストが右でうちの3匹とやってるときに、僕は一人でこっそり左からでて最初にやられた一匹を助けてたんだ。それでラストが壁を削っている間に反対側の3匹を復活させてたんだよ」
「全然気づきませんでした、、なんで教えてくれなかったんですかっ!?」
「敵を騙すなら味方からっていうんだよ。つまり、そういうことだ」
「ふえ?つまりどういうことですか?なんで味方もだます必要があるんですか、、まあ、いいですけど」
「それじゃあ謎解きも終わって、そっちの雪だるまも全滅したし、そろそろ終わらせようか?」
「全滅だって?俺にはまだ、、って、あれえ!?」
「のおおお、、」
つい先ほどまでラストの横にいた緑いろの雪だるまたちは、後ろで偽物に紛れていた2匹のユキちゃん(マイ命名)たちによって頭を飛ばされていた。
ラストをみんなで囲い、集中砲火の姿勢をとる。
後は王様の合図待ちだ。
「おいおい、、、こいつは、、」
ラストはすでに顔面蒼白だ。
本人は非力だし、こいつらの攻撃を受けたら相当痛いだろうな。
一度その痛みを味わっている僕には、ラストの気持ちがわかる。
少しかわいそうなので、助け舟を出してやる。
「さあ、ここらで勝負はついた。そろそろ帰ろうぜ?ラストも、痛いのはいやだろ?」
片目を細めて合図をすると、その意味を察したようでラストも安心した顔をする。
「え、あ、そうか、、、!ふっ、はっはっは!そうかあ、残念だ!俺は冬将軍だから、最後まで責務は果たすつもりだったんだけどなあ!いやあ、まあ、無益な争いはよろしくないよな!今日は帰ろう!」
よし、これで大団円だ。
帰ろうと思ってマイの方へ振り返ると、マイは頬を膨らませている。
「何言ってるんですか?そんなこと、私が許可しませんよっ!」
少しぷんすかしているマイの声がラストの顔を再び真っ青に染める。
「え、、サンタがこういってるんだから、、な?もう終わろうぜ、、?」
「言っておきますけど、私がリーダーですからね?ユキちゃんたちはどう思いますか?このまま終わってもいいと思います?」
マイが尋ねると、決まっていたように雪だるまたちはそのセリフをいう。
「「「ノオオオオ!!」」」
「ほら、ノーですって。それじゃあみなさん、やっちゃってください!」
「ちょま、ノーってそういう意味じゃ、、なああ!ぐはあ、、ごっ!」
ガンゴンバシャバシャ、ドサ。
みんなの集中砲火を受けて、ラストがあっという間に倒れる。
「・・・・・」
八方から攻撃を浴びて、ラストが動かなくなったところで攻撃が止み、あたりは静かになる。
そこに漂うのは、僕たちの吐く白い息と、降り積もる雪の音のみ。
やがて静寂を破るように、一人が叫ぶ。
「私たちの、勝利です!!」
「「「ヌオオオオ!」」」
それぞれが叫び、踊り、僕らの城は大騒ぎになる。
その様はパーティのようだ。
「冬将軍、敗れたりっ!」
「「「ノーウ!ノーウ!ノーウ!」」」
お祭り状態の中で、倒れているラストのもとへ歩み寄る。
「ラスト、どんまい」
雪に突っ伏すラストの前で、僕は一人、合掌をした。
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