賭けの結果
試合後。
僕の試合が終わった時点で用はないとでも言うかのように、僕たちはその後の試合を見ずにコロッセオの外に出ていた。
「よくやったな、サンタ!お前のおかげで、一回戦だけなのにこんなに稼げたぜ!」
「すげえ、なんだよこの大金、、」
なんと賭けでの僕への倍率は10倍もあり、15万ユインすべてをかけたラストは150万ユインを勝ち取って一気に小金持ちになった。
まあ、賭けのおやじも一般人だと思ってなめてたのかもな。
バンベルトの倍率は1.1倍だったことから、最低限自分に不利益が出ないようにしていたつもりなんだろう。
ラストによって大金を持っていかれ、さぞ悔しい思いをしていることだろうな。
それにしたって、10倍はなめすぎだろ。
競馬とかでもいるのか?そんなロマン馬。
「後、これ、お前の分な!」
「お、サンキュ」
実は僕も、店の手伝いでもらったお小遣い5万ユインを、そのまますべて賭けていた。飯代も家賃も必要ないため、もらうつもりはなかったが、マイがどうしてもといって聞かなかったので、無理矢理渡されたのだ。使い道もなかったので、自分に賭けるという、少々シャレの利いたことをやってみた結果、僕もラストも、これで小金持ちになった。
「いいなあ~!私も賭ければよかったなあ、、、」
マイは1ユインも賭けなかったようだ。
まあ賭けっていいもんじゃないしな。やらない方が良いだろうよ。
「まあ、負けて金無くなるよりはいいだろ。真面目に働いて稼いだ金が、やっぱり一番だと思うぜ」
そうマイをフォローするが、右手にもつ大金の入った袋のせいで説得感が全くない。
気づいてから右手を後ろに回したが、遅かった。
「賭けで大勝ちした人に言われたくないですっ!」
怒られてしまった。
あれ、今いいこと言わなかった?なんで怒られたの?
え、この右手の袋?知らないよ?
「まあまあ、今日はもう帰ろうぜえ!サンタも疲れてるだろうしよお!なあ、サンタ?」
大金を手にして元気になったラストは間に入っていつにもましてウザいドヤ顔を決めてくる。
こいつ、イケメンでたまたま自分の作戦がうまく言ったからって調子に乗りやがって、、この、、、くそ、イケメンだから何も言えないのが悔しい。
「まあ疲れたな。雪降らせたし、体力使ったからなあ」
「ああ!そういえばそれですよ!あれってやっぱりサンタさんがやったんですか!?一体どうやって!?」
「そうだ、思い出した!サンタ、教えてくれよ!どうやって雪を出したんだよ!魔法か?」
二人に一気に詰め寄られ、今の失言に後悔する。
言わなきゃよかった。そうすれば、忘れていたままだったのに。
どう説明すりゃいいんだこれ。
こんな時は、適当にごまかそう。
「あー、面倒くさいな。今日はもう帰って、旅館でうまい飯でも食いながら話そうぜ?」
それだけ言って、その場しのぎをして逃げるように、足早に旅館への道を急いだ。
ルドルフが僕の代わりに説明できたら、と思って見つめるが、りんりんと、首についた鈴を鳴らすだけで、僕の思いに答えてくれる望みはなかった。
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