行く者と待つ者
「それじゃあ、店長、これを頼むよ」
「へい、まいどありぃ!」
マイに教えてもらいながら僕は魔力を込めやすい木を選んで買った。名前はマナウッド。名前の通り魔力を吸収することが特徴であり、元から幾分かの魔力を含んでいることもありそこそこの硬さを持ちながらも、十分な軽さを持ち併せていた。
店長は魔力には全く関心がないためにこの木材についてはあまり語らなかった。やはり、マイにかなうやつはなかなかいないということなのだろう。
「赤帽子、絶対勝ってこいよ!そして、うちの店の木だって、自慢してきてくれ!」
「ああ、必ず!」
白い袋に角材を仕込むと、僕は店を後にする。
店を出たあたりで、ラストがふいにつぶやく。
「今、何時だ?」
「あ」
「あ」
スマホで時間を見ると13時40分を指していた。
「魔力を込めるのに時間をかけすぎたな。どうする?このままだと走ればなんとか間に合うが」
そうなのか、僕はまあ疲れないからいくらでも走れるが、2人は無理だろう。
ラストなんてオールバックの腕一本でやられたんだ。こいつは体力も底に近いほど非力だろう。
「んー、まあ、面倒だしいいんじゃね?決闘申し込んでるのはあっちだし、こっちは店でも見ながらゆっくり行こう。ルドルフにお土産買いたかったんだよなあ」
「ここまでくるとかわいそうですよね。あの人も。まあ同情はしませんけど」
「よーっし、それじゃあまだ昼飯食ってねえし、どっかで飯でも食ってから行こうぜ!」
「そういえばお腹すいてたよ。行こうか」
「この辺だとお肉料理がおいしい店がありますよ!早速いきましょうっ!」
オールバックの男はどうしているだろうか。まあ待たせるのも悪いし、少しだけ早めに飯を食って、お詫びに果物でも買っていってやろうかな。
その後料理店に行く前に少しだけ寄り道をして、ルドルフのお土産とオールバックのために果物を買い、おいしい昼飯を堪能してから、僕たちは決闘会場である広場に向かった。
――――――――
「遅い、、、」
ルウシェルは広場のベンチに腰かけて、遅すぎる決闘相手の到着を待っていた。
決闘時間までは広場の真ん中で仁王立ちで待っていたのだが、待ちくたびれて、近くのベンチで腰かけていた。
広場の時計台を見ると、もうすでに午後の3時を過ぎている。
「もう一時間だぞ?まさか来ないつもりでは、、?」
我慢の限界になって、サンタクロースの店に再び出向こうと立ち上がったその時、見慣れた赤い帽子と、それに続いて白髪、茶髪が歩いてくるのが視界に入る。
「ついに来たか、、、!」
立ち上がったルウシェルは腰に差した剣を抜き、3人の前に立ちはだかった。
ついに決闘に入れます。




