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忘却のための時間  作者: 一条夜月
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1話

夏だしホラーでも書こうと思ったらもう夏が過ぎて秋が来てました………

しかもホラー色ほぼない……どうしてこうなった


高校1年生の時から気になっている人がいた。最初は一目惚れだった。

同じクラスで、名前が「田上」と「橘」だったという事もあり席が前後だったのだ。それからも奇跡的に高校三年間、一緒の組で常に俺たちの席順は変わらなかった。彼女が前で、俺が後ろ。日に当たると綺麗な茶髪に見えるショートボブ、二重で大きく眠たげな黒い瞳、少し袖がだぼついた制服、白いうなじ。彼女は何処にでもいる普通の可愛い女の子だった。女の子に話しかける勇気もない俺は、彼女に気づかれない程度で様子を伺うしかない。


「ふふ、また同じだね」


3回目に同じ席順になった時、彼女はそう言って微笑んだ。彼女は普段、あまり笑わない。その瞬間の俺は彼女の笑顔を脳内に焼き付けるのに必死で「そうだね」だとか曖昧な台詞を吐いた。今思えばその頭を殴り飛ばしたい。何故もっと気の利いた言葉をかけなかった俺の馬鹿。


とにかく、そうして彼女の後ろの席に座り続けてわかった事が幾つかある。

一つは、彼女はあまり真面目じゃない、という事だ。授業中はまともに教師の話を聞いてはいないしずっと窓の外を眺めていたり寝ていたりする。

もう一つは、彼女は虚弱体質だという事である。体育の時間、よく倒れては教師に保健室に運ばれていた。あの時に俺が運んでいたりすれば良かったんだろうがチキンな俺にそんな事は出来ない。

そして最後。これが、彼女の最大の謎である。


彼女は毎月14日に必ず学校を休んでいた。


何故彼女がその日休むのか。そんなプライベートな事を俺が聞けるはずもなく。簡単に「風邪か?気をつけろよ」とか当たり障りのない言葉しか吐けない俺に彼女もまた、はぐらかすように「うん、そんな感じ」と呟いた。


そうして俺たちの高校三年間はそれなりに会話はするものの付かず離れず、友人と呼ぶのも憚られるような微妙な距離を置き続けた。

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