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最弱の最強民族  作者: やっすぅ
1/1

00:始まり

 俺は、闇の中にいた。

ここにいるととても落ち着く。誰にも邪魔されないし、誰にも咎められない。

そんな理想の場所を、誰かが無理やりこじ開けようとしている。

やめろ、やめろ___________


「はっ!!」

そこで俺は目覚めた。

全くもって謎である。何なんだ今のは・・・・。


 しかし、今の夢、どう考えても現実離れしていたが、それでいて果てしなく現実に近い感覚、言ってしまえばそっちが現実であるかのような・・・。

こういった感覚を、なんと呼ぶのだろう。


 俺はどうにもぬぐいきれない違和感を押し殺してリビングへ向かう。

 いつものようにテレビの電源を入れ、朝のニュースチャンネルに切り替える。



 そこで、信じられないものを見た。

 『き、緊急ニュースです!たった今、17歳男子高校生の須恵 隆太君が全国指名手配されたという情報が入ってきました。』


 俺は今のこの状況を咄嗟に理解できなかった。

俺が・・・・指名手配・・・・・?

とうとう話のスケールが現実離れしすぎている。朝の夢もそうだったがこれは異常だ。

あまりの突然さに逆に冷静になっている俺に、追い討ちをかけるように新たな情報が入った。


『尚、彼にかけられた懸賞金は・・・・・5億!?』

 

…………今、なんていった?

……懸賞金5億?この俺に?そんな馬鹿な話があるか。それだったら俺が俺自身を捕まえて5億円獲得してしまうレベルだ。

しかしどのみち捕まってしまえば金は取られるのか。だめじゃねえか。

・・・なんて冷静に考えている俺はバカだった。たぶんその時は半信半疑だったのだろう。

無理も無い。昨日までただの高校生だったのにいつも通りに朝起きたら指名手配だ。こんなのドッキリに決まってる。


と、思っていた。

疑いが確信に変わるまでにはそう時間は必要なかった。


 俺がいつも通り登校の支度をすませ、玄関を開けた瞬間。

2メートルはあろうかという黒ずくめの男が俺の前に立ちはだかり、言った。

「須恵隆太だな。逮捕する。」

実に簡潔で分かりやすい言葉だったが、俺にとっては実にありがたかった。

そのおかげもあってか、案外すんなりと質問をすることができた。

「ちょっとまってくれ、ニュースを見たからこの状況になったのは分かる。

だが、俺が一体何をしたんだ?昨日まで普通に学校行って飯食って寝るだけの普通以下の高校生だったんだが。」

そうだ。俺は何もしてない。何もしなかったのが俺の罪とか?

まさかそれだけは無いだろう。

だとすれば一体なぜこんなことになっているのか俺は知りたい。知る権利があるはずだ。

 しかし、男の答えは実に予想外だった。

「上からの命令だ。なぜお前が捕まっているかなど知らん。」

……これはまた分かりやすくていい。

上からの命令……どんどん現実感がなくなっていくな……。

俺が捕まった理由は分かった。いや、分かってないか。

どちらにせよこれ以上は話してくれないのだろうし、俺はもう1つの質問をすることにした。

「わかった。どうせそれ以上は話せないんだろうしな。もう1つ聞くが、俺はこのあとどうなる?」

俺が一番気にしているのはこれだ。もしかしたら案外普通のことなのかもしれない……なんて期待は外れるんだろうな。

「殺処分だ。それ以外は知らん。」

……殺処分?何で?俺はそこまで罪の重い人間なのか?

自分で言うのもなんだがそれなりに正義を貫いて生きてきたつもりだ。

なのになぜ_______

そう思った瞬間、過去の記憶が脳裏によみがえってくる。


 昔からそうだった。俺は何も間違ったことはしていないのに。

ただ人を助けようとしただけなのに。皆が俺に刺すような視線を向けてくる。

誰も、俺のことは理解してくれない。俺は、間違っていたのだろうか。

人を助けるために、悪い奴を正すために、人が傷つくことはいけないことだろうか。そんな事で正義なんて生まれるのだろうか……。


_______大丈夫。私がそばにいてあげる。


「……

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