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捨てられた王子たちと冷たい夏  作者: ふたぎ おっと
第1章 遥かな銀河の彼方から
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これまでのあらすじと登場人物

【梅乃とおとぎメンバーの2ヶ月半】



 どこにでもいる女子大生・梅乃の前に2人の魔神が現れたのは2ヶ月前。


 プレゼントでもらったサファイアの指輪とランプから出てきた彼らは、メルフェンとファンタジーの世界「おとぎの国」の役人。おとぎ話の後でヒロインにフられてしまった5人の王子たちの現代日本留学のため一緒にトリップしてきたらしい。

 完全に梅乃は成り行きで彼らの世話役に任命され、梅乃が通う大学の学科や授業、サークル活動にアルバイト、更には友達の恋路にまで入り込んで自由に青春している王子たちを、2人の魔神と一緒にサポートすることになったのである。


 そうして6月に入ったとき、梅乃の高校からの友人でありテオの想い人である空が援交をしていると聞くと、梅乃は歓楽街まで押し掛けて確認しようとした。そこで煌びやかなスーツの男とチンピラ達に襲われかけてしまうが、魔神二人によって助けられ事件も収拾した。

 しかし、その事件でフリードと恭介は怪我を負い、薬を盛られた梅乃はおとぎメンバーに迫るなど後を引くものが多く残り、彼らの関係は気まずいものになってしまう。




【主要登場人物と相関図】

挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)

佐倉梅乃さくらうめの(20歳)>

 主人公。3月21日生まれ。

 どこにでもいる大学3年生農学部資源生物学科。

 サークルはオーケストラでチェロ。

 アルバイトはファミレス「おどけたサンチョ」。

 男女関係なく接するさばさば系女子。



挿絵(By みてみん)

<カリム(見た目は22~24歳くらい)>

 「アラジンと魔法のランプ」に登場する指輪の魔神。指輪にはサファイアが付いている。

 濃紺の短髪に琥珀色の瞳。身長187cm。

 おとぎの国の中央役場の役人でさわやか兄さん、朝がとても弱い。

 使える魔法は風系。



挿絵(By みてみん)

<アサド(見た目は22~24歳くらい)>

 「アラジンと魔法のランプ」に登場するランプの魔神。

 癖のある赤毛に金色の眼。身長191cm。

 おとぎの国の中央役場の役人で、軟派系。

 製薬が得意だが、色んな点で万能。



挿絵(By みてみん)

<フリードリヒ・ヘッセン・フォン・ヴィルト(21歳)>

 「カエルの王様」の王子。

 淡い緑色の光沢を放つ短く切りそろえた金髪にエメラルド色の瞳。身長172cm。

 王女にカエルの魔法を解いてもらったにもかかわらず、彼女の乱暴に婚約破棄。そのため魔法は解けきらずに夜間はカエル姿になる。

 梅乃と同じ学科。とにかくくそ真面目。



挿絵(By みてみん)

<テオデリック・ヨハンネス・ド・ニールセン(21歳)>

 「白鳥の王子様」の王様。

 肩口まで伸びるウェーブのかかった栗色の髪に灰色の瞳。身長182m。

 兄王子たちを救うために無言で茨の服を編み続けるエリサ姫を信じ切れずに火焙りを言い渡したことに兄達が憤怒し、王位を剥奪され都落ち。

 経済学部の4年生。機械音痴、必死にバイト。

 空と恋愛中。



挿絵(By みてみん)

<クリスティアン・シャルル・ド・ビュシエール(22歳)>

 「シンデレラ」の王子。

 さらっと後ろに軽く流したシルバーの髪に空色の瞳。鼻がすーっと通った完璧王子顔。身長179cm。

 過去にいじめられていたシンデレラを甘やかそうとしたことが失敗だった。貴族と庶民の暮らしのギャップが彼女を苦しめてしまった。

 教育学研究科生涯学習専攻の修士1年。超ヘタレ野郎。家事全般担当。

 梅乃と同じく「おどけたサンチョ」でアルバイトしている。



挿絵(By みてみん)

<ハンス・ルドヴィ・ド・オルセン(23歳)>

 「人魚姫」の王子様。

 短いプラチナブロンドに若草色の切れ長の瞳。凛とした顔立ち。身長180cm。

 命の恩人である人魚姫の存在にも彼女の死にも興味を示さない様子に、姉人魚達がハンスの妻に呪いをかける。しかし呪いを忌み嫌うハンスは、すかさず妻と離婚。

 環境科学院海洋学科の修士1年。超冷徹非道野郎。

 梅乃と同じ大学オーケストラでフルートを吹いている。



挿絵(By みてみん)

<カールハインツ・ヨーゼフ・フォン・ハッセンプフルーク(18歳)>

 「白雪姫」の王子様。

 かなり癖のあるショコラ色の髪にコバルトブルーの瞳。猫眼。身長175cm。

 何もせずに白雪姫と結ばれたことに7人の小人に嫉妬され、あれこれと暗殺を仕掛けられる。とにかくリンゴと櫛とリボンは禁句。

 工学部の1年生。生意気だけど憎めないタイプ。



挿絵(By みてみん)

<ハインリヒ・ゲシュタルト(25歳くらい)>

 「カエルの王様」の側近。

 ピンクベージュブラウンの髪を後ろで一つに縛り付けている。

 フリードがカエルになったときに、胸に3本の鉄の帯を巻き、「カエルの王様」でフリードの魔法が解けるときに外れるはずだったが、魔法がまだ残っているため鉄の帯も1本だけ残っている。

 フリードの呪いを解くために一緒に来た。

 しかし主人を放って『CAFE Frosch in Liebe』を経営中。




【梅乃の友達・その他】


挿絵(By みてみん)

鬼塚恭介おにづかきょうすけ(20歳)>

 梅乃の友達で夏海とは高校からの仲。

 農学部資源生物学科。剣道部。

 身長181cm。髪も短く刈り上げられさっぱりとしていて、顔立ちも非常に男らしい精悍な顔つき。

 とにかくイイヤツ。梅乃のことが好きだが何やら秘密を抱えている様子。



挿絵(By みてみん)

塩谷夏海しおやなつみ(20歳)>

 梅乃の友達。

 身長162cm、モカブラウンに染めたショートカット。

 農学部資源生物学科。

 サークルは大学オーケストラで楽器はヴィオラ。

 オケの他にスキューバダイビングも趣味。

 ハンスに恋をしている。



挿絵(By みてみん)

森山由希もりやまゆき(20歳)>

 梅乃の友達。

 身長150cm弱。教育学部。

 サークルは大学オーケストラでクラリネット。

 オケの先輩の柳さんが好き。そしてカールのことが大嫌い。

 


挿絵(By みてみん)

佐倉楠葉さくらくずは(17歳)>

 梅乃の妹。瀬佐美女子高校の2年生。

 学校でいじめに遭っていたところをクリスに救われる(『捨てられ王子たち』第2章参照)。

 以来、クリスが好きで学校帰りにおどけたサンチョに通っている。



挿絵(By みてみん)

羽山空はやまそら(20歳)>

 梅乃の高校の時からの友達、経済学部3年生。

 日本人形のような顔立ち、バレエが得意。

 従兄に援交を強いられていたところをテオに助けられた(『捨てられた王子たち』第3章参照)。

 今ではテオといい感じ。



沼男ぬまお

 おとぎの国から現代日本に移住してきた河童。

 梅乃の家の近くの河童公園の池に住む。

 アサドとカリムの友人。


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