表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦闘員だって考える、だって人間だもの  作者: 流離流留
第1歩「学生だって必死です、人生を変えてみたいんです」
7/39

『怪人の癖に現代的な武器を使いやがって』


 ざっとこんなもんだ、ただの大学生でもブチ切れたらこれくらいやってのけるんだよ。


 俺は手をたたきながら縛られた人質の方に歩みを進める。

 これだけ助けてやったんだ、何かお礼の一つや二つもらえるに違いない。


 ニコニコと微笑みかけながら、人質に声をかける。


 「さぁ、もう安心です。悪党どもはこの俺、葉剛羽賀也が退治しましたっ――――!?」




 その瞬間、首筋に鋭い衝撃が走り、そのまま意識が遠のく。


 なるほど、気を失うってのはこういうことを言うのか。

 漫画やドラマでは良く見る光景だが実際に味わう日が来るとは思ってもいなかった。



 視界がかすむ。



 床に転がった俺は最後の力を振り絞って、仰向けになり、自分の背後に回っていたヤツを見据える。

 そこには、タコ怪人が、俺と同じくらい、いや、それ以上に荒い息をつきながら俺を見降ろしていた。



 その手に握られていたのはスタンガン。怪人の癖に現代的な武器を使いやがって。



 ・・・くそ、もう少しでヒーローだったのに。ちょっとだけ悔しさがこみ上げる。



 きっと俺は殺されるだろう。

 なんてったって悪の組織相手にこれだけ派手に暴れちまったんだ。


 ・・・心残りがるとすれば半ば家出同然で飛び出した実家に、錦を着て帰れなかった事だけだろうか。




 せめて正体だけは見てやろうと、怪人・・・タゴゲドンだっけ、を凝視してやる。


 俺にむしり取られた仮面の隙間から、線の細い輪郭が目に飛び込む。




 その正体に気付いた俺の中をさっきとは違う衝撃が駆け抜ける。


 顔を見られたことに気付いたタコ怪人が、焦ったようにスタンガンを再び押し付けてきた。



 激しい電流に、俺の体はビクンと弾み、視界は暗転。





 ――――――――コイツ・・・、女!?




 やがて、何も見えなくなった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ