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戦闘員だって考える、だって人間だもの  作者: 流離流留
第6歩「戦闘だって職務です、それが僕らの生業なんです」
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「アイドルの人生をまでプロデュースしてこそ本当のプロデューサー(キリッ)」

目覚めたのが突然ならば、トラックが静止するのもまた突然だった。ブレーキをかけられ車体が大きく揺れる。少しの間があって、荷台の扉が開かれた。


久々の光に目が眩む。逆光のせいで、どこかの見かけは子供頭脳は大人な小学生が活躍する推理漫画の犯人のようになってしまった人間が俺たちに手招きをする。どうやら目的地に着いたらしい。


ヘルメットを小脇に抱え(あとで聞いた話だが東雲が部屋から持ってきておいてくれたらしい)、荷台から地面へ降りる。後から降りてきた東雲が思いっきり伸びをした。



「いやぁー、久々の太陽だ! 半年ぶりくらいかな!……いや、それ以上か?」


「バカ言ってんじゃねえよ、東雲。半年車に乗ってたらお前、日本何周できると思ってるんだ」



なぜだろう、口では否定したものの、何かしらの世界線では半年以上の経過が観測されているき気がする。とぅっとぅるー。



「だってよー、剣心ネタを使ってた頃にその剣心が映画化されるって話題になってたはずなのに、今じゃとっくにその映画の公開も終わって、むしろお姫様抱っこの方が話題になってるくらいだぜ?」


「お前は何をいってるんだ」


「やっぱアイドルとはいえ恋愛くらい許してやんねーと。ダメになっちゃうよ? ……大体、当のプロデューサーが自分のプロデュースしたアイドルと結婚してんじゃない。彼女たちは夢を追ってるって。説得力ないよ」


「何を言っているのか皆目検討もつかないがそれ以上いけない」


「アイドルの人生をまでプロデュースしてこそ本当のプロデューサー(キリッ)」


「やーめーろーよー。俺普通に好きなんだよー。スカートひらりひるがえしーとか普通にカラオケで歌えるんだよー」


「昔リンカー◯で三村の誕生日企画でコラボってたよな。残尿とか」


「うわー、なんか微妙に覚えてる。意味なく宙に吊られてたよな、三村」



思えばあの頃のアンダーグラウンドな感じの頃の方が彼女たちには似合っていたのではないだろうか。と、いうよりも、彼女たちを熱狂的に追いかける人間を表に出してはいけなかった。



「彼女たちが脚光を浴びてからのアンダーグラウンド担当だったももク◯も、今じゃすっかりお茶の間の人気者だからなぁ……」


「お、葉賀也くん、もしかして『もののふ』の方ですか?」


「―――はい? 呼びましたか?」


「すみません、先輩のことじゃないです」



そういえば無双さんもある意味「もののふ」だった。紛らわしい。思い付いたように東雲が武士(もちろん先輩の方だ)に話題をふる。



「そういや武士先輩はなんか好きなアイドルとかいるんっすか? やっぱりおにゃんことか松田聖子とかですか?」


「高槻やよい」


「「え?」」


「高槻やよい」



予想の斜め上の回答が返ってきた。それも即答だった。まっすぐな瞳で。東雲、お前が堀当てた地雷だ、お前が何とかしろ。



「えーっと、そのやよいって、『うっうー』の方ですか?」


「はい、モヤシ祭りのやよいですね。少し前に遂にSレアに出世しましてね。……ふふふ、大変でしたよ。フリトレの方が安かったでしょうけど、やはり嫁は自分の手でお迎えしたかったので」


「まさかのモバマス!?」



おまけに課金者だった。この悪の組織はサブカルチャーに精通している人間が多すぎだろう。自分の好きな話題だったのか、武士先輩が楽しそうに語りだした。



「100年たってもやよいおり、とはよくいったものですよ。はるちは、みきりつ、たかゆき、はるみき、様々なカップリングが765プロでは作れますが、やはり至高はやよいおりですよ。東雲くんもそう思うでしょう?」


「い、いや、俺はゆきまこなので……」


「むぅ……。では葉剛くん、貴方は?」


「俺はひびたかです」



いかん、俺も即答してしまった。これでは人のことを言えん。



「……フェアリーではなく?」


「はい。確かに美希も愛していますが、やはりひびたかです」



そもそも俺はは響が好きだ。どれくらい好きかと言うと、昨今のボッチネタで心を痛め、カレンダーへの出番が表紙にしかないと聞いて苦情の電話をかけたほどだ。




我那覇、俺だ、結婚してくれ。

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