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戦闘員だって考える、だって人間だもの  作者: 流離流留
第4歩「組織だって会社です、実力がものを言うんです」
23/39

『いや、いいんだ。何となくわかってたことだから・・・』



 この組織の構成は非常に簡単なピラミッド方式だ。



 勿論一番上は総統こと興蔵鈴菜。戦前の日本における天皇的存在のようだ。簡単にいえば全権限が彼女に集約されている。良くも悪くも全ては彼女の裁量次第、といってもここは悪の組織であるから悪い方向意外に進みようはないのだが。


 

 そして、その彼女の下には三つの部門。


 

 まずは、俺のことを改造してくれやがった博士こと罷屋路傍率いる〈研究部〉。武器や戦闘服、兵器や新しい設備など、ありとあらゆるものを研究製作している。

 正直なことを言うと、この部門は博士一人が受け持っている。構成人数一人、部門として分ける理由が俺には全くわからない。



 

 二つ目は俺の所属する〈戦闘部〉。俗に言う戦闘員や怪人が所属している。より正しいことを言うと戦闘員=怪人である。だから、まほろさんも厳密に言うと戦闘員。

 戦闘員になると、総統から戦闘服がら支給され、怪人担当のシフトに加えられるそうだ。



 ・・・なんだ、この怪人シフトって。まさか、あの怪人の着ぐるみって交代制なのか?


 とにかく、戦闘員に選ばれるってのはかなりの出世ってことらしい。俺は三十五号だから、そのまま三十五人目の戦闘員てことでいいのだろうか?

 ・・・まあいいや、後でまほろさんにでも聞いとこう。




 そして、戦闘・研究以外の全部をこなす下っ端、・・・失礼、雑務担当の〈庶務部〉。 昨日のコンビニ強盗の状況で例えると、捕まった人からお金を抜きとっていた、その他大勢のことだ。

 実質この組織のほとんどがこの部門に所属していることになるので、会社で言うところの平社員と事務員と管理作業員がゴチャゴチャになっていると考えとこう。


 


 久々に大量の文字を見たので目が痛い・・・、眉間の間をもみほぐすと少し楽になる。

 


 やがて、着替えを終えたまほろさんが洗面所から姿を現した。俺の着ている戦闘服と同じデザイン。体にぴったりフィットしているだけあって、色っぽい体のラインが浮き出て――――――いない。




「羽賀也さん、お待たせしてすみません」


「いや、いいんだ。何となくわかってたことだから・・・」


「?」

 

 分かっていたさ・・・、彼女がちょっとぽっちゃり系なんだよね。こういうタイプの子は体のラインを見せちゃだめなんだよ・・・。

 今なら、彼女がタコの着ぐるみやブカブカしたパジャマを着せられていた理由が分かる。あれは周囲の人間の優しさだったんだ。


「大丈夫ですか? 何だかとても悲しいことがあったような顔をしています」


「・・・まほろさん」


「はい?」


「・・・タコゲドン、凄く似合ってたよ」


「ふぇっ!? あ、ありがとうございまふ!」








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