『ちょっとまほろさん! それ俺です!』
「で、お前は準備できたのか?」
「あ、はいできました」
「ちゃんと入ったか、温泉?」
「はい、やりました」
「うむ、上々。まほろも準備できたのかぁー?」
「は、はひ!」
「・・・わしはそろそろ部屋に戻りたいのじゃが」
「却下却下。さ~、クエストクエスト」
あれから博士がまほろさんの着替えを持ってきてくれたおかげで大分話が進み易くなった。とりあえずまほろさんが服を着てくれたことで、俺はようやく全員の顔をきちんと見ることができたことになる。
ただ、まほろさんが何故かパジャマで、何故か耳付きのフードで、それを何故か目深にかぶっていてで、余りのストライクぶりに何故か俺の胸の高まりが止まらない。
「おいこら葉剛。人のカワイイカワイイ部下をえっちい目で見てんじゃねえぞこの野郎。ヤりたいならそう言えよ、5万でヤらしてやっから」
「ブッ!?」
「そ、総統! セ、セクハラですよ!」
「にゃははは。2人とも動揺しちゃって~。カ~(↑)ワ~(↑)イ~(↑)イ~(↓)」
よ、よし。今の状況を整理しよう。何で俺は悪の組織の戦闘員になってまでして、怪人と博士と総統と一緒に一狩り行っているのだろうか。これじゃ、休み時間となんも変わらない・・・。
とか何とか考えている間にも、ゲームは進んでいる。なんやかんや言いながら、まほろさんも博士も結構きちんとやっている。
「・・・は~か~せ~。風圧無効の旋律頼むよ、旋律~」
「じゃったらわしにコマンド入力するだけの余裕を与えんか。お主ら前衛がしっかりしてくれたらワシはこんな苦労をせんでもいいんじゃぞ」
「だ、大丈夫です。私が援護しますから・・・。え、えいえい」
「ちょっとまほろさん! それ俺です!」
「きゃあ! ご、ごめんなさい・・・」
「よし、こうしよう羽賀也くん。私がスラッシュゲージ回復させてる間1人で頑張れ1人で」
「総統、無茶を言わないでください。俺もうすぐ鬼人ゲージ切れるんで」
おいおい、まあまあ楽しいじゃねえか。
因みに、ここまでの会話で何となく察してくれる人もいるだろうが、俺が双剣で総統がスラッシュアックス。まほろさんがライトボウガンで博士が狩猟笛だ。
・・・だから何だという話ではあるんですがね。