昭和の父と平成のお父さん、そして令和のできるパパ
今日は父の日。
なんとか間に合いました。
私の父は限りなく大正に近い昭和一桁生まれ。昭和にありがちな仕事に生きるサラリーマンだった。
幼い頃の私にとっては、朝起きるといなくて寝ている間に帰ってくる人。一緒にいられるのは日曜日。
「パパ」
と背広を着たおじさんの後ろ姿を父と間違えてしまう位には、父とは距離があった。
翻って、うちの夫(以下、相方あるいはお父さん)。現在進行形でお父さんをしているがほぼ平成のお父さんと言っていいだろう。
共働きだったから割りと子どもの面倒を見てくれた。こまめに公園や動物園、博物館に連れてってたし。とても良いお父さんだと私は思っていた。
しかし。相方の撮影した動画で意外な姿を私は発見する。
上の子の動画はわりと普通だった。
問題は下の子が小さい頃の物だ。
下は大丈夫かな？と思う位おっとりした子で。どんな時もご機嫌で笑っていて、扱いやすい子だった。
ところが動画では。
相方であるお父さんに向かって怒ってる。
「なんだよう！」
まあ、子どもが階段で転んでいるのに動画をとりながら「おい、大丈夫か～」と呑気に声かけているお父さんが悪い。
その一週間後の動画では、転んだ階段を登る前に手を繋げと何やら言ってる下の子。お父さんに適応していく子どもの姿がそこにあった。
一緒に遊んでいる時も。
何か相方が声をかけると、ニコニコしていたのが一瞬すんっとしてから華麗に相方をスルーして遊び出す家族。
二歳にならない子どもが、すんっとした顔するなんて。衝撃だった。
後日、下の子に聞いてみると。
「あの人とはわかりあえない」
「あの人には何言っても無駄だと思ったから」
と冷たいお言葉が返ってきた。思春期限定の物と思いたい。
今時のお父さんは家族と距離が近い分、粗がはっきり見えてしまうのだろうか。
在宅ワークでも「失敗した～」「何でだ～」と、ぼやいている姿を目にするし。旅先でも振り回される事多数だから父の威厳を保つ事は難しいのかもしれない。
と思っていたのだが。個人差という物があるようだ。というのは、すごい令和のパパを見たから。
近所のスーパーで買い物をしていた時。
盛大な子どものギャン泣きが聞こえてきた。
何やらぐずっていて「だっこ、だっこ～」という声も聞こえてくる。
じめじめとした蒸し暑い日。
どうしたって子どもがぐずりやすいよなと思いながら買い物を続けるが、根性のあるお子さんのようでぐずり声はずっと続いた。
買い物を続けて近づいた現場は製菓コーナーだった。
なかなかにイケメンなパパと四歳位の男の子と二歳位の男の子二人。ママの姿は見かけない。どうやら父子で買い物に出かけたらしい。意外にも歳かさの男の子がぐずっている。
「だっこ、だっこ～」
とパパの身体に手を回して抱きつくお兄ちゃん。
「うん、だっこね」
と言いつつもパパは抱き上げない。
「ワーン！ひどいよ～！」
と泣き出すと、パパは
「大きな声をあげない」
と声を荒げずに注意をする。
この時点で、私はこのパパはただ者ではないと感じた。
ちなみに弟くんは、静かに1人遊びをしながらお兄ちゃんとパパを待っている。
お兄ちゃんも、これまで一人占めした親の関心が弟にいっちゃって大変だよね～。
と赤ちゃん返りした時のうちの上の子を思いだしつつ買い物続行する私。牛乳買わないとな。
お兄ちゃんはとうとう
「もう いやだ～！」
とギャン泣きを始めた。
ああ、これぐずった挙げ句に何がしたいかわからなくなるやつだ。
ここで、普通のお父さんや疲れたママなら「いい加減にしなさい！もう行くよ！」となるところだ。
デキるパパは違った。
やはり声を荒げずに落ち着いた声で
「大きな声を出さない」
と言い、床に座り込んだ息子を
「座らない」
と言って立ち上がらせる。
そして一言。
「大きな声で騒ぐから買ってあげないんだよ」
とたんにお兄ちゃんは泣き止んだ。(普通の子ならギャン泣きを続けていると思います。この子もただ者ではない)
すっかり静かになったスーパー。
レジに向かいながら私は、パパすげーと思った。
どんなにぐずっても泣いても息子に妥協しない。
泣きわめく息子のペースに巻き込まれて怒鳴らない、声を荒げ無い。
淡々と何が悪いのか言い聞かせる。
並み以上の忍耐力とエネルギー、意志の強さが無いとこうはいかない。アンガーマネジメントが出来ている。
休日で時間に余裕があったからこそできることかもしれないとは思う。正直、時間に追われるママにはなかなか難しい。
こうやって人の話が聞ける子どもを育てるのか。この令和のパパはすごい！
このパパ、仕事もできるんだろうなあ。
うちの相方とは違って、と思ったのは内緒。
ま、私の相方だから仕方ないか。
最後までお読み頂きありがとうございます！
